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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
5章 最後の1年
74/140

74話 寺巡り終われば閉幕

 映画村を去ってから約30分。タクシーは黄金の楼閣が見える庭園のような所の前で止まった。俺たちは

「ありがとうございました。」

とお礼を言ってからタクシー代を渡し、その庭園みたいなところへ入っていった。

 金閣。厳密には鹿苑寺金閣。京都のひっそりと佇み、それでいて艶やかで美麗な寺。平日だからか、人も少なく俺たちは緑に包まれた庭園を足早に抜けて行き、池の畔へ急行した。

 すると、見えてくるはさっき見たよりも一層迫力と美麗さのある黄金の楼閣。

「凄っー!」

「ひょっー!」

「なんて、美しいんだぁっー!」

「綺麗だねぇ。」

水面にも写って映えるその立ち姿に俺たちは感嘆の声を漏らさずにはいられなかった。

 そんなこんなでしばらく金閣を眺めた後、通りすがりの人に写真を撮ってもらって、俺たちは庭園を抜けた。そこにあった時計は長針が8、短針12を差している。

「もう、12時40分か。ご飯食べに行くぞ!」

「おっー!」

「おっー!」

「おっー!」

本当に賑か過ぎる3人である。俺はそんな彼らを連れ、検索にヒットした金閣寺近くの蕎麦屋へ入り、かけうどん3つと天丼1つを頼んだ。天丼は学で蕎麦屋に来ておいてご飯物行くかと思ったが、うどんもそれもとても美味しかった。うどんはあっちの濃い出汁と対照的に薄めの出汁だったがこっちのも好きだなと思った。学に分けてもらったでっかい海老天もつゆがよく染みていて食べごたえを強く感じた。

 それから、店を出て、タクシーを拾って搭乗。その車窓からは地理や公民で知った景観条例。その一端がいつまでも垣間見れてとても良く感じられた。

 そして、銀閣、清水と回って、京都駅前まで来る。銀閣の質素さ、それ故の素朴で魅力的な立ち姿。金閣同様水面に写るそれもとても良かった。さらに、清水寺から見る京都の町並み。至るところに寺院や五重塔、溢れる緑。昔ながらの京都の美しさ。それを心一杯目で感じられた。

 さて、時間はもつ4時で残り30分。俺たちは京都タワー下のショップでワラビ餅やら大福やらキーホルダーやら、とにかく残ったお金をほとんど使いきって、俺たちは京都駅に集合した。

 その暫し後。全員が集合した後、俺たちは先生の話を聞いた後、クラスごとに改札を抜け、ホームへと整列する。俺たちはそのまま新幹線到着を待ち、到着するとまたもやクラスごとに中へと入っていった。

 行きとは逆の京都から東京。しばらく、鈴本さんらも入れて自由行動の話をしていた。今回の自由行動で鈴本さんらとは会えなくて何処へ行ったのかが分からなかった。だから、彼女たちの話を聞くのは一層楽しかった。伏見に祇園、二条城。その話を聞く内に、俺たちは京都へまた行きたいという気持ちが湧いてきた。

 だが、そんな時間もやがては終わる。俺たちは一斉に睡魔に襲われ、次々目を閉じて、眠り始めた。その経過で、俺も眠りに就いてしまい、目が覚めた時にはもう品川の前であった。

 そこからはとても早かった。新幹線はすぐにブレーキをかけ、ホームでその動きを完全に止めた。俺たちはまたまたクラスごとに降り、最後はバスに乗って高校前へと来て、体育館に集まり、先生の話をしばらく聞いた。

 そして、下校の時。俺は久しぶりに鈴本さんと2人きりで帰った。だが、お互いに疲れで何も言おうとせず、ただただトボトボ歩いて、結局交わしたのは、

「また、明後日...。」

「明後日...。」

という別れの言葉だけ。明日は振替休日のようなもので、俺たちは休みである。とは言え、鈴本さんは生徒会があり、もう明日の昼頃から活動に戻るらしいが。

(大変だな...。)

俺はそんなことを思いつつ、玄関の扉を開けた。

 この時、俺たちの修学旅行は真の意味で幕を閉じた。修学旅行が終われば次は文化祭に体育祭。進路だって待っている。

(襟を正して頑張ろう!)

俺は馴染みと温かみのある自分のベッドへと飛び込んだ。

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