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第一話 イマジネーション

初めまして!

村崎ユウと申します。

初めての作品なので至るとこにムラがあります…。

そして文章能力がない私…生暖かく見守って下さるとうれしいです!

優しいコメントして下さった方にはすぐに懐きます←

よろしくお願いします!

僕は真っ暗な世界にいる。

ここが何処なのか、僕が誰なのか、何故こんな暗い場所に居るのか。

分からなくて不安になる。

目を閉じると世界がグルグルと回っている様な錯覚に陥る。


「800番、出ろ!」


真っ暗な世界に光が差す。

光の先には黒い鎧を纏った兵士が立っていた。

長い棒を持った兵士は唖然としている僕に苛立っているように見えた。


「800番何している! 早く出ろ!!」


長い棒を地面に叩き付けた。

真っ暗な世界に大きく響き渡る。

僕は恐れながら立ち上がり、兵士の元に歩み寄った。


「あの、僕は誰なんですか?」


兵士は僕の問い掛けに応える事無く、通路を歩み始めた。

辺りを見渡すと大きな穴が建物の中心に在った。

底は見えない程に深く、天井も光が強くて見えなかった。

歩み進めていると一つの大きな扉が見えた。

周りに見える扉の中で一番大きかった。


「ここだ、中に入れ!」


中は真っ暗だったが、通路側の光が入っているために微かに中が見えた。

それは衝撃的な光景だった。

6人の人間が鎖で壁に張り付けらていた。

6人とも俯いて、扉が開いたと言うのに微動だにしない。

死んでいるのかと不安になる。


「貴様はそこの壁に背をつけろ! 暴れるんじゃないぞ!」


僕は言うとおりに壁に背中を付けた、腕を掴まれ鎖を繋げていく兵士。

その間も6人は動くことはなかった。

兵士は鎖を繋げながら他の6人を警戒していた。

生きているのだろうか。

そんなことを考えていると鎖を繋げ終わった兵士が扉に向かって行く。

僕は両手を壁に固定され、ずっと立ち続ける格好になった。


「ふん、能力者もこうなってはただの屍だな」


兵士は笑いながら出ていく。

何の話をしているのか僕には分からなかった。

大きな扉がゆっくりと閉まるとそこには、真っ暗な世界が広がった。

また真っ暗になってしまった。

僕はこのまま死んでしまうのだろうか。

その時、女性の声が聞こえた。


「シャイン…!」


部屋に明かりが灯った。

そこには光の球体が浮いている。

これは何だろう、そう思っていると隣にいた巨漢の男が鼻で笑った。


「うし、俺もやるか…リムーブ!」


その一言を言うと全員の鎖が解けた。

さっき兵士が言っていた能力者ってこの事なのかな。

唖然としていると白衣を着た人が声を掛けてきた。


「初めまして♪ 800番くん、僕はキュア使いのムックだよ♪ これからよろしくね♪」


言葉の端々が意気揚々としながら自己紹介をしてきた。

僕は理解するのに時間が掛かった。

いきなり真っ暗な世界が光輝いたり、鎖が一瞬で外れたりとこの人たちはいったい…。


「よろしくな! 新人!俺はリムーブ使いのゴウだ!」


巨漢が片手を挙げながら自己紹介をしてきた。

僕は軽く会釈すると、妖艶な格好をした女性が傍に来た。


「私はシャイン使いのメルダよ」


僕は何がなんだか分からず、また会釈した。

他の人はどういう人なのかと見渡してみた。

部屋の奥でどこから持ってきたのか本を読んでいる人がいた。

もう一人はメルダと名乗った女性の足元にいた。

小さい女の子だ、僕より子供だ。

見渡しているとムックさんが声を掛けてきた。


「状況を理解するのに苦しんでいるね~♪ そこの小さい子はローレンちゃん♪ サーチ使いだよ♪ そんで、奥に引き籠っているのがアインス♪ アインスはデストラクション使いだ♪」


