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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
5章 最後の1年
63/140

63話 王様ゲーム(後編)

ガールズラブ要素があります。苦手な方はご注意ください。

 「1番が3番にこれだ!」

王様になった圭吾がパッキーの箱を振る。箱がカシャカシャと音が鳴る。

「おー、定番中の定番だねぇ。」

「定番、定番。」

「井上くんが相手じゃない限りすぐ折ってやるわ。」

「私だって正一が相手じゃなかったらぶん殴るし。」

「私も私もー。」

「そのままの勢いで舌も入れちゃいます!」

女子たちがそんなことを言うが、1番も3番も俺たちの中には無い。

 「あっ、私1番ですわぁ。」

立花さんがそう言ってAのカードを見せてくる。

「わ、私3番。」

そう恥じらいながら言ったのは栞だ。

(何か新鮮で良いかも...。むしろ、このまま「しおさゆ」しか「さゆしお」で頼む。「さやさゆ」「さゆさや」は何か辛い。仮にも鈴本さんと付き合っているんだし。て言うか、栞って女の子同士は恥ずかしいのかっ!?)

 「何興奮してるのかしら?」

鈴本さんにそう聞かれて、

「あっ!いや別にっ。」

と繕う。彼女はしばし疑りの視線を止めなかった、やがて諦めてくれたようだ。彼女が「そう言う趣味なのね」と小声で言ったような気がしたのは多分、空耳だろう。

 チュッ。唇と唇が触れ合う音が鳴った。満更でも無い顔の立花さん。顔を赤くして黙り込む栞。受ける側だけが妙に意識してしまう。

(俺の大好きなシュチュだぁ。事後にお互いに意識も捨てがたいけどもさぁ。)

俺は鼻血を鼻を啜って吸い戻した。だが、幸せそうな顔は隠せなかったらしい。みんなに少し引かれた。

 続いて、俺がついに王様となった。既に指令は考えてあった。俺は言う。

「5番が愛を叫ぶ!」

すると、学の瞼がピクリと動いた。

(何か、嫌な予感が...。)

 そして、学は5のトランプを机に叩き付け、

「ロリが好きだっーーーーー!愛してるっーーーーー!」

(ハハハ...思った通りだぜ。)

俺と浩平と圭吾が後ろへ引く。女子に至っては伊能以外がゴミを見る目で彼を見ていた。

(ほーら、どうするよこの空気。俺のせいでもあるけど。)

 「6番が自虐的発狂をしながら床に10回頭を叩き付けてもらおうかな。」

次に王様となった桔梗さんがそう言う。

(さ、流石桔梗さん。半端ねぇ。)

そして、6番は浩平である。彼はため息をつき、少し間を置いて、床に頭を叩き付け始めた。

「俺のバカ!バカ!バカ!バカ!バカ!なんで、まだ童貞なんだよ!俺がヘタレだからか?あっー!」

と自虐的発狂をしながら。

(こ、これは下手なホラー映画よりも怖い。)

 それから、色々な指令が出された。「5番が8番の胸を揉む」や「7番がセクシーポーズ」など少しエロい指令もあれば、「4番が缶ジュースを一気のみ」や「1番が中二病っぽく名乗る」など普通の指令もあった。だが、エロい指令を受けたのは大体が女の子同士で、赤面や吐息、喘ぎ声なども時折聞こえてきた。18禁まではいかないが、15禁は確実であろう。

 もちろん、俺は興奮しっぱないしだ。もう鼻血を隠すこともなく、ほとんどずっとしたたらせ、肌を伝わせていた。そのせいか、解散の頃にはあたりも少し色褪せて見えた。少しめまいもして栞にぶつかってしまった。

「大丈夫?」

と心配され、俺は

「大丈夫。軽い貧血だから。」

またクラッと来た。

 それを見て、栞が

「肩貸すわよ。」

と言ってくれた。

「でも、悪いよ。」

と言うが、彼女は聞いてくれもしない。無理矢理肩に手を置かされた。さらに横から鈴本さんにも同じことをされた。

 こうして、俺は浩平の家を去った。圭吾と学、立花さん、伊能、はそれぞれ違う方向へ帰り、俺に着いてきたのは鈴本さんと栞と桔梗さんの3人。男女比率1:3と言うハーレム状態か、もしくはその一歩手前かであった。

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