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ヴァンパイアの魔王異世界奮闘記  作者: Crosis
第六章
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仲は良いですよ◆【キンバリー・サラ(ラフ)・メガネバージョンとおまけでターニャ】

「それはそうと私がギルド職員を離れてから仕事内容で何か変わった箇所とか無いっすか?」

「そうだな、変更箇所といえば冒険者ランクの基準がかなりシビアになったのとそれに伴い現冒険者のランクを新しく作り変えられた基準に伴い変更。そして当然クエストの基準ランクもクリア報酬はそのままで大幅に下げられたぐらいだろうか? 変わった箇所と言えばそれぐらいだな」

「うへー、想像しただけで高ランク冒険者達からのクレーム処理が大変そうっすね」


 ギルドリーダーの懐かしい雰囲気を感じながら雑談しつつギルドの仕事内容の変更箇所を聞いてみる。

 変更箇所は二点でランクの基準をより厳しく、それに合わせてクエストのランクも下げる、この二点である為変わったと言えば変わったのだが変わっていないと言えば変わっていないというのが元職員の率直な感想であった。

 しかし冒険者、それも高ランクであった冒険者達からすればその地位と名誉を剥奪されたという事同義でありかなりの激震があったみたいである。

 今までSランクだった者が明日からはCランクですと言われても到底納得行くような内容でない事は想像に容易い。


「そう思うだろう? 俺もそう思ったのだがセバスチャン様からギルドへ派遣された方、クロ・フリート様の配下の一人であるクリス様のお陰でそういったクレームは諸々対処してもらったので楽なもんよ。一応査定し直したランクに文句がある者は再査定を一度だけ受ける事が出来るのだが……」


 そう思ったのだがギルドリーダー曰くそうでも無いらしい。

 何でもクロの配下が派遣されているらしくランクによるクレーム処理を引き受けているみたいなのだが、そこまで言うとギルドリーダーは目線をギルド受付カウンターへと目線を向ける。


「だからなんでこのSランクである俺様がCランクにまで落とされなきゃいけないんだよっ!? おかしいだろこんなの!?」

「そう言われましても規則ですので」

「規則規則ってさっきから言いやがってっ!!」

「分かりました。ご納得が頂けないようでしたら再検査をさせて頂きます。検査内容はこちら戦闘ランク査定職員として派遣されましたクリスさんと模擬試合をしていただきます。もちろんクリス様に勝利して頂ければSランクとして登録させて頂きます。互角とみなした場合はAランク、防戦一方にて30分耐えれた場合はBランク、対等に戦えず耐え凌ぐ事も出来なかった場合はランクをDとさせて頂きますのでご了承下さい」


 ギルド職員がそう言うと奥に控えていたメイド服の様な出で立ちの女性がゆっくりと前に出て来ると静かに頭を下げた。

 この動作からもこの女性が恐らくクリスという女性なのであろう。

 その女性は漆黒であるのに光を反射させて艶のあるカラスの濡羽色の様な美しい髪を首元で一度布で包む様な方法で纏め、膝裏まで伸ばしている。

 そしてこのあたりでは見ない顔付きの涼やかな美貌でもってその長髪を重苦しく感じさせない。

 むしろその長髪が似合う程の美貌であるとも言えよう。


 そして、恐らくクロの故郷から連れて来たメイドであろう事がその前掛けで隠れている見慣れない服装により確信へ変わる。


「キンバリー様とターニャ様ですね。お二人にはクロ様より定期的に送られて来る映像より現段階でランクAと判断させて頂きました。こちらのカウンターにてランク変更を行いますので冒険者カードを用意してお待ち下さいますようお願いします。お二人とは色々と話したい事も御座いますが雑用が御座いますので今は失礼させて頂きます」

