表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
4章 高2時代最後の1ヶ月
52/140

51話 その日、俺は暗部に踏み込んだ

 「私がやってしまいましたの。申し訳ごさいません。」

立花さんは、自分が鈴本さんのファーストキスを奪ったことを告白し、頭を下げた。

「へ?」

驚きのあまり、俺は言葉を失った。

 「た、立花さんが...?」

俺は首をかしげる。続いて、その様子が頭に浮かんでくる。俺は赤面して、体が熱くなっていた。

(ゆ...百合百合しい...。)

俺は気絶した。その直前、

「正一くぅぅぅぅん!!」

と言う、彼女の声が聞こえた。


 そして、次に目を覚ましたのは昼休みだった。鈴本さんが心配そうに見ている。

「ずっと見ててくれたの?」

俺は聞く。彼女はコクンとうなずき、

「はい、これ。」

と、食堂で売っている唐揚げ弁当を渡してくれた。それは、俺の好物であった。

 「ありがとう。」

僕は割り箸を右手に持ち、左手に持った弁当の中から唐揚げを取る。口の中に、醤油味の効いた温かい唐揚げが入ってくる。味と香りが一気に広がる。僕はその余韻を楽しみながら、白米を口に入れる。それは唐揚げの味と香りと混ざって、俺の大好きな味と化す。

 それから、あっという間に俺は弁当を平らげた。

「ありがとう。」

俺は鈴本さんに再度、お礼を言う。

 と、そこでチャイムがなった。

「ごめんね。私、行かなきゃ。」

そう言って鈴本さんは保健室から出ていった。

(鈴本さんと...立花さんが...。)

俺の鼻から血が垂れてきた。

 その後、みんなが交互にやって来た。次の休み時間は栞が、放課後すぐには伊能が。彼女はキスをしようとして来たので、手でその顔を押し上げた。

「えへへ...。」

彼女は赤面しながら、保健室を出ていった。その手を見ると、そこには唾液がたくさんついていた。

(や...やらかした...。)

俺はため息をつく。

 やがて、俺は完全回復し、部活に行った。

「大丈夫なのか?」

浩平が聞いてくる。俺は、

「うん。」

とうなずき、1人でウォーミングアップに入った。そして、練習試合に参加した。

 「おらぁぁぁぁぁ!」

俺はボールに向かって一直線。蹴れば、それはゴールへ一直線。あっという間に、1点を先取した。

 「やぁぁぁぁぁ!」

スライディングで自陣に入ってきた敵からボールを奪い、浩平に渡す。彼は、ゴールを決めた。

 それからも俺は絶好調だった。結果から言えば10-0。内俺の5アシスト4ゴール。その絶好調はその日だけであったが、顧問に褒められてとても嬉しかった。

 そして、気付けば、俺は本格的に百合に目覚めてしまっていた。恋人がいる人にとって、決して踏み込んではならない暗部にログインしてしまっていた。キモオタと言うオタクの最終進化形へと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