表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/91

夏休みと深まる謎⑥| トーナメント優勝特典旅行⑥

欠陥魔力騎士73


夏休みと深まる謎⑥| トーナメント優勝特典旅行⑥


「それじゃ、次の所に行こうか。夢穂(みずほ)のガイドってことは、滝と湖は見たんだよね? だったら次は、夕陽ヶ岳渓谷(ゆうひがだけけいこく)が時間的にぴったりだと思うんだ」


「よろしいと思いますわ。今の時間から向かえば、ちょうど綺麗な夕陽を拝めるはずです」


「うんうん。それじゃ、レッツゴー」


 ガイドさんと二人で行き先を決めると、少女……満器可憐が僕たちを先導するために歩き出す。


「少し歩くんだけど、皆さんなら大丈夫だよね?」


「俺は大丈夫だ」


「俺も大丈夫だぜ?」


 少女の問いかけに、西城君と陵君が肯定を返す。


「そちらのお姉さんたちは大丈夫?」


「まぁ、大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど……」


「わたくしも問題ありませんわ」


 大和さんも美龍も大丈夫なようだ。

 なら僕も……


「それでは行きましょう。ついてきてくださいね」


「ってあれ? 僕には聞いてくれないのかい?」


 四人から肯定の返事を受けとると、少女はそのまま歩き出す。


「何をおっしゃいますか、僕の王子さまなら、僕についてきてくれるに決まっています。無駄な確認ってやつですよ」


(なるほど、こういう子か)


「それはすまなかった。それじゃあよろしく頼むよ」


 僕は少女にウインクすると、少女の後ろを歩き出す。


(大人ぶっていても、まだまだ見た目通りの少女ってわけだな)


 僕は彼女への評価を定めると、どう対応しようかと考え始めた。


………………

…………

……


「つきました。ここが夕陽ヶ岳渓谷です」


「これはまた……」


「あぁ。こりゃすげぇ……」


 たどり着いた夕陽ヶ岳渓谷の景色に、僕らは思わず息を飲む。


「ここは別名、夕陽のエンゲージリング。ここで将来を誓った男女は、幸せになれるって僕が決めたんだ」


「すごい。この世のものとは思えないくらいに綺麗……」


「とてもロマンチックな景色ですわね……。時を忘れてしまいそうです」


 目の前にはちょうど夕陽に変わる空があり、その夕陽が渓谷の両崖上の真ん中に見える。

 まさしく夕陽のエンゲージリングと言える光景に、僕らは暫し本当に時を忘れた。


………………

…………

……


「そろそろ夕飯に間に合わなくなりますよ? 帰りましょう」


 満器さんのその声に、僕らは現実へと戻ってくる。


「できれば最後まで見ていたかったがな……」


「あぁ。柄にもなく見入っちまった」


 どれだけの時間が過ぎたかわからなかったが、夕陽は崖の中の隙間を半ば以上に降りており、今はちょうど渓谷の真ん中少し下に鎮座している。


「陽が沈むまで見ていたかったけど、仕方ないわね」


「わたくし、感動いたしましたわ。今日のこの日を永遠に忘れません……」


 とても名残惜しいが、ホテルの夕飯をレストランで食べるには制限時間(リミット)がある。


「また来よう。来年も……そのまた次も」


 僕はこの景色を深く胸に刻むと、この記憶を共有できた仲間に感謝し、夕陽ヶ岳渓谷を後にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