「おいっ! どうゆう事だっ!? なんでこの獣女達よりオレ達の方がランクが二つも低いんだよっ!? フザケンナっ!!」


 そのクリスが私達を見つけ、こちらへ来るといつ覚えたのかターニャと私の名前を呼ぶと私達のランクをAだと告げる。

 その事に気分を害したのか先程Cランクと告げられてクレームを入れていた冒険者チームが怒声を上げ文句を言う。


「分かりました。では、そこの冒険者チーム井の中の蛙達、現実を見せて差し上げますのでギルド奥闘技場までお越し下さい」

「誰が井の中の蛙だってんだよっ!? クソアマめ、後で泣き叫んでも知らねーからな」


 そしてクリスと冒険者が奥の闘技場へと消えて行く姿を見てこの一連の流れを見た他の冒険者達があちこちで嘲笑や悲観する声が聞こえて来る。


「余所者だなありゃ。ここのモンならクロ・フリートの専属メイドだと少し考えれば分かるはずだし、そうでなくともあの見たことない服装とギルドでの役職を考えれば絶対に戦おうなんて思わねーし勝てるなんか思いもしないな」

「しかしあいつらどっから来たか分からねーが可愛そうに、時期が悪かったな。今の時期に拠点を帝国に変えるとはツいてねーよな」

「だが、どの国よりも安全かもしれねー。今西にある魔族の国が怪しいって話だし案外こっちに来て正解だったかもしれねーぜ?」

「そういやクロ・フリート様は魔族なんだろう? 魔族が皇帝とは俺も歳を取ってるはずだ」

「そいつは違いねぇ」


 そんな彼らの会話を耳に入れながらギルドカードの更新が終わるのをソファーに座って待っていると聞き慣れた声が二人分聞こえ来る。


「今日は何をしますの?」

「そうですね……とりあえずこの昼から行われるトーナメント戦でも……出ても良いのでは……と提案してみます」

「あら、あらあら、珍しく面白そうな催しがあるじゃ無い」

「……このまま倒されて来れば良いのです……」

「あら、何か言いまして?」

「いえ…クロ様の顔に泥を塗って来る様にと……思ったまでです」

「あらあら、鉄屑にもユーモアが言えるのですね。そんな万が一も起こらない事を言うなんてね」


 その声の主達は側から見れば大富豪のお嬢様とその付き添いのメイドと言った出で立ちであるのだが二人が話している内容はまるで力自慢の冒険者とその悪友と言った内容である。


「あら、ルルと楓じゃない。相変わらず仲が良いわね」

「ホント、姉妹と言っても良い感じですよねー、可愛い可愛いです」

「ちょっと、おやめなさいっ! そこを撫でて良いのはお父様だけなんですから!!」


 そんな声の主達、楓とルルに挨拶をするとターニャはルルを外見通り小さな子供扱いし頭を撫でまくり、ルルがターニャにやめろと抗議する。

 しかし口が裂けても言えないのだが、撫でられてイヤイヤと首を振り必至に抗議するルルの姿は大人扱いして欲しくて堪らない背伸びしている子供にしか見えず思わず私もかいぐりかいぐりと触りたくなるほど可愛いと思ってしまう微笑ましい光景であると。


「ええ、ルル様とは……仲は良いですよ。互いの足をどう引っ張るか……想い合える程には」

「えぇー……」


 そして楓はというと先程の私の問いに実にいい笑顔で返してくれる。

 果たしてその関係を仲がいいと思える者がこの世界に果たしてこの二人以外にいるのだろうかと思ってしまう。

 あれだろうか?敵と書いて友と呼ぶ的な感じであろうか?


