夏休みと修行の日々④| チームメンバー内総当たり戦②
欠陥魔力騎士82
夏休みと修行の日々④| チームメンバー内総当たり戦②
「両者、準備はよろしいですね?」
「もちろんですわ」
「問題ねぇぜ」
総当たり戦二戦目、陵君VS美龍。
フィールド内で向かい合う二人は、やる気にみちていた。
「それでは開始します」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「天通流一指、指旋突……連」
「窮鼠猫を噛む特異点」
「ッ!?」
美龍の牽制に対し、陵君は初手から全力で倒しに来た。
第一の切り札である窮鼠猫を噛む特異点。
これにはさすがの美龍も驚いたようで、対応が一手遅れる。
「天通流十指創解、絶突ッ」
「無駄だッ、そのまま返すぜ!!」
陵君の窮鼠猫を噛む特異点は、自らより強い技を操れる。
それは当然美龍の技も例外ではなく、彼の発動している空間内に入った瞬間、絶突は跳ね返ると思われた。
「ッ!? 何をしやがった!?」
しかしその結果は訪れず、陵君は跳ね返らなかった絶突を慌てて防ぐ。
「簡単なことです。あなたのその技も、あくまで魔力をもとにしたもの。その魔力効果を半絶で相殺し、指旋突だけを届かせたのです」
「マジかよ……流石だぜ。だがこれならどうだ? 窮鼠猫を噛む特異点限界突破無限の理」
陵君の第二の切り札である窮鼠猫を噛む特異点限界突破無限の理。
これは自らの周囲を空間ごと支配し、すべてを操る技だ。
しかしこの技の有効範囲は狭い。
ゆえに陵君は接近戦へと瞬時に移った。
「オラオラオラァッ!!」
「ッ、ッ、ッ!!」
互いに魔力技を用いない、純粋な剣術のみの戦い。
もともとの技量が高い陵君が、だんだん美龍を押し始める。
(そろそろだな)
「そこまでッ!! 二戦目終了だよ」
「なっ!?」
「ッ!?」
もう少しで美龍が倒されると言うところで、僕は二人の戦いを終わらせる。
無理矢理間に割って入った僕は、左右の手で陵君と美龍の武器を押さえ込み、そのまま押して二人の距離を離した。
「なんだよ限無。もう少しで勝てたのによぉ」
「うん。勝敗は明らかだった。だけど後一歩陵君が踏み込んでいたら、美龍が爆発しそうだったからね」
今の戦いは最初から全力を出した陵君の勝ちだ。
自分より弱いと陵君をなめてかかった美龍には、とても良い薬になっただろう。
「い、いえ、そんなことは」
僕の心を読んだのか、美龍は恥ずかしそうに俯く。
「それじゃあ次の試合だ。西城君と大和さん。お願いできるかな?」
「もちろんよッ」
「任せておきな」
僕が三戦目の組み合わせを告げると、座っていた場所へと戻った。




