夏休みと深まる謎⑩| トーナメント優勝特典旅行⑩
欠陥魔力騎士77
夏休みと深まる謎⑩| トーナメント優勝特典旅行⑩
「お疲れさま。よくやってくれたね」
「仕事ですから、最善は尽くしますよ」
十五分もかからずに仕事を終えた僕は、報告のために満器さんの父……満器彼方氏のもとへと戻っていた。
「まさか、可憐さんが次代の巫女姫とは思ってもいませんでした。力があるのはわかっていましたがね」
「次の統一王となる世継ぎを産む巫女姫に、我が娘が選ばれたのは光栄なことだよ」
ここで言う巫女姫とは、統一王の次に強いものを指す。
つまりは彼女……満器可憐こそが、いずれ統一王の頂に届くと言うことだ。
「ならばこそ、彼女を僕へと近づかせる事は控えるべきだ」
「………………」
僕の役割は反逆者。
いずれコーディネーターの中で反逆し、統一王の力を見せつけるための贄となる存在。
ただで統一王に負けてやるつもりは無いが、負けることは決定事項なのだ。
「身内贔屓と思われるかもしれないが、私は娘を……娘の眼を信じている。娘が君を王子さまと呼ぶのなら、僕は統一王ではなく君につくよ」
「ッ!?」
統一王ではなく僕につく? それはつまり、反逆者の仲間として一緒に処分されることを意味する。
「それはダメだッ!! 僕は……僕は、負けるために存在しているのだから……」
「君がそう思っているなら、そうなんだろうね。君の中ではね」
「どういう……意味ですか?」
統一王とは最強の存在だ。
僕よりも前に気力に辿り着き、その力でこの世界を統一した者。
そんな存在に僕が勝てるわけが……
「古き時代から統一王のサポートをしてきた我が家から君に、1つアドバイスをしよう。……統一王も人間だ。そして統一王とは強さこそ総て。つまり、君がもっと強くなればいいだけのことなんだよ」
「…………ッ!!」
それはつまり、僕が新たな統一王になる……と言うことだろうか?
「少なくとも、巫女姫である我が娘は君を選んだ。彼女は統一王に会った事があるのにも関わらず、だ」
(そんな、まさか)
それはつまり、彼女は本当に統一王ではなく僕を選んだと言うことだ。
「つまりはすべて、僕次第……と言うことですか?」
(僕が統一王よりも強くなる。そんなことが本当に可能なら……すべての問題は解決する)
「私の方でもサポートをしよう。他の者がついてくるかは、今後の君次第だがね」
「わかり、ました」
僕はその言葉に強く頷くと、部屋をあとにした。




