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欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)  作者: inten
新入生歓迎トーナメント編
31/91

新入生歓迎トーナメント⑬| 天通限無(兄)VS天通限無(弟)②

欠陥魔力騎士31


新入生歓迎トーナメント⑬| 天通限無(兄)VS天通限無(弟)②


「こ・れ・は、まさしく壮絶ッ!! 決勝戦に相応しい戦いだぁぁぁッッッ!!」


「互いに天通流を使いこなす身。天通流同士の戦いだ。しかもどうやらこの戦いの中で、天通兄も創解を覚えたようだしな……」


「これで天通弟選手の有利が消えたと言えるでしょうか!?」


「いや、そうとも言えない。先程の攻防では、天通兄が押しきられている。咄嗟に昨日の力を使ったから何とかなったみたいだが、互いに手の内すべてを見せていない。まだまだ試合はこれからだ」


────────────────────────


 この試合が始まる前、大和さんに渡されたこの剣。

 これは昨日よりも長く、僕の全力に応えてくれる。


『いい? この剣が貴方の全力に耐えられるのは、だいたい五分が限度よ。できればそれまでに決めなさい?』


 大和さんには本当に感謝だ。

 僕は彼女のおかげで戦えるッ!!


「しかしまさか、十指創解(じゅっしそうほどき)の、三種合一(さんしゅごういつ)を使わされるとは思っていませんでした」


「僕も驚いているよ。まさか創解に、その先があるなんてね……」


 先程の攻撃は、天通流九指までの技の、3つを同時に発動させたもの。

 一度見ただけでは、そのすべてを覚えることはできなかったが、だいたい理屈はわかった。

 つまり創解とは、九指までを同時に別の場所で発動。

 それを精密なコントロールにより、放つ直前で1つにする。

 まさしく天通流究極の技なのだ。


「確かその力には、制限時間があるんでしたよね? ではここに宣言します。俺は貴方のその力が尽きるまでに、貴方を倒して見せるとねッ!!」


「あまりなめないでほしいな。僕はこの力を使った戦いで、まだ負けたことはないッ!!」


 無限領域(インフィニティ)を維持しつつ、僕はどう攻めるかを考える。

 昨日見せたような大技は、決まれば大きいが発動までの時間が長い。

 それに天通流には、傷を癒す技もある。

 一撃で仕留められなければ、彼は瞬く間に元通りだろう。


「では、こちらからいきますよ? 天通流十指創解(あまつりゅうじゅっしそうほどき)夜魔打乃絶突(やまたのだちとつ)ッッッ!!」


天通流十指創解(あまつりゅうじゅっしそうほどき)希刻指旋突(きこくしせんとつ)ッッッ!!」


 僕は彼の先程と同じ攻撃に対し、希刻指旋突をぶつけてその攻撃をそらす。

 同時に無限領域の把握力を利用して回避行動に移り、彼の攻撃を再びかわす。


「はははっ。その力、予想以上に厄介ですねッ!! でもこれならどうですか!? 希刻夜魔打乃半絶(きこくやまたのなかだち)ッッッ!!」


「くっ……、集束せし魔力光の剣(エクスカリバー)ぁぁぁッッッ!!」


 相手が放ってきた新しい三種合一に対し、僕は咄嗟に集束せし魔力光の剣で対抗する。


「無駄、無駄、無駄ですよッ!! 貴方の魔力がどれだけ大きかろうと、半絶を混ぜた創解の前には無力ッッッ!!」


我流(がりゅう)天通流合一(あまつりゅうごういつ)……。|夜魔打乃集束せし魔力光の(やまたのエクスカリバー)ぁぁぁッッッ!!」


 1つ目の集束せし魔力光の剣が打ち消される前に、僕は夜魔打乃大蛇(やまたのおろち)に集束せし魔力光の剣を重ねた技を放って対抗する。


「それは……悪手ですよ、天通限無ッ!! どんなに魔力量のある攻撃を使ったとしても、それは時間稼ぎにしか……ッ!?」


「その通りだ。この技はあくまでも時間稼ぎだよッ!! 天通流疑似無手の型(あまつりゅうぎじむてのかた)…………」


 僕は稼げた時間の間に、昨日と同じように剣を使っての天通流無手の型を発動する。


「我が剣に宿れ、玄武の鋼(げんぶのはがね)玄武(げんぶ)断空斬(だんくうざん)ッッッ!!」


「ッッッ!?」


 僕が放った一撃は、彼の技を完膚なきまでに打ち消し、彼に致命的と見える傷をつける。


「まさか、これほどとは……。正直予想以上ですよ。貴方の力はッ!! 天通流十指創解、希刻癒穴(きこくゆけつ)


 しかし彼のその技により、あたえた傷は瞬く間に癒される。

 天通流八指希刻泉(きこくせん)により高めたエネルギーを使い、四指癒穴(よんしゆけつ)で回復する。

 この技は想定通りだが、まさかここまでの回復力とは思っていなかった。


「しかしとても残念です。もう貴方には時間がない。そうでしょう?」


「ッッッ!?」


 彼の言葉に間違いはない。

 事実、僕が無限領域(インフィニティ)を使い始めてからもうすぐ五分だ。


「先程の宣言通りとはならなかったのが残念でなりませんが、私の勝ちですね?」


「そう……かもしれないね」


 いや、天通流無手の型を正しい形で発動させれば、まだ勝機はある。

 しかしこの技は、大会運営に禁じられている。

 トーナメント決勝戦を、反則負けなどと言う形で終わらせたくないッ!!


「何をしているの、天通限無ッ!! 貴方がその力を躊躇うのは仕方ないわ。でも信じてッ!! 大会運営の言葉じゃなくて、私の言葉をッ!!」


「大和……さん?」


 会場内に唐突な響く、大和さんの声。

 見上げれば閲覧席の最前列で、叫んでくれる大和さんの姿があった。


「貴方が貴方を信じられなくても、貴方の力を運営が認めないとしてもッ!! 貴方を信じる私を信じてッ!! 私の知ってる貴方と言う男は、こんなところで絶対に負けないのよッッッ!!」


 そうだ……そうだった。

 今の僕は一人じゃない。

 大和さんと言うかけがえのない存在がいて、僕を常に支えてくれる。

 何よりこんな僕を……欠陥魔力騎士だった僕に価値があると教えてくれて、救い上げてくれた。

 ならばその期待、応えられなきゃ男じゃないッッッ!!


武装具変更(ウエポンチェンジ)、モード全力全開(インフィニティ)ッッッ!!」


 今出せる僕の全力(すべて)

 本気の中の本気の力。


「なんなんですか、その姿は……ッ!?」


「今ここにあらためて宣言するよ。僕の出せる全力全開(すべて)にて、君の全力(すべて)を凌駕するッ!!」



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