36話 ツイスターゲーム(前編)
「はぁ...。」
昨日のことで、すっかり疲れてしまった俺は自分の席でため息をつく。そんな俺を見て、浩平が話しかけてくれた。
「どうしたんだ。」
浩平が聞いてきたので、俺は
「いや、昨日は鈴本さんに無視されまくってさ。俺は何も悪くないのに。」
と言った。
「ちっ。これだからリア充は...!」
「おい、聞こえてるぞ?」
すると、彼が舌打ちをしたので、そう伝えてからまたため息。
さすがに、哀れに思ったのだろう。浩平は、茶化してこなくなった。それどころか、あることを提案してくれたのだ。
「Twistar game!」
と。俺は、
「Twister game?」
と聞く。すると、彼は
「Yes,Twister game!」
と答える。その後、俺たちは声を揃えて、
「Twister game!」
と言った。
そこで、俺は我に返り、
「えっー!?」
と驚く。すると、浩平は
「お前ってホント、ベタだよな。」
と言った。俺は、
「うるさいな!」
と言ってから、
「ツイスターゲームってあれだよな?リア充の遊びの?」
「そうだ。」
「指定された場所に手や足を置くっていう。」
「全くもって、その通りだ。」
そんな会話の後、俺はまた、
「えっー!」
と驚き、また、
「ベタだな。」
と言われた。
それから、浩平は、明日やるから鈴本さんや栞、立花さん、伊能を誘ってと言われたので、俺はまず、栞に近寄って、彼女を誘った。
そして、伊能を誘おうと、近寄ると、
「先輩!今日は何ですか?私に心変わりしましたか?」
と聞かれてなで、全面否定して、彼女も来ると約束しなくれた。その後、立花さんも難なく誘うことが出来た。
さて、問題は鈴本さんだ。彼女を見つけた俺は、おそるおそる、
「今度...浩平...の家でゲームやるん...だけどさ...。良かったら...来ない?」
と、聞いた。すると、彼女は、
「もちろんでしょ。」
と言って、約束してくれた。どうやら、彼女も近寄りにくくて、寂しかったようで、その日はベタベタくっついてきた。とても、恥ずかしかったが、とても、気分が良かった。
そして、次の日。僕たちは早く終わらないかと、思いながら、学校での半日を過ごし、放課後が訪れた。少し遅れてしまったので、俺は急いで、浩平の家に行った。そのおかげで、ギリギリ間に合った。
「えっー!?お前が指示だすの!?」
俺は、ツイスターシートのある部屋でそう驚いた。すると、浩平は、囁き声で、
「俺が指示を出した方が、確実に鈴本に近づけるだろ?」
と言ってきた。俺はその言葉に納得し、
「イエス、ボス!」
と言ったものの、はり嫌な予感がした。




