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欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)  作者: inten
新入生歓迎トーナメント編
28/91

新入生歓迎トーナメント⑩ | 光の敗北と受け継がれる希望

欠陥魔力騎士28


新入生歓迎トーナメント⑩ | 光の敗北と受け継がれる希望


「我が願い、我が声に応えたまえ。我が祈り、我が意思に応えたまえ。ここに我が盟約と誓約を捧げ、なんじがすべてを受け入れん」


(お願い、天照大神(あまてらすおおみかみ)。私を勝たせてッ!!)


「出でよ、大和を守護せし太陽の神。天照大神ぃぃぃッッッ!!」


 私が天照大神と1つになると同時に、彼がギアを上げたのを感じる。


(まだまだ全然本気じゃなかったってわけ? なら意地でも全力を出させてやるッ!!)


「ははははっ、これが神が。こんなものが神なのかッ!! ぬるい、ぬるいぬるいぬるいぬるいッッッ!! こんな程度なら、ギアを上げるまでもなかった。期待はずれだよ、大和光(やまとひかる)……」


「なん……です、って!?」


「俺は少し期待していた。お前なら少しは俺を楽しませてくれるのではないかと。しかしごらんの有り様だ。この俺には到底及ばない。それがとても悲しい」


「ふざけないでッ!! 私はまだ敗けて「終わりだよ?」ッッッ!?」


 私が全力で攻撃を仕掛けようとした瞬間、彼から伝わる圧力がありえないほど増幅する。


天通流十指(あまつりゅうじゅっし)創解(そうほどき)夜魔打乃(やまたの)……半絶(なかだち)ッ」


「いやぁぁぁぁぁぁッッッ!!」


「俺の龍による封印で、完全に終わりだ。次はもう少し楽しませてくれよ?」


「そこまでッ!! 勝者、天通限無(あまつげんない)ッ!!」


────────────────────────


「き、き、き、決まってしまったぁぁぁッッッ!! あまりにも……あまりにも圧倒的な勝利ッ!! 天通選手、その力の底が一切見えないぃぃぃッッッ!!」


「この力、明らかにトッププロの中でも上位レベル……。しかもいまだに全力ではない。彼はどれ程の高みにいると言うのだ……」


「学園長、今のも創解なんでしょうか!?」


「恐らくそうなのだろう。今のは見た目は天通流九指(あまつりゅうきゅうし)夜魔打乃大蛇(やまたのおろち)。しかし、神をも封じ込めた事実から、三指半絶も使われている」


「つまり今の攻撃は、三指と九指を合わせた技と言うわけですね?」


「これは正直、反則と言える技だろう。あんな膨大な力で押し潰され、更には封印までされる。相手にとっては、悪夢そのものだ……」


「これはますます恐ろしい存在になりました、天通限無弟選手ッ!! 決勝ではどんな戦いを……いや、戦いになるのでしょうか!?」


「それは次の試合でわかるだろうよ。少なくとも今まで見た二人の実力では、天通限無弟に太刀打ちできない。次の試合は、あらゆる意味で見ものだよ」


「ではフィールドの調整に暫しお時間をいただいてから、次の試合へうつります。ご来場の皆々様、どうぞそのままでお待ちくださいませ……」


────────────────────────


「大和さんッッッ!!」


 僕は大和さんの試合の結果を見てすぐ、彼女の控え室へと走ってきた。

 フィールド外に出れば、フィールド内のあらゆることが無効になるとはいえ、彼女の負け方を考えれば、心に傷をおってもおかしくない。


「なによ、うるさいわね。私はこれから忙しいの。後にしてくれる?」


「大和……さん?」


 落ち込んでいると思った彼女はしかし、平然として新しいことを始めていた。


「なぁに? 私が落ち込んでいるとでも思った? えぇえぇ、その通り、落ち込んでいるわよ?」


「なら……どうして?」


 僕は疑問で一杯になる。


「貴方をあいつに勝たせるためよ」


「僕、を?」


 どういうことだろうか?


「いい? 私が戦ってみた感じでは、貴方の全力の方が強いわ。でも今の貴方では全力を出せない。本気を出したとしたら、いくらその武器でも一分で壊れるわ」


「それは、わかってるよ。だから僕はまだ……」


 そう。

 大和さんから与えられたこの武器は、カートリッジシステムの仕様上、僕の全力に一分だけ耐えられる。


「だからこそ、私は貴方の武器を作るの」


「どういう、ことだい?」


 今の武器でさえ、とても感謝しているのに。


「貴方も知っていると思うけど、武器には主に三種類の素材が使われるわ」


精神感応金(オリハルコン)精神感応銀(ミスリル)精神感応銅(ヒヒイロカネ)の三種類だよね?」


 これらはそれぞれに特性があり、柔軟性や硬度が違う。

 しかしどれも魔力を通しやすく、それゆえに僕が使うと壊れてしまう。


「そして防具に使われるのが、精神感応鋼(アダマンダイト)。これは他の三種類と違って、魔力を通しにくい代わりに耐久度が段違いなわけ」


「だからこそ、フェーデの防具は、それが使われるんだろう?」


 こんなのは、魔力騎士の常識だ。


「だから私はこれから、この精神感応鋼で武器を作る」


「精神感応鋼で!?」


 それは今まで作られたことの無い武器だ。

 精神感応鋼では、どうしても魔力を通せずに技がうまく出せないのだから。


「実は私の千変万化は、この精神感応鋼をメインに使っているのよ」


「そんな!? だってその武器は、あんなにも自在に……」


「そこら辺は、まだ企業秘密たから話せない。けれど私はこの技術を使って、今から貴方が全力を出せるための武器を作る。明日の決勝までには作り上げるから、今日の試合は必ず勝ちなさい?」


「そんな!? 大和さんはこの後、三位決定戦があるのに?」


「そんなもの棄権よ棄権。私はすぐに工房に戻って製作に入る。先生にはうまく伝えておいてね? それじゃっ」


 そう言い残し、彼女は控え室を出ていった。


「天通選手、ここにいましたか」


「次の試合が始まります。フィールドへ向かってください」


「わかりました。すぐに行きます」


 僕は先生に促され、彼女のことが気になりつつも、フィールドへと向かった。



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