5話。弱い
今フィーはギルド前にいる
ギルドと書かれた場所に入れないのだ。
ここで幼女の姿をとったのが仇となり、ギルド前の選別人と押し問答となる。
選別人とは、ギルドに入る資格がある者かふさわしく無い者かを選別するいわば、番人である。
「入れて‼︎」
「悪いなお嬢ちゃん、ここは冒険者のみしか入れないんだ」
「これから冒険者になるの!」
「威勢だけでは冒険者にはなれん!」
いっそのこと嘘泣きでもしてやろうか?
とフィーは思う。
嘘泣きも既に長い年月の努力により、マスターした。
ぶっ殺してやる、という目で選別人を見る。
全く使えない選別人だ・・・。
選別人とは、名ばかりだ・・・。
騒ぎを起こすのも面倒なので、しょうがない・・・。
としょぼくれた感じで、ギルドを後にしようとすると、男が「待ちぃ!」と声をかけてくる。
「お兄ちゃんだれー?」
「ん?お兄ちゃんはねー?」
「「ミルカ様⁉︎」」
選別人が声を荒げる。
「てめぇら‼︎その顔についてる目ん玉は何を見とんだ!この女の子はわいよりも、遥かに強いで‼︎」
「そんなバカな?」
「あり得ません、こんな少女が」
「もういいわぁ。わいが推薦するでー」
「何にですか?」
「ギルド入会」
「「ミルカ様!」」
「黙れ‼︎貴様らそれ以上この麗しい少女を馬鹿にしてみろ?その首はねっぞ!」
「ロリコンも良い加減にして欲しいですねー」
と何処からとも無く聞こえる。
成る程、ロリコンかこいつ。
ならば、利用出来る、手玉にしよう
「おにいたん!このね、おじさん達意地悪してきたの!ギルドに入りたいのに通せんぼしてくるの!」
フィーはミルカの腕を少し掴んで、上目遣いで、ミルカを見つめながら言う。
「おい選別人共。俺に死刑権限があることを忘れてないよな?」
「ミルカ様それは・・・」
「流石に嘘ですよね?」
「クビになるか死刑どちらか選べ」
ざまぁみろ!とフィーは心の中で思うが、流石に死刑はかわいそうなので少し、フォローする。
「ミルカおにいたん!おじさん達いじめないで?フィーはもうおじさん達許したから、いじめないで!」
「だそうだ?貴様ら聞こえたか?次同じ事をこのフィーちゃんにやってみろ?死刑じゃ済まさんぞ!」
その顔は、怒りに満ち満ちている・・・。
あー怖い。ロリコンPowerは何処の世界でも凄い!とフィーは感心する。
「フィーちゃんって言うの?」
「うん!ミルカおにいたん!」
「おにいたんか・・・。もう俺死んでいいや・・・・全てが報われた。」
ミルカの顔は別に悪く無い。
髪は金髪で短く、ツンツンしている。
特にロリコンと言う以外問題点は無い
「ミルカおにいたんは強いの?」
「・・・ん?あぁ、強いよ!一応この世界の最強の柱5人集の中の序列3位だよ」
こいつがこの世界の最強の柱5人集???
そうゆうのが居るのか。
ようは、1番強い5人なのだろう。
その中で3番目・・・。
弱すぎ、今の俺なら小指で勝てる。
「ミルカおにいたんは、どんな依頼受けるの?」
「主にギルドの裏の仕事だな。」
「ミルカ様それ以上は!」
「黙れ。それ以上喋れば、殺す」
「おにいたん‼︎おじさん達いじめないで!(殺すぞ?)」
今フィーは0.1%ぐらいの殺気をミルカに向ける。
ミルカはその殺気で、ちびりそうになる。
当然だ、この世界の8人の魔王などフィーにかかれば、2秒で全員死亡だ。
それほどにフィーは強い。
「ごめんなさい。」
「お兄ちゃん次やったら、もう話さないよ!」
「はっ‼︎お兄ちゃんに・・・。」
そう言うとミルカは膝から崩れ落ち、
orz←状態になる。
相当おにいたんからお兄ちゃんに変わった事がショックで立ち直れないのだろう。
ヨシヨシ( ,,´・ω・)ノ"(´っω・`。)とフィーはミルカの頭を撫でる。
ミルカは幸せそうだった。
「おにいたん?ギルド登録して冒険者になりたいの!お父さんとお母さんが死んじゃったから、お金稼がないとフィー死んじゃうの!」
「⁉︎愚王め!クソッ!そんなことしなくてもミルカお兄ちゃんが養うよ?」
「ううん、ダメ!おにいたんが大変になるからダメ!」
「カワイイ上にこの優しさ・・・。お嫁にしたい!」
「ミルカ様。心の声が漏れてまーす」
「おにいたん?」
「はっ⁉︎なんでも無いよ⁉︎」
「おにいたん、怖い事する人?」
「「ぷふっ」」
「しないよ⁉︎(選別人覚えてろ!)」
「ならギルドはいろー?」
「そうだね」
ミルカは笑った選別人を睨む。いじめれば、フィーに嫌われるため手が出せない・・・。もどかしい!
