4話 サッカーで非モテと非リアに終止符を
今日も、にっくきリア充たちの会話が聞こえている。甘い雰囲気が教室には広がっている。
それなのに...
それなのに、俺たちの周りには、まるで次元が違うかのように、淀んだ雰囲気が漂っている。
「お前ら、ほとんどのリア充に共通する点は何だかわかるか?」
浩平が聞いてきた。
「美男美女?」
俺たちの声は盛大にハモった。
「それが、違うんだなぁ!」
と彼。
「じゃぁ、何なんだよ?」
俺が真っ先に聞いた。
「それは...!」
「それは?」
「それは...!」
「それは?」
と言ったところで、
「って、早く言え!」
と、俺たちの声は再びハモった。
「それは、男の方が運動部に所属していることだぁ!!」
そんな、浩平の訴えに俺たちはおぉ、という賞賛の声と、パチパチという拍手の音、そして、キラキラとした目の輝きを送ってあげた。それを見た彼はとても満足げだ。
「さてと、さっき運動部がモテやすい言ったが、その中でも特に、目立つのは何部だ?」
「う~ん?」
浩平に言われて、俺たちは頭を抱えて考える。しばらくするとヒントが出された。
「わからないか?イギリスで生まれた、ボールを蹴ってゴールを狙う世界的スポーツだぞ?」
(いや、それって...!)
「初めからサッカーだって言えよ!」
俺はツッコんだ。すると、
「そう、サッカー部だ。」
と、彼は言った。
ということで、俺たちは先生から入部届をもらいサッカー部に提出した、そして、翌日、部からOKが出された。
「ようし、お前ら....非モテと非リアに終止符を打ちに行くぞぉ!」
「おぉ!」
と、俺たちは円陣を組んでからサッカー部の活動が行われる運動場へ向け、走りだした。