31話 嫉妬
「ふざけるなー!」
浩平の話を聞いて、俺と圭悟、学は叫んだ。なぜ、そうなったのか?それは、昨日の昼休みまで遡る。
「俺、妹いるんだけどさ...この前、『愛している』って冗談で言ってみたら、『整形しろ』って返されたんだ!酷くね?」
「えっ...。」
浩平が愚痴を聞いて、俺は口をポカンと開けて驚く。色々な意味で驚く。
「まだ、あるんだ!『整形しろ』の後に『話しかけてくるな』だよ。マジ泣くわ!」
彼がまた訴えてくる。俺は
「は、はぁ...。」
と適当に流す。さらに、
(どう考えてもお前が悪い。)
と思いながら、
「お前、相当嫌われてるんだな。」
と言ったら、彼は
「そうなんだ。」
と返した。
それなのに、浩平と来たらその妹とゲームセンターに行ったのだ。
(おかしくね!?)
と思いながらも、彼の話を聞いているうちにだんだん腹が立ってきた。
浩平は昨日、近くのゲームセンターへ妹と行ったらしい。そこで、その妹がUFOキャッチャーでアニメキャラのフィギアを取ろうとしていたんだって。だから、彼は取ってやった。しかも、一発で。これを見て妹は、
「おぉぉぉ。」
と言いながら、拍手をした。それで、彼は喜んだ。のもつかの間、彼女が小声で
「チッ、お兄ちゃんがイケメンだったらかっこよかったのに、イケメンじゃないからこっこよくない。」
と言ったのを聞いて、
「お前聞こえてるぞ。」
と言った。それなのに、無視されてしまった。
それから、浩平はアニメキャラの印刷が入った貯金箱を取った。600円を使って、6手で手に入れたらしい。500円を使っていれば100円得をしたのに600円を使ってしまったらしい。特に、酷いのが4回目。そこで、手に入れたら得だったのになんと空振り。妹は、
「プッ...。」
と笑いをこらえていたんだって。
続いて、浩平は妹に
「お金を返すからそのフィギアをくれ。それは、俺が取った物だ。」
と言ったらしい。彼女は素直なので、そのフィギアを渡してくれた。
そして、そのお金を使って、妹が違うフィギアを取ってきた。浩平曰く、そのフィギアの方が好きだったらしいので、
「これと取り替えようぜ。」
と言った。すると、
「これは、私が取ったものだから、私のものだ。」
と返されたらしい。その瞬間、彼は心の中で
(ド正論、いただきました。ありがとうごさいます。ウザいです。)
と言って、諦めたらしい。
ちなみに、600円で手にした貯金箱はサイズとデザインが違うだけで、同じような物がスーパーで500円で売っていたらしい。それを聞いた妹は、笑いをこらえることが出来なかったらしい。
俺たちはこの話を聞いて、
「ふざけるなー!」
と叫んだのだ。さらに、俺は
(普通、嫌いな人とゲーセン行くか?)
と疑問に思いながら、さらに、キレた。
「何だよ!そのラブコメ展開は!俺は彼女いるのにそんなシュチュエーションに会ったことないぞ!?それなのに、彼女いないお前だけが何でそんな展開になってんだ!?それに、せっかくいい雰囲気になっているときにお前が邪魔しると来たよ、コレ!めっちゃ羨ましいじゃねぇか!ほっんとふざけんなよ!」
と。しかし、声が大きすぎたようだ。周りからの視線が痛い。俺は
「すんません。」
と言って、それからしばらく黙り込んだ。




