遠足機部分
遅くなりましたがブックマーク1000突破記念イラストですが、なんと!!
ゼロ票でした(´・ω・`)
という事で私が独断と偏見で三キャラ描かせていただこうかと思っております(´・ω・`)ふふ
そしてお気づきになられている方も既にいらっしゃるかと思いますがブックマーク1000突破記念として秘密裏に二つの事をちょっとづつおこなっております(´・ω・`)
まず最初に、一話ごとの最後に一言後書きを足していっております。
二つ目にキャラクター画像だけでは味気ないとキャラクター設定も追記し始めました。
こちらも随時更新していきたいと思っております(´・ω・`)
ユウチューブって観始めたら、気付いたら一日終わってますよね(´・ω・`)
そんな魔物が列をなしてこちらのほうへ向かっている姿が見える。
これはもはや天災級、それ以上の氾濫。
間違いなく過去最大規模であろう。
「愛する者と一緒ならば倒せない敵はいないって事を、愛は偉大だって事をあいつらに見せつけてやりましょうっ! 行くわよっ! コンラッド……好きよっ! 大好きっ! あなたと子作りして幸せな家庭を築き一緒のお墓に眠りに付きたいと思えるぐらいには大好きよっ! 」
そんな中ステファニーが突然の告白を俺にしてくる。
告白と言えど噂や真相の暴露などではない。
ドストレートな愛の告白である。
そのどストレートな愛の告白にいくら周りから唐変木だと言われる俺でも──自分ではこれっぽっちも思っていないのだが──彼女が俺の事を好きなのだという事が分るというものである。
後ろから「その想いに今まで気づけなかったのだから結局唐変木じゃなぁい」という声が聞こえて来るが気のせいだろう。
しかし俺の心のメモ帳には「紫」と記入することは忘れない。
「たく………何で俺なんだか」
そう思うも、その理由を聞くにしろ告白の返事をするにしろステファニーはすでに声の届かないところまで文字通り魔獣を蹴散らせながら爆走しているのだから、わからずじまいであるし返事はこの氾濫が終わるまで保留のようである。
しかし。
とコンラッドは思う。
影に言葉を託してはや三日。
そろそろその返事なりなんなりを寄越して来ても良いころ合いなのではないだろうか?
まったく、帰ってくる場所を残してやるなどと大見栄を切っておきながらこのざまとは何とも情けない事この上ない。
「うわー、あれアーマーエレファントっすねー。私初めて見たっすよー」
「おっきいわー。本では一応見たり、噂で聞いたりした事はあったけど実物見るとやっぱり違うわー」
「全くあんた達と来たら、見世物小屋に来たみたいにはしゃいでみっともない。これでも一応セラ様達お師匠様からの訓練の一環でもあるんですからね」
そんな事を思っていた時、辺りに場違いにもほどがある話し声が聞こえてくる。
まるであの時の様に。
そう思うと、あれほどの出来事だったというのになんだか懐かしく感じてしまうから不思議なものだ。
「………よく戻って来てくれた、ベッテン、それにあの時の娘達も来てくれてありがとう」
「ただいまっす、コンラッド隊長」
「お、お久しぶりです。レイチェル・グランといいます」
「挨拶が遅れたことを謝罪します、王国軍青のコンラッド様。私の名前はミセル・ブラウンと申します」
久しぶりに会った彼女達と挨拶を済ませ雑談をしだす。
何というか、この緊張感の無さは師匠譲りのなのかアーマーエレファントなど取るに足らないと思えてしまうほどの実力を付けて来たのか。
むしろその両方であろうと思う。
「おいっ何ぼさっとしてんだっ! この状況がどんだけやばいか判断できないのならば邪魔でしかないから帰れっ! コンラッドもそんな奴ら相手にしてんじゃねぇよ!」
そんな俺らを赤がであるドルク・ルドルフが叱責する。
「うっせーなー。邪魔なのは寧ろお前らじゃん。なんでわざわざ助けに来た私たちが怒らえなきゃいけないんですかねー」
「ほんまっすよ。いくらお師匠様の試練込みとはいえやる気無くなるわー」
「怒らえて当たり前ですっ! どんな戦場といえど緊張感を持って挑まないといつか足元すくわれますよっ! 例えアーマーエレファントとかいう図体がでかいだけでむしろ的にしやすい分簡単に倒せる魔獣相手といえども油断は禁物ですっ!」
「貴様ら………戦場ならここで死んでも文句はねぇよなぁっ!」
そしてドルク・ルドルフに叱責されベッテンとレイチェルが隠す素振りも見せず「私たち心外ですっ!! 納得いきませんっ!」と不満を口にし、それをミセルが注意するのだが、その流れにドルク・ルドルフの堪忍袋が切れたみたいである。
彼から放たれる殺気が膨れ上がり三人めがけて彼が持つ大剣を横なぎに切り伏せる。
しかし、その大剣はベッテンの片刃剣により簡単に受け止められる。
「赤のドルク・ルドルフ………なんて言ったっすか? 戦場で死んでも文句は無いだったっすか?」
「ベッテン……、たいそう偉くなったもんだな。どうやら口の利き方から教えてやらなければならないらしいな」
まさに一触即発。
しかしながら俺はドルク・ルドルフを通して過去の自分を見ているようでいささか恥ずかしく思ってしまう。
見られたくない日記を朗読されている様な恥ずかしさである。
そして当然止めには入らない。
あの方の下で修行をこなしているベッテンがドルク・ルドルフごときに負けるとも思わなければそのまま殺してくれれば少しは溜飲も下るというものである。