ローレンちゃんは軽く会釈をしてくれた。

アインスさんは相変わらず本を読んでいる。


えっと整理しよう、たしか…


巨漢の人がゴウさん、180センチは超えてるのかな。

妖艶な格好している人がメルダさん…目のやり場に困る。

白衣を着てる意気揚々としているのがムックさん、ずっと笑っている。

小さい子はローレンちゃん、まだメルダさんの足元から離れない…人見知りかな。

本を読んでいるアインスさんは未だにこっちに来ない、干渉するのが嫌いなのかな。


・・・あれ? おかしいな、確かに入ったときには6人いたはずなのに5人しかいない。


「ばあ!」


目の前がピエロの顔でいっぱいになった。

僕は驚いて尻餅をついてしまった。

ピエロの仮面を付けた人がお道化ている。

それを見たゴウさんが首根っこを掴んだ。


「新人を脅かすんじゃない! すまんな、こいつは…」


「僕はスーダだよん! ハイド使いのねん!」


スーダさんは道化師なのかな、ゴウさんに怒られている。

僕は少し今の雰囲気に呑まれていった。

全員の自己紹介が終わるとムックさんが傍に寄ってきた。


「さて、君も自己紹介をしてくれるかな♪」


「僕は800番です…。名前はありません、能力もないと思います。」


スーダが首を傾げている。

ムックさんも驚いた表情をしていた。


「おい、ムックこれは記憶喪失ってやつか?」


ゴウさんがムックさんに聞いた。


「う~ん…キュア♪」


体が薄い緑色のベールに包まれる。

すごく心地がいい。

優しく抱擁されているかのように感じた。


「なにをしているのですか?」


「ムックのキュアは、身体の異常を治したり見たりすることが出来るんだよん!」


スーダさんが片足立ちしながら言った。

程なくしてベールが消えていった。

ムックは分からないと言った様な素振りを見せる。


「あの…先程から皆さんが言っているシャインとかキュアってなんですか?」


「君は本当に何も知らないのねん…能力に関しても知らないだんて…」


部屋の奥で本を読んでいたアインスさんがゆっくりとこちらに向かい、口を開いた。


「我が思うに貴様は此処で産まれたのではないか?」


手を大きく広げ言った。

少しの沈黙の後にアインスと僕以外の全員が口を揃えて言った。


「「「「「それはない!」」」」」


アインスさんはゆっくりと手を下ろし、部屋の奥に戻って行った。

本を横に置いて拗ねているように見える。

メルダさんが追い打ちを掛けるかのように言った。


「この監獄塔で産まれるだなんて有り得ない! 本の読みすぎなんじゃないの!?」


アインスさんは更に俯いてしまった。

なんて声を掛ければいいのか…。

全員が僕の存在について考えていると声が聞こえてきた。


“俺様の名前はイマジネーション、主よ目覚めたか!”


僕は辺りを見渡した。

だが、全員は話し合っていてた。

僕の聞き間違いかな。


“主は俺様を否定するのか? それとも俺様が分からないとでも?”


声の主が独り言を言っている。

これは聞き間違いではないと確信した。

もう一人誰かいるのかな…。


「あの…僕に話しかけているのは誰ですか?」


全員が驚いた顔をした。


「どうしたのん? 守導者と会話でもしているのかん?」


スーダさんは皆を呼び、僕の前に揃った。


「なんて言ってるの?」


メルダさんが顔を近づけてきた。

僕は顔を逸らしながら聞こえた声について言った。


「よくわからないけど…僕の事を主って言って話しかけてくるんだ」


“ぬぅぅ…この主は俺様の存在を知らないのか、だがいつまでもここに居る訳にはいかないからな。すまんな主よ、ちと体を使わせてもらうぜ!”


「体を使うって言い始めたよ」


そう伝えるとゴウさんが言った。


「なに? そんなことできる訳ないぞ」


「なんの能力ねん?」


“主の体躯を依代に俺様現る! イマジネーション!!”


その声と同時に全身の力が抜け僕はその場で倒れてしまった。

すぐに体から紫色の光を放つと同時に僕は宙に浮いていた。


“主よ、すまんな。だがこんな場所で油を売っている暇はないんでな”


スーダが後ずさりしながら言った。


「まずいな~…力が暴走でもしているのかん? 普通は守導者の声って本人以外には聞こえないはずなんだけどねん」


「ありゃりゃ♪ こんな強い力出したら警備兵が来ちゃうかも…ね♪」


浮いている、僕は浮いているのか。

自分の目なのに自分ではない気がする。

変な気分…君は一体誰なの?


“俺様はイマジネーション! 主を守り! 導く者だ! では、ここから出るぞ。…ん?なんだ貴様ら”


「今日初めて会った子だけど、助けたくなっちゃってね♪」


「貴様の勝手で我に凶事を起こされては困るからな」


ムックさんとアインスさんが扉側に回り込み構えていた。

背後にはスーダさんとメルダさんが構えている。

横にはゴウさんとその上にローレンちゃんが構えている。


“ふん、俺様に楯突くとはいい度胸だな。身の程を知るがいい!!”


何もない空間から槍を出し、いつの間にか体には鎧を纏っていた。

イマジネーションが構えたと思った瞬間に全ては終わっていた。

圧倒的だった、自分の目には目の前にある全てが崩壊していく様がハッキリと見えていた。

6人は一瞬の出来事で何が起きたか理解するまでに時間が掛かった。


“なんだ、俺様に楯突くからどれ程かと思えば…守導者を全く使いこなせてねぇじゃねぇか”


目の前にぞろぞろと集まる兵士達。

建物中に鳴り響くサイレン。

問題が発生したことを全フロアに案内するアナウンスがざわめいている。

イマジネーションは背中に羽を出すと飛び上がった。


“うっせーな…ゴミ虫共がわらわらと騒ぐんじゃねぇよっと!!”


イマジネーションが持って行った槍を投げると槍は捻じれながら次第に大きくなっていき建物の一部を崩壊させた。

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