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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
5章 最後の1年
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66話 西陣織作り

 バスに乗ること小1時間。バスは西陣織教室前に辿り着き、俺たちは降りて、クラスごとに教室の入り口まで歩いていった。

 俺たちはここだ手織体験とマフラー作りをする。ちなみに、手織体験かマフラー作りかを選ぶ。

 「さぁ、手織体験へ行くぞぉ!童貞ども!」

浩平が言う。

「イェーイ!」

「レディゴー♪レディゴー♪」

圭吾と学が盛り上がる。

「そう言うこと、大きい声で言うなよ、浩平!」

俺は叫ぶが、浩平たちは不満げな顔をして見せ、

「何だ。ノリ悪いな。」

と言う。次いで、

「そうだぞ。」

「そうだよ。」

と圭吾、学も同じく。

 こうして、俺たちは手織体験を始めた。まずは色々あるデザインの中から好きな物を選び、色付けをする作業。俺は万華鏡の様なデザインを、浩平は星空の様なデザインを、圭吾は六角形の並んだデザインを、学は鶴や亀なと縁起物がたくさんのデザインを選んだ。一方で、女子はほとんどがパンダやペンギンなどの可愛らしいデザインを選んでいた。

 その後、配色をしたわけだが、俺のは白を基調に赤や緑、青など。浩平は黒を基調に金や銀など。圭吾のは藍色のみの濃淡で。学は黒を基調に金や赤、青など様々な色を使い、かなり複雑であった。

 続いて、繭から糸を取り出し、生糸を作る。そして、手織の職人の指示の基、それぞれお湯に染色用の色素を流し、糸を何度も何度も浸ける。そんなことを繰り返している内に、糸はどんどんとその色に染まっていった。

 それが終われば、次は縦糸・横糸作り。その次は縦糸と横糸を縫い合わせ、織物の配色に入る。ここまで、約2時間掛かった。

 織物の配色。本来は色糸を使うらしいが、ここでは簡易版と言うことで筆塗りをメインに必要があれば縫う方法を使う。俺たちは別の職人から必要なワッペンを貰い、それを出来た織物にアイロン付けした。一方、学のは複雑と言うこともあって、繊細な部分も多く、不恰好ではあったもののそこは色糸で縫っていた。

 これにて、配色の作業は終了した。配色には約30分かかり、ついに、仕上げのの作業。製織に移る。製織が手織体験の本質である。俺は別室の部屋に並んだ織機の前の椅子に座り、横に3人を従え、時折、職人に手助けしてもらいながら織物を完成させて行く。織機を動かすごとにどんどん模様が現れる俺はその様子に関心を覚えながらも、何度も何度も織機を動かした。

 そして、全ての作業が終了し、ついに俺たちの織物が完成した。正確には帯で、最初に書いた色付きデザインともよく似ている。職人ならもっと上手く出来ただろうが、所々失敗している方が味があって良いと思う。

 そんなこんなで、出来た帯を持って部屋を出る。どうやら、マフラー作りの方は少し前に終わっていたらしく、バスで待機していた。俺たち手織体験組は急いでバスに乗り込んだ。どうやら、栞と鈴本さん、立花さんはマフラー組だったらしい。見ると、栞と鈴本さんは華やかでいて美しいマフラー、立花さんは可憐で繊細なやはり美しいマフラーを持っている。

(彼女たちらしいな。)

俺は何となくそんな気がした。

 太陽はいやいよ西に傾く。空は夕日に焼かれ、東から月がひょっこり顔を出す。そんな黄昏前の中、俺たちのバスは今日泊まるホテルへと走り始めた。

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