しかしそんなコンラッドの思惑は「キュィィイイイイ」という何かの鳴き声の様な音により叶うことは無かった。
その音こそアーマーエレファントが電撃で攻撃するときの音であり、辺りに緊張感が漂い始める。
次の瞬間爆音と共に魔術段位四相当の雷撃がアーマーエレファントから放たれ、そして何事もなかったかの様に雷激は霧散する。
そして辺りにはまるで雷撃から守るための結界の様に十振りもの刀が浮遊しているのが見えた。
「タイミングを合わせて十本刀を発動、召喚して避雷針に使うなんてさすがミセルっ! 愛してるっ!」
「ほんと、その技かっこいいっすよねー。しかもその十振りもの刀って全てクロ様から頂いたんすよねっ!羨ましいっすわー。十振りもあるんすから一振りくらい可愛い後輩に譲って頂けないっすかねー」
「あーもうっ、くべたべたとっつくなっ! 鬱陶しいっ! それと、一振りだってあげるわけないでしょっ! 何言ってんですかっ!? ふざけてないであんた達も動きなさいっ! 」
アーマーエレファントの一撃を何の苦も無く防いでみせた女性に赤も含めた我が六色──自分は別段驚きはしなかった──達が驚きを隠せない様子で件の女性、ミセルと名乗った女性に注目する中、ベッテンとレイチェルと名乗った女性が別段驚きもせずじゃれ合い、それに対し注意するミセル。
その光景はまるで先ほどアーマーエレファントから防いでみせた一連の下りが彼女たちにとっていつもと同じ日常の風景であると物語っており、さすがのドルク・ルドルフも怒る気さえ起らないみたいである。
ちなみにステファニーに至っては口を大きく開け目は見開き驚いている姿勢で固まっているのだが、おそらく自分の予想が当たっているならばこの程度でここまで驚いていては身が持たないのではと多少なりとも心配してしまう。
「分ったわよ、ほんと堅物なんだから。そんな堅物じゃクロ様に想いを告げる日はいつになるやら」
「そうっすよねー。愛しのクロ様からの頂きものすもんねー。じゃあ行ってくるっす」
「だ、黙りなさいあんた達っ!! そうよっ!! 私はクロ様が好きなんですから当たり前ですっ!! わかったならさっさとあのデカブツ達を倒して来なさいっ!! 」
そしてベッテンとレイチェルは闇と水氷の魔術を駆使し、アーマーエレファント達を文字通り蹂躙していく。
その光景にもはや王国の、自分含めた七色は声すら出せないでいた。
ある程度強くなったと思っていた自分ですらこの驚き様なのである。
他の六色からすれば最早訳が分からないレベルであろう。
その証拠にステファニーの顎が外れてしまいとても人様に見せられない顔をしているではないか。
この件に関しては彼女の名誉の為にも見ていない事にしておこうと心の奥底に封印しておく。
「まったく、強くなりすぎだ馬鹿野郎」
そんな光景に毒づきながらも縦横無尽に駆け巡るベッテンを見て自然と嬉しさが込み上げて来る。
強くなってくるとセラという女性達についていったは良いのだが、俺の想像をはるかに超えて強くなり帰って来たのだから実に頼もしい限りである。
後はこの魔獣達を彼女達が駆逐するのを待つだけであろう。
下手に戦闘に加わったり後方からの援助をしようとところで彼女たちの邪魔でしかならない事ぐらい理解できている為、悔しいが今の自分の実力では何もせず見守る事こそが今できる最善の行動であろう。
その事が理解できているのか王国王都側から銀色の魔力による砲撃は鳴りを潜め、あのプライドが高く攻撃的な赤でさえ大人しくしている。
あれからというものベッテン達三人は魔獣という魔獣をそれこそ討伐ランク関係なく次々と討伐していくのだが、三つのダンジョンから沸き出す魔獣達の勢いは収まる気配を見せず、いくらアーマーエレファントですら軽く討伐してみせたベッテン達とも言えど流石に焦りが見え始めてきていた。
数というのはたはりそれだけで力であり脅威なのだと思い知らされる思いである。
その間彼女達はアーマーエレファントだけでなくドレイク亜種ワ、イバーン亜種、銀狼亜種、サンドアーム亜種、それら親級などなど簡単に討伐していくのだから偶に目の錯覚ではないかと思ってしまうほどである。
しかし、そんな状況は日が完全に沈み闇が支配しだすころに脆くも崩れ去ろうしていた。
「ありゃ、死と血の匂いがあんまりにも濃すぎちょるきまさかと思うてここまで来てみたがけど、ウチのペット予定である坊や、ブラッド・デイモンはおらんがかえ。あやつもやっと観念してウチのペットになる覚悟が出来たと思うて久しぶりに目覚めて折角ここまで来たがやのに」
それは闇夜の中でも月光により腰まで伸びた見事な銀髪を美しく照らし出されその存在感を否が応でも見せつけていた。
その瞳は赤い宝石のように輝き、その肌は陶磁器の様に白く美しく滑らかであり、恐ろしく整った顔で辺りを見渡している様はまさに貴族と呼ぶに相応しい人間離れした美の化身。
貴族は貴族でもヴァンパイアの貴族、それもブラッド・デイモンを見下し坊やと呼べる程の存在。
そんなものなどこの世にただ一人しか居ない。
ヴァンパイアが種族として表現されるためにはブラッド・デイモン一人では、オス一体では表現しない。
さらにブラッド・デイモンは人間の血は吸えど自らの眷属を率先して作り出すという事はしない。
しかしこの世界においてヴァンパイアという種族が存在する理由、そして世界でヴァンパイアという種族が知られている理由、その理由が今目の前に現れたのである。