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第18話。シャイン(アヌビス)の苦労

「まだ起き上がっては行けませんよ。私はシャインと言います。この裏世界で生きる者です」


「あっ師匠は!」


「大丈夫です。見つけるのが早くて良かった。あんな剣技を暴走させるほどの敵では無いのに」


「失礼ですがシャインさん、貴方は師匠の何を知っているのですか?」


「あぁいえ、気を害しましたら申し訳ございません。ただその人の力量ならば暴走させる必要など・・・これ以上は愚問ですね。もう少しお休みなさい」



シャインと名乗る男性は、ゆっくりと布団を被せてくれた。

おでこに乗せられた手のひらはとてつもなく心にしみる暖かさであった。




「姫様2人を確保致しました。足跡の家でかくまっています」


「良い子だ。直ぐに向かうけど途中寄り道するから、回復するまで面倒見てあげて」

(よしもう一眠りしよう・・・アヌビスが面倒見てるし大丈夫でしょぉ・・・むにゃむにゃ)



「了解致しました」



相変わらず姫様は可愛らしいですね。

寄り道と仰って居たが・・・なんだ?

この2人に装備品でも渡すのか?

お優しいお方だ・・・。



アヌビスは念話で会話をしていた。

念話であればフィーと裏世界に片方が居たとしても通じ合える。



アヌビスは念話を終えると、家の外に出るなり周囲をうろついている雑魚を一瞬にして片付けると肉を剥ぎ取って持ち帰った。



先程ミルカ達が苦戦していた雑魚。

アヌビスに掛かれば、頭を一撃殴っただけで敵の命はこの世界から消えるだろう。



「全く・・・姫様の命でなければお守りなど絶対にしない・・・」



アヌビスは皮膚を剥いだ肉を片手で持ち上げていた。先程の劣化竜の2倍ほどの大きさの肉をいとも簡単に・・・。



家に着くと言っても数歩歩いた程度なのだが、家の横に肉を置くと家の扉を開けるなり、深い眠りについていた女性の方が起き上がっていた。




「まだまだまだ起き上がっては行けません!貴方のお弟子さんも重症なんですから」


「それは迷惑をかけたな。だが私達っ・・・」


「まだ傷口は完全には閉じていません。貴方は特に筋肉もかなりのダメージを負っています。今動けばこれから先身体が言う事を聞かなくなりますよ?」


「・・・。」


「嫌ならもう少し寝なさい。つぎ起きたらご飯を用意致しますので」


「お前は何者だ?」


「これはこれは失礼致しました。私はこの裏世界で生活をするシャインと申します。」


「私はギルバートだ。何故きたのかは聞かないで欲しい。国の要請とだけしか言えないのでな」


「ですがお気を付け下さいまし・・・凶暴な生物も居ますので」


「あ・・・あぁ・・・」




ギルバートはゆっくりとシャインの腕を借りながらベットへと身体を倒した。



意識を失うかの様に眠りについたギルバートを横目に、シャインはため息をつきながら2人がまた起きるまでにご飯を用意する事にした。






「ふふふんっ。あっはぁ。んっんん゛‼︎」



フィーは新作のパンを練っていた。

何故か店に入って来る男性は、ひとしきりフィーの声を聞くとトイレへと駆け込んだ。



FHには3つのトイレがあるのだがあまりにも男性陣が、トイレに駆け込む量が多すぎて長蛇の列になっていた



その男性陣皆に共通して言える事は・・・皆股間がもっ(ry




「フィーちゃん今日はパン作り?」


「ミーセルお姉たんお姉たん、あのねーあのねーそこにあるお塩さんとってとって!」


「この大きな塊?」


「うんっ!」



ミーセルに頼んで棚の上に置いていた、とある芸人のバービーの顔面程ある塊の塩を取ってもらった。



そのまま抱えてて貰って、包丁を巧みに使いこなし塩を削り取っていった。



「何にこの塩?使うのっっ!ふぅ」


「えーっとねーお姉たんだけに教えてあげるーっ。このパンにまぶすのー。塩味のパンさんなんだよー」


「そっか。じゃあ楽しみにしてるね♪」




フィーはミーセルの耳に小声で小さく喋るとトイレから帰ってきて何故か黄昏ている男性陣は、カウンターからその光景を眺めてまたトイレに駆け込むのであった。



「なんでさっきからおトイレ行くの?」


「あー俺らは歳でトイレが近いんだよ」


(嘘つけっ!ミーセルお姉たんの胸見ながら言ってんじゃねぇよ!)



フィーがミーセルを他の業務に戻らせた後、男性陣の小汚い視線をパンに集中する様に魔法を掛けた。


そのあと出来上がったパンの味は言うまでもないが・・・何故か漂白剤のにお(ry





その夜調理場でアヌビスの行動を、裏世界に置いてある監視眼と呼ばれる目玉で観察していると、お守りに疲れげっそりしていた。



「悪いなアヌビス・・・私は寝る」



げっそりしたアヌビスを横目に寝室へと帰っていくフィーであった。





「シャイン世話になったな。この恩は忘れない」


「具合が良くなって良かったです。お弟子さんのミルカさんもお元気で」


「また厄介にならない様に注意する。ではシャイン殿失礼する」



ミルカとギルバートは、動ける様になったあとシャインと仲良くなったと思っていたが実際の所は・・・

シャインが無理無理空気を合わせていただけであった。



やっと一息つける様になった所でフィーに念話を飛ばすと、お褒めの言葉を頂き耳と尻尾をバタつかせていたのもつかの間・・・今度はギルバートとミルカの追尾という任務を言い渡されて耳はと尻尾は萎れたのであった。



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