夏休みと修行の日々③| チームメンバー内総当たり戦①
欠陥魔力騎士81
夏休みと修行の日々③| チームメンバー内総当たり戦①
「最後の日だし、今日は志向を変えて総当たり戦をやろうか」
合宿最終日の今日。
朝のトレーニングわ終わらせた皆に、僕はそう提案した。
「いいわねっ。負けないわよ!!」
「ご主兄様のお望みのままに……」
大和さんと美龍は即決でOKを出してくれる。
「今の俺で勝てるか自信無いんだが、いいぜ。やろうか」
「上等だぜ! やァってやるよ」
気のトレーニングで遅れをとぅている現状、西城君と陵君は最初は乗り気ではなかったようだが、二人のメイドの前ではカッコ悪いところを見せたくなかったようで、二人を見てからすぐにOKしてくれた。
「それじゃあまずは、西城君と僕でやろう。準決勝の再現だね」
「望のところだな。今度は接近戦で挑ませてもらう!!」
こうして僕たちは総当たり戦を開始した。
………………
…………
……
「それでは総当たり戦一戦目、天通限無VS西城陽斗を開始します。両者、準備はよろしいですね?」
いきなり決めた総当たり戦だが、安月さんが審判を勤めてくれることになった。
会場は合宿所に併設されている試合ができる程度に広い部屋。
そこにフィールドを設置し、屋内で行う。
「いくよ、西城君」
「胸を借りるぜ、限無」
「それでは開始します」
5、4、3、2、1………Let's GET yourself(レッツゲット……ユアセルフ)!!
「カートリッジロード」
「巫流……纏い晶華。そんじゃ行くぜ!!」
開始と同時に互いにアクション。
僕はカートリッジを1つロード。
西城君は体すべてをカバーする防壁であり、同時にカウンターのための武器でもある「纏い晶華」を発動。
そのまま僕へと踏み出してくる。
「天通流、巫流合一……纏い半絶」
それに対し、僕は天通流三指半絶を巫流の纏いで剣に纏わせる「纏い半絶」で応じる。
「相変わらず無茶苦茶だなッ。んじゃ行くぜ? 巫裏流……纏い破牙死!!」
「ッ!?」
真正面からの剣と剣での打ち合い。
「ハァァァァァッッ」
「アァァァァァッッッ」
西城君の纏い破牙死による、纏い晶華をエネルギーに変換して放つ剣撃と、それに対してエネルギーを相殺しつつ、剣撃そのもののエネルギーを受け止める僕。
互いのエネルギーと力が拮抗し、衝撃波となって周囲を荒らす。
「本当に強くなったね。流石だよ」
僕が教えた基礎と応用を、十全以上にこなしている。
そこにもはや僕の教えは存在せず、すでに西城君の実力となっていた。
「素直に喜んどくぜ? だが、まだまだだッ!!」
「なッ!?」
瞬間、西城君からの圧が消失し、同時に姿が消える。
それと同時、僕の直感が警鐘をならす。
「巫流、巫裏流合一……晶破千陣!!」
「カートリッジロード、天通流九指、夜魔打乃大蛇ッ」
自らの直感に従い、僕は上方に夜魔打乃大蛇を放つ。
いつの間にか西城君の姿は空中にあり、僕が直感に従って放った上方から、晶壁を雹のように降り放つ。
「オラァァァァァッッッ!!」
「うぉぉぉぉぉッッッ!!」
僕が放った夜魔打乃大蛇と、西城君の晶破千陣がぶつかり合い、エネルギーの飽和により爆発が起きる。
「くっ」
「うぉっと」
僕らはその衝撃に身を任せ、互いに初期位置を反転させて向かい合った。
「今のはとても驚いたよ。正直危なかった」
「へへっ、それでも防ぐんだから流石だぜ。んじゃ次行くぜぇ?」
そう宣言すると、西城君は再び纏い晶華を発動させようとする。
「いや、ここまでにしよう」
しかし僕は、そこで終わりを告げた。
「何でだよっ。ここからが面白いんじゃねぇか」
「それはそうなんだけど、これ以上は屋内だと厳しいよ。それに総当たり戦だからね。適当な所で終わらせて次に移らないと」
事実、部屋の壁が少し削れたりしていたし、爆発を受けた床がへこんでいる。
これ以上はここではできないのだ。
「仕方ねぇか。んじゃ次は……誰と誰だ?」
「陵君と美龍にしようか。二人とも、準備してくれ」
僕は次の対戦を指示すると、離れた位置においてある椅子へと腰かけた。




