11話。オルトロス。
フィーがお店の料理を始めてから、大盛況で、お店も徐々にボロ宿から、普通の宿に変わり始めた。
お店が開店する6時間前から、この宿は行列が出来る。
何故なら、フィーが見えるカウンターにすわると1日運気が絶好調らしいのだ。
恋愛運や金運、ドロップ運や賭博運まで
様々・・・
ある人は、落ちた崖先で金山を発見。
ある人は、女性の後ろを歩いていたら、風が吹いてスカー(ry
ある人は、モンスターに殺されそうになった瞬間岩が崖から落ちてきて、九死に一生を得た人も居たそうだ。
「つかれたー」
「フィーちゃんお疲れ様」
「明日はお店おやすみだからどっかいこっか?」
「うん!」
「どこいきたい?」
「うーんとねー?おねえたんが一緒ならどこでもいい!」
(フィーちゃん可愛すぎ・・・もう心も体もいっそめちゃくちゃに・・・)
「なら、変わったモンスターが居る場所いこっか?」
「変わったモンスター?」
「そうだよー?」
「いきたーい!」
「ん?ミーセル姉どっか明日行くの?」
「あっおにいたん!おねえたんが明日変わったモンスター見せてくれるんだー」
「やったじゃん!気をつけて行ってこいよー?」
「うん!」
「ミーセル姉、分かってるとは思うけど騒が無いでね?」
「わかってる・・・。」
「俺も着いて行こうか?」
「あんたは、仕事があるでしょ!」
「チッバレテたかー」
「明日早いんでしょ?」
「どこかいくのー?」
「ギルドがつよーいモンスター倒して‼︎って頼んできたんだよ?」
「おにいたんだけで倒せるの?」
「死んじゃうかもなー・・・」
「やだー‼︎」
フィーは空気を読んで、眼をうるうるさせながら、ミルカに抱きつく。
「こんな可愛い妹を残して死なないよ」
「ミルカ?フィーちゃんは、お姉ちゃんのだからね?」
「いや!俺のだ!」
「おにいたんねなくていーの?」
「だってさーミルカ?」
「分かったよ・・・。寝るよ」
「おにいたんしゃがんでー?」
「うん?」
そう言うとミルカがしゃがんだ一瞬にほっぺにキスをしてあげる。
「がんばって、おにいたん‼︎」
「しゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
「俺は無敵だ〜‼︎」
と言って自分の部屋に戻るミルカ出会った。
「おねえたんも大変だね?」
「わかるー?フィーちゃん・・・?」
二人はお互いの顔を見つめ合いながら、部屋に戻り寝るのであった。
翌日、ミルカは早朝から討伐に向かったそうで朝7時頃には宿には居なく、張り切っていたそうだ。
それから、フィーとミーセルはお弁当を用意し、昼前に宿を出る。
行き先は南なのだが少し西寄りであった。
西寄りに歩いていると南にあった禍々しい森は無く、代わりにウザイ監視役の魔王の下辺共が後ろをついて来る。
「どのぐらいあるくのー?」
「そうだねー、そんなに歩かないから大丈夫‼︎」
「わかったー」
そのやり取りのうちに、フィーを追いかけていた1人がなにもない所で転倒する。
話を聞くと、石が脚に当たって・・・。
と言ったそうだ。
フィーがミーセルと話している間に投げて命中したのだろう。
フィーは警告のつもりで投げているので、ケガはまだしない。
それから数時間ほど歩いたら、木で出来た宿を発見する。
宿を囲うように木々が切り倒されて、切られた場所は芝生が綺麗に育っていた。
「ミーセルおねえたんここどこー?」
「ここは、おじさんが昔作った別荘なんだけど、今は年に数回芝生の手入れをしてるだけの場所」
「すごーい!」
「フィーちゃん。シー」
唇に人差し指を当てて、静かにというポーズをとっているが、その唇に吸い込まれそうな、ぷるんとした唇はサキュバスなのでは無いか⁉︎と思わせられる程の魅力があった。
フィーは、ささやき声で問う。
「なんで?」
「理由は二つあって」
1.この一帯のモンスターは気性が荒く、好戦的、それに加え、無駄に強く、縄張り意識も強い。そして大きな“音”に反応する。
2.洞窟の何処かに緑竜が住み、羽を休めている。昔の古傷を今も治しているので大声はなるべく控えるようにとのミルカのお話である。
以上が理由だった。
「そうなんだー」
(確かにこの辺の雑魚は普通の人からしたら強いねー。それに緑竜も確かにいるね、少し東寄りの洞窟に居るね。まだまだ衰弱してるね)
とフィーは心の中で呟く。
「だから静かに・・・・!」
その瞬間、森の中にオルトロスが歩いているのを発見する。
体長は、大体ビル6階程の大きさだった。
口は血に塗れ、爪は鋭く、グルゥゥゥと鳴き声をあげながら、木々を破壊しつつ進むが、木は不思議なことに、元の場所ですぐに再生する。
「あーオルトロスだー」
「シー⁉︎」
「グルゥゥゥ・・・グル!」
最悪な事にオルトロスにフィーが喋ったことに寄り見つかる・・・。
だがフィーは動じないのだがミーセルが焦り、逃げる準備をしている。
全ての荷物を地面に置き、フィーの腕を掴む。
オルトロスは、フィーとミーセル目掛けて走ってくる。
だが、フィーは全く動こうとせず、ミーセルに大丈夫と言い始める。
「そんなわけ・・・!?」
そんな事を言い争っていたら、オルトロスが目の前まで来てしまい、その大きな口を広げ・・・・フィーをぺろぺろ舐め始める⁉︎。
「えっ?」
ミーセルは驚きすぎて、口が空いてしまっている。
「オルンちゃんは、この辺のオルトロスのBOSSなんだってー」
「フィーちゃん・・・?喋れるの・・・?」
「グルゥゥゥ‼︎」
「キャッ⁉︎」
「おねえたんもふわふわだからオルキちゃんのこと触って見てー?この子因みにメスだよー。それにおねえたんの事も好きだってー」
ミーセルは恐る恐る近づき・・・手を伸ばす。
最初は毛が指先に触れた瞬間ビクッとしたが、次期になれた。
オルキの毛は、表面にある毛は全て針のように鋭く硬かったが、内側の毛はふわふわで暖かく、気持ちがいい。
フィーが触っている場所はお腹で抱きつきふさふさしている。
「フィーちゃん痛くないの?」
「うん。オルンちゃんは、特別お腹だけは柔らかいんだー」
そう言うと、フィーはこっちにおいで?と呼びかけてくる。
オルンは、脚から、胴体までが3階に相当する。
だが、毛が長いのでフィーでも軽くジャンプすれば届いてしまうのだ。
注意:フィーでの軽くは、地球上でジャンプすると宇宙まで簡単に着く程です。
ですがここでは、通常のジャンプです。
「ふわふわ⁉︎」
「気持ちいよねー」
「でも大人しいね?」
「ケルベロスとかは好戦的だけどオルンちゃんみたいなのもいるから、決めつけちゃだめー」
「へー。そうなんだ?」
それから、オルン特有の友情の証としてぺろぺろ体を舐めまわされる。
そして唾液でベトベトになった所で、近くにあるとても水が綺麗な川にオルンに乗って、行く二人で有った。
最近忙しいんじゃ‼︎
仕事がねー休みくれなくて・・・。
更新遅くなり誠に申し訳ございません。
書かなければ‼︎という使命感に毎日・・・