光の限無の放課後デイズ①| 光の気力訓練①
ここから二人の日常です。
欠陥魔力騎士12
光の限無の放課後デイズ①| 光の気力訓練①
前回の本気を出したテストに満足した大和さんは、その後も僕に様々な実験を手伝わせた。
僕はその合間合間を見計らい、大和さんに気力について教えてることになった。
「というわけで大和さん。気力について教えるね?」
「よろしく頼むわ」
とは言ったものの、僕の覚え方は特殊なため、彼女のように理論立てて説明できるか不安だったりもするのだが。
「まずはおさらいだけど……大和さんには必要ないかな? 多分だけど、同じことを説明されるの嫌いでしょ?」
「よくわかったわね。その通りよ。私は一回だけ聞いて、後は自分でトライ&エラーをしていくのが好きなのっ」
どうやら僕の予感は当たったようだ。
これならやっぱり、見せながら説明するのが一番かな?
「じゃあ基本的な説明は前にしたから、実践しつつ教えていくね?」
「えぇ。お願いするわ」
さてさて、まず最初にやる修行といえば、やっぱり座禅からかな? 一番は水の中みたいに、完全に外界と遮断されている場所なんだけど……。
さすがに今の季節にプールとかは無理だから、座禅で自らの内側深くに意識を沈めて、そこから見上げる感覚を覚えてもらおう。
「じゃあ最初のステップは、自らの内側から世界を感じる修行だ。リラックスできる座り方で気持ちを落ち着けて、自らの内側深くに意識を沈めてみよう。できればプールとかがあると良いんだけど、さすがに今は使えないからね……」
「プールの方が良いわけ? ならイイトコロがあるわっ」
そう言って大和さんに連れてこられたのは、プールのように広いお風呂だった。
「えっ、と……。確かにプールが良いって言ったけども。これはさすがに……」
「何か問題がある? 私は効率を高めるためなら何でもやるわ。ここなら条件は満たせているはずでしょう?」
確かにここなら、プールのような効果が見込めるけど。
「えっ、とね? 倫理的に問題がないかなぁ……なんて思うんだよ。仮にも僕らは男女な訳でさ?」
「えっ? 何を言っているの? 貴方は今私の実験対象なんだから、男だなんて思ってないわよ?」
「それはそれでどうかと思ったりしなくもないけども、効率よくできるなら、それに越したことがないのも事実だ。ここでやろうか」
「最初からそう言いなさいよ。待ってて、今水着に着替えてくるからっ」
(一応水着を着ることはしてくれるのか……)
………………
…………
……
「お待たせっ。それじゃあ始めましょうか?」
「あっ、あぁ。始めよう……かッ」
わかっていたことだけど、彼女のスタイルはとても良かった。
まさしく男子の描く理想的な体つきと言える。
適度に肉を残しつつ、けれどもしっかりと引き締まっている。
その上で出るところは出ていて、引っ込むところは引っ込んでいるし、更にそこにビキニときた。
しかも色が黒であり、彼女の長い黒髪と相まって、とても魅力的な姿となっていた。
「それで、何をすれば良いのかしら? 具体的に説明してもらえる?」
「わ、わかった。今から説明するよ」
今回やる修行は、気力を使う上での初歩の初歩である、認識の拡大だ。
自らの知覚範囲を拡大して、魔力として抽出される前のエネルギーを認識することが目的だ。
魔力は主に精神の力をエネルギーに変えているわけだけど、実際はそこに肉体的エネルギーである気も練り込まれている。
人間一人の気力はたかが知れているけども、それでも確かに存在している。
今回の修行でそれを認識することができたなら、次のステップである世界の気力を感じるための基礎ができる。
さすがに一日で終わるとは思わないけども、彼女ならあるいは……なんていう淡い期待を抱いていた。
「……という訳なんだけど、大丈夫かな?」
「何となくわかったわ。後は自分でやってみる。見てなさいよ?」
そう言うと大和さんは、お風呂の中深くへと沈んでいく。
「さて、と。僕も自分の修行をしておこうかな」
僕は立ったまま自らの内側へと沈んでいき、そこから世界を知覚する。
同時に大和さんの姿を観察し、彼女の状態を常時チェックする。
もし彼女が今の僕と同じ世界に立てたなら、その反応は劇的なはずだからだ。
「見守ることしかできないのは、少しもどかしいなぁ。昔を少し思い出す……」
僕はかつて婚約者だった妹の事を思い出しつつ、彼女の修行を見守った。




