11話 登校途中の青春物語?
「はぁ~...。」
俺はため息をつく。
「どうしたよ!永遠のDTくん!」
圭吾が茶化すように聞いてきた。
「おぉ、女たらしか。聞いてくれよ。」
俺は『女たらしの中の女たらし』と長いコードネームがを言うのが面倒くさいので省略した。
「そう言えば、俺ら、コードネームで呼びあったことなかったなぁ!」
「そうだな。」
その女たらしに言われる、俺は答えた。
「なるほどそんなことが...。」
彼は俺に同情してくれる。
(優しいな。なんでモテないんだろう?やっぱ、偽善者だからか?いや、女たらしだからか?)
俺はいつの間にかそんな失礼なことを思っていた。てっ、てか、さっきから米神辺りへの視線が凄いんですけど。何だかとっても気になるのでその視線の主である、浩平と学に、
「何?」
と言ってやった。すると、2人は
「お前が言ってるのってあのロリ巨乳の美少女?」
と声を揃えて言った。ロリの定義はよくわからない。だか、何となくあれはロリ感があるし、巨乳なのは間違いない。
(てか、ロリ感ってなんだよっ!)
俺は自分にそうツッコんでから、
「そうだけど?」
と言う。すると、さらに視線が強くなる。
「なっ...なんだよ?」
俺は少し動揺してそう聞いた。
「そんなハイスペックなメスにぃ?絡まれて、凹むなんてぇ?贅沢だよねぇ!?」
浩平は答えた。
(メスって生々しい言い方だな...。てか、そういう意味ではない。あのため息は...。)
俺は苦笑を浮かべながら、
「あのため息はな...、そんなんじゃなくてだなぁ...。その子がだなぁ...、ガチの痴女だったからぁ...逃れるのが大変だったというだけでなぁ...、決してだなぁ...『俺ってモテモテだなぁ』とかなぁ...そんな悩みじゃねぇんだよぉ...。」
と、やる気のない声で彼らに説明してあげた。
すると、すると浩平はいきなり声の調子を変え、
「あれ?お前って痴女好きじゃなかったっけ?」
と、俺に聞いてきた。ので、俺はキレ気味口調で
「なわけねぇだろ!お前の中の俺の人物像はどうなってんだよ!?」
と言った。
「もちろん、スケベで童貞に決まってるだろ。」
「いや、いや、いや!確かに俺はスケベだけどさぁ...。それは痴女好きだとか、リョナ好きだとかそんな異常な方の性癖によるものじゃなくてだなぁ、男子高校生としては純粋な方の性癖よるものなんだよ。」
浩平の直球過ぎ、節度を越え過ぎなディスりに俺は怒らずにはいられなかった。
「じゃあ、俺、急ぐからぁ!」
浩平が逃げた。続いて、圭吾、学の2人も彼に便乗して逃げていく。
「待てぇ!逃げんなぁ!」
俺はそう言って、彼らを追いかけた。その時、青春だとか何だとか言っていったが、
(そんなのクソ食らえ、だ。)
俺はそんな気持ちで、学校まで4人で追いかけっこをしながら走り続けた。
(ったく、ガキかよっ!)
とも思った。