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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
4章 高2時代最後の1ヶ月
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50話 デートの最後にロマンチック

 ついに、俺は週末を迎えた。

(さぁ!計画はバッチリだ!)

俺は早朝、ドアを開けて、家の外に出た。

 そして、鈴本さんに合流して、会話をしながら駅に向かった。

 「いやー。楽しみだなー。」

俺は笑みを浮かべる。すると、鈴本さんも笑顔で返してくれた。

(さぁて、今日こそ鈴本さんのファーストキスをいただいてやるぜ!)

俺は企みを心の中に押さえておこうしたが、少し表に出てしまったようだ。

「何、ニヤニヤしてるの?」

彼女に聞かれ、俺は慌てて

「い、いや、何でもない!」

と言って、顔をただす仕草をした。それを見て、彼女は笑顔になる。その瞬間、体中が熱くなるのを感じた。俺は頭を掻いた。

 そして、駅についた。俺たちはそれぞれのICカードで、改札を通り、ちょうど来た横浜行きの電車に乗った。

 あと、伝え忘れていたのだが、俺たちの高校のは台東区立東上野高等学校と言う。近くには、上野動物園もあり、かなり良いところだ。もちろん、最寄りであるこの駅は上野。

 目的地は、終点・横浜。予定では、始めに赤レンガ倉庫で買い物をし、ランドマークタワーに上った後、遊園地にいくつもりだ。

(そして、最後には...!)

俺はまたニヤニヤして閉まっていた。

「気持ち悪いよ、井上くん。」

鈴本さんにそう言われ、俺は

「そうだよねっ!キモいよね!」

と言う。すると、彼女は引きつった笑顔を浮かべた。

(本当にごめん!鈴本さん!)

ここが電車の中でなければ、俺は躊躇なく土下座していた。

 それから、俺たちは約30分、電車に揺られ、横浜駅についた。ここへは、久しぶりに来たので、色々ややこしかった。俺、どっちかというと方向オンチなのだ。鈴本さんのおかげでなんとか外へ出ることは出来たが、俺たちの出てたかった場所とは正反対の出口だった。改札を出る時、残金から電車賃の550円が引かれていた。

 そんな色々な不祥事はあったが、俺たちは赤レンガ倉庫まで来た。横浜の観光案内マップを見ながら、汽車道に沿って歩き、その中に入った。そこで、鈴本さんと会話をしながら買い物をした。俺はお土産を買い、鈴本さんは帽子や服などを買った。お揃いのものは一切買っていない。果たして、これは正統派のデートと言って良いのだろうか?

 続いて、ランドマークタワー。まず、展望台に上って、東京の町を眺めた。初めに、様々なビルが見える。俺たちの行く遊園地だって見える。奥には横浜の港町も見える。島をを挟んだ2つの斜張橋も見える。いつまでも見ていたかったが、もう1時になっていた。流石にお腹が空いたので、俺たちは一度、タワーから降りて、食事を済ませた。

 そして、本命の遊園地。俺の計画では、アトラクションに乗りまくって、吊り橋効果などで距離を縮めた後、海に向かって、そこでロマンチックな展開へと持っていくつもりだ。上手く行くかはわからないが、その時はその時だ!俺はもう脳筋になってしまっていた。

 そして、遊園地。まず、たくさんのジェットコースターに乗った。案の定、鈴本さんは楽しんでいるのに、俺はもう死んでいた。

(この様で吊り橋効果とはよく言えたものだな...。)

俺はため息をつく。

 次は急流滑り。これは1回しか乗らないと鈴本さんが言ったので、

(良かった。)

と、一安心。した俺がバカだった。俺はびしょ濡れになった。彼女は河童を持ってきていたので、濡れなかった。

(今日の鈴本さん、酷くね?)

俺はあまり穏やかではなかった。

 そんな中、時間は容赦なく過ぎていく。やがて、夕方になった。いよいよ、閉園時間も近づいてきた。まだ、5時だと言うのに、太陽の半分が西の空に沈んでいた。秋の日は釣瓶落としとは良く言ったものだ。冬だけど。それも、季節の変わり目だけど。

(あれ。俺、少し賢く見える?)

俺はかなり有頂天になった。

 「観覧車に乗ろうよ!」

鈴本さんは提案してくる。俺は、

「おうっ!」

と答える。彼女は俺の手をグイグイと引っ張る。

「そんな引っ張らないでぇ。」

俺はかなり顔を赤くしてそう言う。正直、すごく嬉しいのだ。

 それから、鈴本さんに連れられる約十数秒。俺たちは列の最高日に並び、やがて出番が来た。計画とは違うがこれも良いだろう。

(夕日に、その赤い光を反射する青い海。大きな観覧車。これは絶好のシチュエーションだ!)

俺は小さくガッツポーズをした。

 「ねぇ、井上くん。私のことどれくらい好き?」

あまりにも唐突だったので、俺は少し反応が遅れた。

「えっ?あっ。その...好きを10としたら100ぐらい?」

「そんなバカみたいなこと、小学生しか言わないわよ!でも...。」

鈴本さんに笑われる。だが、それには続きがあった。

 「でもね...。それだけ私のことが好きだってことはわかったわ。ありがとね。」

鈴本さんには笑顔でお礼を言い、続いて、キスをしてきた。

(こ、これが観覧車キスと言う奴か!まさか、俺にもこんなリア充イベントが来るとは!浩平たちに言ったら、殺されるだろうな。)

この事を彼らに話したらどうなるか、目に浮かぶようだった。

 お互いの唇が離れ、俺たちは目が合い、同時に赤面しながら目をそらした。

(俺のファーストキスが彼女で良かった。鈴本さんのファーストキス、いただいたぜ!)

俺は目をそらしながらまた、小さなガッツポーズをした。

 このキスが惜しくも彼女のセカンドキスだったと言うことは、後で知った。とても悔しかった。

(ったく、誰だよ!彼女のファーストキス奪った奴は!)

俺は地団駄踏んだ。

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