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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
5章 最後の1年
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73話 失敗と成功

 やがて、山陰道と国道9号を通ってタクシーはトロッコ亀岡へと到着した。俺たちは運転手に例を言い、タクシー代を払ってトロッコ亀岡へと行った。

 だが、そこで誤算に気付く。時間は7時過ぎ。列車が来るのは9時。そう、俺たちはそこまで意識を向けていなかったのである。

「うわ、やってしまった...。」

「さっきのタクシー代が無駄になるんじゃないか?」

「もう終わったね。」

俺、圭吾、学が弱音を吐く。だが、浩平は全くそんなことは無かった。彼はスマホを取り出し、マップを開く。幸いなことに電波が立っているようだ。

 「近くに山陰本線の馬堀駅があるな。それで、嵐山駅まで行けるぞ。」

浩平はマップを手でスライドしながら言った。見ると、徒歩でも10分掛からないと出ている。俺はそれを見て、

「トロッコは断念するしかないな。山陰本線に乗って嵐山へ行こう。」

と言う。

「賛成だ。」

「そうだな。」

「まあ...そうだね。」

すると、2人は二つ返事ででOK、1人は嫌々OK。俺たちは歩き始め、6、7分後、馬堀駅まで来た。

 早朝だからかまだ客の少ない静かで大きな駅舎。俺たちはそこの改札口をICカードで通り抜け、京都方面のホームへと着く。そこで、電車が来た。

(危なかったな...。)

俺は間に合った安心感に浸りながら3人を背に扉を潜って座った。

 それから、暫し。電車は出発した。出発からすぐに無人のトロッコ亀岡が見え、そこからはしばらくトロッコの線路と平行に進む。だが、山が現れると2つに分かれ、俺たちの乗る電車はすっかり夏に染まった新緑の山の中を進んでいく。さっき分かれたトロッコの線路とは交わっては離れ、交わっては離れし、約20分ほどで嵐山まで来た。時間は7時30分過ぎである。

 「さぁ、行くか。」

駅舎を出ると、俺は言う。すると、後ろから

「おっー!」

「おっー!」

「おっー!」

と3つの怒号。その後、俺たちは渡月橋を渡ったり、竹林を訪れたり、天龍寺で庭園や枯山水を見たりと予定通り2時間ほどブラブラとしてからまたタクシーを拾って映画村へと行く。

 着いたのは10時より少し前。俺たちは映画村へと入った。定番のお化け屋敷に手裏剣体験。そんなことをしながらスタンプラリーを進め、中を歩くこと約1時間。俺はお土産を買った後、足早に映画村を出た。時間は11時30分。京都駅集合は4時。残り4時間30分。

 「ギリギリ清水、金閣、銀閣はギリギリ行けるか。」

俺はそう呟き、またタクシーを拾って乗る。

「行き先は?」

運転手に聞かれれば、俺は

「金閣寺!」

と即答。さっき、予定を変更し金閣寺の後に昼食を取ることにした。というわけで、今、それとトロッコの件を除けば事は予定通り進んでいる。

(このルートはやっぱ正解だったな...。第一成功してるし。)

俺は1人ニヤニヤしつつ、古都京都の風情ある景色を眺めていた。

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