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非リアの俺が学年一の美少女と付き合っちゃった話  作者: プリンアラモード
2章 恋人との日々
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20話 みんなで心理戦

 ゲームが始まると、浩一が俺以外のみんなに「偽の絵画」、「真の絵画」と思われるカードを配った。

 「2017年下半期、とある美術館に予告状が出された。」

続いて、浩一はそう言う。そして、予告状カードらしきものを手渡してきた。そこには、『今夜12時頃、ここで一番の宝物をいただきに参上する 怪盗ショーイチ』と書かれていた。

「これを読め!」

彼は言う。

(そこまでこだわるか!?)

俺はそう思ったが、取りあえずそれっぽく

「今夜12時頃、ここで一番の宝物をいただきに参上する 怪盗ショーイチ。」

と言っておいた。

 それから、俺は

「鈴本さんにする。」

と、鈴本さんを指名する。すると、彼女はニヤニヤし始めた。

(えっ!?やらかしたか!?)

俺は恐る恐る彼女のカードを裏返す。すると、そこにあったのは真の絵画の文字だった。

「やめてよ。ヒヤヒヤしたじゃんか。」

「フフフ...ごめん、ごめん。」

「俺たちの前でいちゃラブするなっー!」

彼女との楽しい会話は浩一のその言葉で遮れた。

(何だよ...。)

俺は少し腹が立ったが、取りあえず1点獲得だ。

 「てか、聞いてなかったけどこれって何点先取で勝ちなんだ?」

俺はふと疑問に思ったことを聞く。すると、浩一から

「よくぞ聞いてくれた。正一くんよ!このゲームはズバリ...!」

という答えが返ってきた。

「ズバリ...?」

俺は息を飲む。そして、彼はこう言ったのだ。

「何点先取かは決められていないのだー!そこで、今回は30点先取としよう。あっ、ちなみに点数が0以下になることはないからな。」

と。俺は大阪の某お笑い番組みたいにずっこけそうになる。しかし、何とかこらえた。

再びカードが配られる。俺の手には美術館カードがわたってきた。ルーヴル美術館と書かれている。俺はそれを前に出す。怪盗は鈴本さんだった。

(これって仕返しされるんじゃね?)

そう思った俺は「偽の絵画」カードを伏せた。しかし、鈴本さんが指名したのは俺ではなく圭吾だった。しかも、圭吾は「真の絵画」カードを伏せていて、鈴本さんに得点がいった。

(あぁっー!またやらかしたぁ!もったいねぇ!)

俺は頭を抱えて崩れる。

 その後も、何回も何回も心理戦を続けた。

(うわ、「真の絵画」で襲われた。)

正一は1点を失った。

(よし、伊能さんに「偽の絵画」で襲われたぞ!)

七奈美は1点を失った。正一は1点を獲得した。

(「偽の絵画」にしたのに襲われなかった。もったいな。)

しかし、何も起こらなかった。

(「真の絵画」で襲われなかったぞ!やったぜ!)

正一は1点を獲得した。

 そんな攻防?の後、この心理戦は幕を閉じた。勝ったのは鈴本さん。美人過ぎる笑顔で素直に喜んでいる。

「くそ!もう1回だ!」

俺は悔しくて再戦を申し込んだ。すると、浩一は承諾してくれた。しかし、また負けてしまった。

 その後も、何度も何度も再戦を申し込んでは負け、申し込んでは負けし、気づけば門限の6時が来てしまっていた。

 (くそっー!結局、1回も勝てなかった!)

俺はそんな悔しい気持ちで頭にいっぱいになる中、浩一の家を離れた。

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