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---Story---  作者: 弩羅
1/1

グループ -1-

暗い空間。その暗い空間を自ら生み出した光で照らしながら歩く者がいた。その空間は足元がボコボコの、まるで岩場のような場所。だが、自ら生み出した光で照らしているため転ぶことはないだろう。

 今彼が行っている事。

 訓練。

 光を灯す男の15m程先。赤く光る炎が見える。空間には光を灯す男、れんともう一人しかいない。その炎は、そのもう一人の居場所を示していた。そのもう一人があえて炎を生み出し、自らの居場所を知らせた。

 憐は、その炎に目掛けて右腕を振るう。その右手からは光の槍の様な物が現れ、炎の方へ直撃する。正確に言えば、炎を扱う者に直撃した。

 だが、炎は揺らがない。同じ場所で辺りを照らし続ける。

「はぁ、やっぱり俺はお前の炎の使用練習を手伝ってるだけじゃねェか。」

「悪いな。でもお前もこの『悪魔の豪炎ダークブレイズ』を貫けるほどの光を使えればいいだろ」

 炎を扱う者、颯太そうたと憐は暗闇の中でブツブツと小言を放つ。

 その後、憐がこの空間の上に向けて光を放つ事によって、空間全体を光で照らした。

 蒼汰の体の周りには、黒い炎・『悪魔豪炎ダークブレイズ』が纏われていた。片手には普通の赤い炎。この空間自体が暗かったため、黒い炎は憐の目に入らない。そのため、光が当たっても赤い炎はその場所から揺らがなかった、蒼汰にダメージを与えられなかった。

「もう今日は終わりにしよう。会議があるだろ」

「あぁ、そうだな……」

 二人は暗い空間のドアを開き、そこから出て行った。


 憐は軽く汚れた訓練用の服装から、このグループ用に作られた防弾チョッキとほぼ同じ効果のあるアーマーを身に纏い、アサルトライフル、ハンドガンをアーマーにセットし会議室へと向かった。

 この基地は地下にある。もともとは廃墟となった建物で、そこを少し改良して作られたのがこの基地。

 全体で東京ドーム7分の1程ある基地の会議室へと憐は少し早歩きで向かう。

 いつもお馴染みのドアを開くと、ホワイトボードに円形の大きいテーブル。8個の椅子が綺麗に並べられている。その中でも、2つの席はもう人が座っている。

 一人は颯太。赤茶色のショートヘアに、憐の175㎝の身長よりも少し小さめの170㎝の体にしっかりとアーマーを着て、アサルトライフルを装着している。

 憐と颯太が装着しているアサルトライフルはAK-47。フルオートで乱射すれば集弾率は低下するものの、団体を相手に撃つ時は連射力が速いために先制できるであろう、一般的なアサルトライフル。カラーリングは、黒に近い茶色に色あせたオレンジ色の二色。

「颯太、着替えるの早いな。俺の部屋よりここからは遠いはずだろ?」

「あぁ、もう準備してあったからな」

 二人で会話していると、横から一人の声が割り込んでくる。

「私は除け者かしら?」

 そう言ったのは、極薄紫色のロングヘアーを後ろで一つに縛った女性、愛巴あいは。女性でありながら、都市の裏組織「グループ」のリーダーであり、作戦・指揮担当である。

「いえいえ、そういう訳じゃないです!」

 憐がそう否定をしながら腕時計を覗く。時間は朝の5時になるところ。会議が始まるのは5時からだからあと数分だ。

「他が来るのが遅いわね……」

 愛巴あいはが遅い部下の愚痴をいいながら怒る表情を見ていると、そんな部屋に何も悪くない二人が冷や汗を流し始める。

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