「ムガーっ!! 離しなさいそこの爆乳娘!! わたくしは今からこの大会にエントリーしに行くのです!!」

「もう、仕方ないですね。照れなくても良いですのに。それにルルちゃんも大きくなったら爆乳じゃないですか」

「わ、わたくしはクロ様が大きい方が好きだから良いのですっ!!」

「………」


 そしてルルとターニャはなおもじゃれついているのだが、その会話を聞いた楓がそっと自分の慎ましやかな胸に手をかざしていた事は見なかった事にしておこう。


「そうねーじゃあ今日はルルちゃんを観戦しようかしら」

「あら、それはありがたいのですがどうせわたくしが勝つのですからつまらない一日になるのでは無くて?」

「そんな事はないわよ。何たって身内の応援っすからね」

「っ、そ、そうですわよねっ! 身内の応援ですものねっ! ならこのわたくしを存分に応援なさいな!」


 これから試合にエントリーしてくるというルルへ応援する旨を伝えるが素っ気ない返事が返って来る。

 しかし身内という言葉をかけられたルルは嬉しさを我慢するが全く隠し切れていないのがバレバレだという事すら気付かずに応援する様に言ってくる。

 ルルはルルで壮絶な人生を歩んで来た事はルル本人から話して貰っている為彼女が身内という言葉に人一倍嬉しがる理由がわかる分微笑ましく思えてしまうがそれを口にしてしまうのは何か違う気がする為黙っておく。


「では、そういう事ですのでわたくしはこの武闘大会にエントリーしますわ! もちろん大人の部でっ!!」


 そしてその勢いのままルルはカウンターへと小走りに向かい受付嬢へ武闘大会への参加を申し込みに行くのだが当の受付嬢の頬はヒクつき苦笑いをしていた。

 それはルルという規格外が参加してしまったら大会の意味を成さなくなってしまう為どう対処するべきか判断に困っているという表情である。

 そんな中ギルドの奥から一人の、百八十センチはありそうな大男が現れこちらに向かって来る。


「良いんじゃないか? どうせ今の時期は国外の参加者で溢れかえっているんだ。ルル様がお出になられた所で参加者が少し減る事はあっても余興としては盛り上がるだろうし」

「ギルドマスターっ……わ、分かりましたっ!!」


そんな超絶に困り果てていた受付嬢へルルの許可を出すという最高の助け舟を出すギルドマスター。


「ベルクからキンバリー達が来ている事を聞いてね、キンバリーもターニャも元気そうで良かったよ」


 そういうギルドマスターも筋骨隆々とした肉体とスキンヘッドは健在である事から元気そうである。

 この雰囲気もまた実家へ帰る事で味わう懐かしさとは別の懐かしさと帰って来たのだという感情が私を満たして行く。

 忙しくも何だかんだで楽しかったあの時が昨日の様に次々と脳裏に浮かんでは消える。


「そういうギルドマスターも元気そうじゃないっすか」

「ホントですねー。まだまだ現役でも行けそうですね、その無駄な筋肉とか無駄な筋肉とか」

「……ほう、ターニャにはまだこの筋肉の美しさが分からない様だな」

「私はクロの様な引き締まった筋肉が好きなので」



クロ様が大きい方が好き※小さいのも好き




最近タブレット用のペンタブと手袋、そしてお絵描きアプリを購入しました。

ガラスの上で描くというのがこんなにも描きにくいのかと身をもって体験しております。


ツルツルするので線がもううにゅうにゅとですね……。



そんな感じでキンバリー(ターニャから奪った眼鏡バージョン)を落書きがてら描いてみました。

このツルツルとした感覚ですが何日か描いてたら普通に慣れて来たので人間慣れる生き物なんだなと思ったり二週間ぶりの晴天に喜んでみたり( ^ω^ )

ブックマーク1000人突破記念イラスト?おっと、もうこんな時間だ。私は失礼するとするよ( ^ω^ )


キンバリー(ターニャから奪った眼鏡バージョン)

挿絵(By みてみん)


サラ(メガネバージョン)

挿絵(By みてみん)



アイパッドで絵を描く練習をちょこちょこしてるのですが、難しいですね。

全体を見ながら描けれる紙媒体と違いパーツごとアップして描いていくスタイルにまだまだ慣れるのには苦労しそうです( ^ω^ )


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

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