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欠陥魔力騎士の無限領域(インフィニティ)  作者: inten
新入生歓迎トーナメント編
16/91

光の限無の放課後デイズ⑤| 光と限無の過去語り②

昨日が誕生日だったので、はなれた時間で連続更新です。

これは四話目です。

欠陥魔力騎士16


光の限無の放課後デイズ⑤| 光と限無の過去語り②


「これは僕が十歳の頃。ちょうど天通流に通い始めた頃の話だ」


 そう言って話し始めた彼は、どこか寂しげであり、とてもいとおしく感じた。

 普段から弱味を見せない彼だけど、私の前ではふとした瞬間に本音や弱さを見せてくれる。

 それがたまらなく嬉しくて、それを向けられるのが自分だけだと酔いしれて。

 けれど彼はハッキリしない。

 確かに付き合いの長さは短いし、私自身恋愛には疎い方だと自覚もある。

 けれど先程のかれの言葉のように、嫌われていないのは本当みたいだ。


(むしろ好かれてる……のよね? そうだと思ってもいいのよね?)


 彼の語り口はとても聞きやすく、自然と耳から頭へと入ってくる。

 優しさと力強さ。

 そこにほんの少しの暗さと重さ。

 けれどその暗さや重さは嫌なものではなく、今現在の彼を作り上げている重要な要素の1つなんだと実感できる。

 

(だけど、もどかしいわよね)


 彼の過去を聞くたびに、私はこう思ってしまう。

 「何でその場に私が居なかったんだろうか」と。

 私なら彼を見放した奴等のように、彼を受け入れないなどあり得ない。

 この目で見て、今現在習得しようと必死になっている彼の強さの本質は、とても高貴で、とても孤高で、とても気高く、とても難しい。

 「本当の天才とは、周囲に理解されないものだ」ということは、理解しているつもりだった。

 私自身、沢山の経験があるし、最終的には相手に伝わるレベルにまで落とし込めていた。


(けれど彼はそうじゃなかった)


 彼の力は異質すぎる。

 ハッキリ言って異常なのだ。

 それほどまでに、彼の持ってしまった力は強大だ。


(その気になったら多分、トッププロの大会に殴り込んで、力づくで黙らせることだってできたはず……)


 それほどにこの「気力」は強すぎる。

 国を預かる王族の一員としては、当時の運営が彼にした仕打ちは理解できる。

 理解できるが、納得はできないのだ。


(私が頑張れば……)


 もしこのまま修行を続けて、彼の扱う力の一部でも習得できたなら、彼の力は彼以外にも扱えるという証明になる。


(それに、私自身がもっともっと強くなれるっ)


 私はこれまで、どちらかというと体よりも頭で戦ってきた。

 自力で勝てない相手だとしても、自分で開発した武装具の力で上回ってきた。


(けれどいつまでもそれでは、私自身が停滞してしまう)


 天才とは孤独だ。

 「理解者がいない」だとか、「同レベルで話せない」だとか、様々な理由で孤独になる。

 それは必然であり仕方ないことだが、だからこそ私たちは「誰か」を求める。


(互いに本音で話せる相手。互いに気を使わないで話せる相手。そんな「自分と同じ者」を常に求めてる……)


 私は彼と初めて出会ったとき、予感がしたのだ。

 「彼とならそうなれるかもしれない」という予感が。

 そしてそれは正しかった。


(いいえ、違うわね……)


 今の私では足りない。

 彼と釣り合えていない。

 それは「気力」だけでなく、彼の本気に触れた時に感じた事実。


(でもそれは嫌ッ!!)


 私は絶対に追い付いて見せる。

 そして自信をもって彼の隣を歩くのだ。


(もっともっと頑張らなきゃッ!!)


 彼の妹の話を聞きながら、私は決意を新たにした。




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