40話 黒ギャル
ある日の放課後、俺は鈴本さんと下校していた。まさか、そこにあの人が乱入してくるとは思いもしなかった。
「正一く~ん!」
誰かに呼ばれ、俺は振り替える。すると、そこには走ってくる巨乳の黒ギャル。俺は逃げようとするが、間に合わなかった。俺はそのまま、彼女に押し倒されてしまう。
「正一く~ん!今日もいつもみたいにエッチ...しましょ?」
その黒ギャルはそう言ってくる。
(ていうか、胸が!その、遠慮のない巨大な胸が!これ、Gぐらいあるぞ?高校生でこんな育つのか!?絶対シリコン入ってるだろ!)
と思いながらも、俺の目は自然と谷間に向けられ、顔が緩んでいた。
「い~の~う~え~く~ん~?」
(マズい!鈴本さんが鈴本様モードに!)
「ねぇ、良いでしょ~?」
(とにかく離れてくれ、黒ギャル!逃げられねぇんだよ!)
「ねぇ、雫。そのまま、押さえててよ?」
(この2人って知り合い!?)
「オーケー。沙耶香の言うことなら何でも聞くよ。」
(聞かないで!)
「ということで、井上くん。覚悟は...出来ているわよねぇ?」
鈴本さんがマジの声で聞いてくる。俺は怖すぎて、
「は...はい!」
と情けなく返事する。そして、彼女の拳が頭を直撃し、俺は気を失った。
それから、どれぐらい眠っていたのだろうか。それは分からないが、俺はとりあえず生きていた。
(それに、この柔らかい感触は...って、あっー!)
俺は勢いよく跳ね起きる。後ろを見ると、やはりそれは膝だったとわかった。
(俺は今、鈴本さんに膝枕を...!)
「ごめんね。ちょっとやり過ぎた。」
(いや、謝る必要は...てかっ!ちょっとどころじゃないでしょ!これっ?)
俺はそう疑問を抱いた。
それから、あの黒ギャルが手を差し伸べてくれた。俺はその手を握り、立ち上がる。その途中で、急に握力を強くしたので、俺は
「何でこんなことするんだ!」
と問い詰めた。すると、彼女は
「沙耶香に聞いたよ。あんたと恋人関係ってことをな。沙耶香泣かしたらぶっ殺すからな?そこらへん、ちゃんと覚えとけよ?」
と威厳のある恐ろしい声でそう脅してきた。俺は、それに屈してしまい、
「わかりました。」
と情けなく了解した。
「オーケー。」
彼女はそう言って、「桔梗雫」と名乗ってから、
「じゃぁ、またねー!沙耶香ー!正一くーん。」
と別れを告げた。俺たちも
「じゃぁねー!雫ー!」
「じゃぁ...。」
と返した。
「帰ろっか。」
鈴本さんにそう言われ、俺は
「うん。」
と答える。しかし、その後の言葉を聞いてそう言ったことを後悔した。
「帰ったら、ちゃんと話そようね?井上くん。」
「はい...。」
俺はまたもや、そんな情けのない返事をした。




