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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
5章 最後の1年
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61話 自由過ぎる雑談

 そして、浩平たちとの東京巡りと鈴本さんとのデート以外何も無いまま、ゴールデンウィークは明けて、再び学校が始まった。

 「すーずもとせーんぱーい!」

1人廊下で歩いている鈴本さんに伊納が話しかけた。

「伊納さんね。どうしたの?」

鈴本さんはその方を振り向き、伊能に聞いた。

「鈴本先輩!生徒会に入りませんか?」

と伊能。鈴本さんはどうやら前から入ってみたかったらしく、快くそれを承諾した。

 結果はもちろん生徒会就任。容姿淡麗。才色兼備。胸の辺りは少し寂しいが、生徒たちの鈴本さんへの信頼は抜群。中には嫉妬する女子などもいたが、そんな奴らより彼女を信頼する者の方が圧倒的に多い。それは、応援演説が無くても余裕で突破出来るぐらいの勢いだった。

 最終学年の3年生と言うこともあって、鈴本さんは生徒会長になった。そのせいで、俺と鈴本さんが一緒に帰ることも少なくなるだろうが、自分が我慢すれば良いのだと、そんな日は浩平たちと家に帰った。

 そして、鈴本さん生徒会就任の週の土曜日。俺たちは浩平の家で打上会を開いた。俺は彼の母が出してくれた紅茶をすすりながら、全員揃っているかメンツを確認した。

(えっと...俺、浩平、圭吾、学、栞、鈴本さん、立花さん、伊能、ききょ...。)

 その中に、誘ったはずの無い色黒の女が笑顔で座っているのに気付き、俺は大きく目を見開いた。

「桔梗さん!?何でいるんです!?」

と言うと、そそくさとこちらの肩を組み、耳元に囁いてきた。

「私の前で紗耶香と何かしたら...殺すからね?」

(メンヘラっすか、あなたは...。)

俺はちょっと引きながら、彼女を引き剥がした。

 それから、雑談が始まるのだが、かなりの自由度で下ネタやら意味深な言葉やらが空を交い、立花さんは

「東隅野でも乙女同士ではそう言うことしていましたわね。私は緩い方でしたが、ガチな方もいらっしゃいましたわよ。」

と言い出したので、想像してしまった俺は鼻血を吹き出してしまった。

 「先輩がたぁ!人の寝技も四十八手って言葉知ってますかぁ?」

(寝技とは?)

「それって、どういう意味ですのー?」

(聞かないで!)

「人の寝技は四十八手あるってことですよー。」

(答えないで!)

「意味深ですわねー。」

(言わないで!)

「転じて、方法は1つとは限らない。だから、色々な方法を試すのが大切だってなんですよー。」

(結構、ちゃんとした意味があったー!)

 そんな色々うるさい中でも、鈴本さんは会長専用のノートパソコンを開き、仕事を始めた。

「鈴本せんぱーい!やっぱり、ブルーライトカット似合いますねー。」

そんな伊能の言葉に、思わずそちらを見てしまった。どうして、清楚な女の子はこうも眼鏡が似合うのだろう。俺はしばらくそんな鈴本さんに見とれてしまっていた。

 「じゃぁ、私もお手伝いします!」

伊能がそう言うと、鈴本さんはキーボードも見ず、片手で高速タイピングをしながら、伊能の方を見て言った。

「ありがとう。じゃぁ、お願い。」

「はい、どういたしましてぇ。」

と言って鞄からを書類を出した。

(2人ともめっちゃ仕事が出来る感じだ!)

俺は想像以上でまた目を見開いた。

 「こちら、今年度の行事予定と生徒会の抱負です。」

何やら冊子のようなものが置かれる。

「これは、先日行った入学・進級アンケートの集計とその結果です。」

その上にまた別の冊子が積まれる。

「そして、こちらが各部活動の部費の割り振りの結果です。」

さらに、その上にまた別の冊子が積まれる。

 「最後にこちらがエキサイト本です!超エキサイティング!」

(おい!)

そやな冊子やら紙やらが積まれ、最後に伊能がそんな物を置いた。それに気付いた鈴本さんは片手タイピングを続けながら、エキサイト本だけを書類の山から弾いた。

 弾かれたその本は高速で回転しながら壁に激突し、大きな音と共にくぼみを作り、空中で開いて、床に落ちた。浩平と圭吾は顔を綻ばせ、学はあまり興味が無さそうに目を反らし、桔梗さんはニヤリと笑う。さらに、立花さんは

「あらまぁ。」

と手で口を覆い、栞は赤面。

 だが、鈴本さんを見ていた俺と伊能は恐怖でしかなかった。ブルーライトカットの奥から覗く光彩の消えた目。わずかに見える白い歯の輝き。心なしか漂っている気がする邪悪なオーラル。

(鈴本様のご光臨だぁぁぁぁぁっっっっっ!)

恐怖のあまり、俺も伊能も周りの目を気にもせず、2人肩を寄せ合った。

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