ギルドに入ると中は、全部木で作られていた。
奥に受付があり、右側に依頼書が貼られて居る。
中央に、テーブルで酒を飲んだり情報を交換し合う強“そうな”冒険者が沢山いた。
「まずは登録だな」
「おーい姉さん!」
「何?何かよう?ミルカ?」
「そこで見つけた天使をギルド登録させたい」
「戦えるの?」
「かくかくしかじか。だから戦えないなあ俺が手助けする」
「あーロリコンミルカ発動ね」
「姉さん・・・。」
「まあいいわ、責任持ちなさいよ!もし死んだら、あんた殺すからね」
「姉さん・・・俺より強いんですから冗談(ry」
「それ以上言うと舌斬るぞ?」
「やほめてええくばさびぃ!」
何かじゃれあってるようだった。
確かにミルカのガキよりも、こっちの姉さんと呼ばれてる人の方が強い。
だが、話からするに、5柱では無いのだろう。
「じゃあ、あなた血を頂戴?」
「血?」
「登録に血認証ってのが必要なの」
内容は、人の内部にある色々な魔法素質や、体内データを元にギルド側で作る
ステータスみたいな物らしい。
作るのに意外に時間がかかるそうで・・・。
内容は本人の手元に渡るまでは誰も見えないようにされてるらしいので、安心だそうだ。
身分証明みたいな使い方ができるらしい。
「じゃあ針にちくっとやって」
「姉さん!俺の血じゃ!」
「目ん玉にぐさっといくわよ?」
「かまわ(ry」
「いでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「出来た?」
それから、色々な手続きをして、登録を済ませる。
やはり依頼は階級が存在するらしく、
SSS、SS、S、AAA、AA、A、B、C〜
となっており、皆Cから始まり、モンスター討伐を許されるには、ギルドの選別人かもしくは、強い人と狩をして狩の仕方を学び、1人で狩を出来るようになること
のみだそうだ。
それ以外にはコロシアムで500位以内に入れば無条件でAAのランク付与らしい。
「じゃあ依頼は薬草取りね。ピュア草って言う花びらがピンクの草があるんだけど、似てる毒草で、ギュアってのがあって、それと見分けるコツは、少し毒草の方がピンクが薄いのよね」
「あー姉さん。それはおれが教えつつやるよ。姉さんはここでおしまーい!俺とフィーちゃんは、いでででいでぇぇぇぇ」
「フィーちゃんに手を出しても殺す」
「それは、約束でき、いでででいでぇぇぇ!」
「約束します。すいませんでした・・・。」
「おにいたん?大丈夫?」
「この鬼!鬼姉!ベーっだ!」
そう言うとフィーは腕を強く引かれ、ギルドの外に出たかと思うと、ミルカは飛行魔法を使い空中を散歩するように歩く。
別に驚かない。逆に魔法に無駄がありすぎで、そちらに驚くぐらいだ。
「ミルカおにいたん怖い!おろして!おろしてー!」
一応怖がっておく。
「大丈夫。落ちない。落ちないから。空は気持ちいい。このまま外まで出ようか。そしたら薬草採取だ」
読んで頂きありがとうございます。
フィーちゃんを最高に猫かぶりにして見ました笑
もうすぐ、フィーちゃん最強シーン登場です