14話 民事裁判!?
「なんだとぉぉぉっっっ!?」
伊能さんの胸を揉んだことを浩平に言うと怒られてしまった。
「う...裏切り者!」
おまけに圭吾にはそう言われる。いや、あれはヤったとは言えないだろ。そこで、俺は
「とてもあれが童貞卒業とは言えないぞ!これは裏切りじゃない!」
と言う。しかし、彼らは聞いてくれない。
「子供って良いよねぇ...可愛らしくて無邪気で純粋で...最高だよねぇ...。」
いきなり学がロリについて語る。
「お前は黙っとけ!」
俺たちの声が盛大にハモった。
そして、学校に着くとなぜか民事裁判的なのが行われた。裁判官は浩平、検察側は圭吾と学と誰かさん、弁護側は...栞だけ!?1VS3じゃないか。
「異議あり!」
俺は言う。しかし、
「被告人に異議の権利はないぞ!」
浩平に言い返される。本当にそうかは知らないが、今は従うしかない。
(タチが悪すぎる~!)
そんな思いで俺は諦めた。
浩平がカンッ、カンッ!と小槌を叩いた。そして、
「これより被告人・井上正一の裁判を始める!」
と、開始が告げられた。
「検察側の主張を。」
浩平が言う。すると、次いで圭吾が
「パイモミは性的な行為!つまり、これは裏切りに当たる。」
と言った。
(いや、それはお前の偏見だろ...。)
俺はそう思う。
と、栞が「異議あり」を出した。そして、少し顔を赤くしながら語り始めた。
「私も正一にされたことがあるわ。もちろん、殴っといたけど。そのときは、何も性的な物は感じなかったわよ?」
と、言う。
(コイツ、顔は穏やかそうなのに手が先に出るんだよな...。)
俺は改めて思う。
「異議あ...」
圭吾が異議を表明しようとしたが、その前に栞が
「はぁぁぁっっっ!?」
とキレた。それに、それに怯まず...いや、正直ちょっと怯みながら浩平が
「せ...静粛に!」
と言いながら、小槌を叩く。しかし、一度キレた栞はもう誰にも止められない。
(さぁ、お説教タイムが始まるぞ!)
俺は軽いノリ不可避状態?になった。
「アンタら、正一の友達でしょ!?それを、童貞同士とかくだらない繋がりにしやがって....!友達を悪者に仕立てあげてなにか楽しいの?え!?」
(おぉ、迫力満点!)
「胸を揉んだくらいで?裏切り者だとか言って?そっちの方が裏切り者なんじゃないの!?」
「いや、それはそういうことしないって約束したらしいんですよ...それなのに彼はしたわけでして...。」
と、大いに怯みながら誰かさんが口を挟む。しかし、
「アンタ、正一の友達じゃないでしょ!?そんなやつがでしゃばるのは止めてくれない?」
とキツい口調で言う。それ以降、その人は黙ってしまった。
そして、その後も圭吾が口答えをしたり、学が裁判に関係のないロリについて語ったり、誰かさんが自噴の主張を貫こうとしたが。見事、栞が黙らせていった。結果はもちろん、弁護側の勝利である。
「あの...その...ありがとう。」
俺は栞にお礼を言う。すると、彼女は
「幼なじみとして当然なことをしたまでよ。」
と返す。
(謙虚だな...さっきまでとは全然違う...。)
俺はそんな思いで、裁判が行われた校舎屋上を後にした。幼なじみの弁護士さんとともに。