暴君に愛されて
夜会での断罪から数日。エドワードとマリアが極刑に処されたという報せが届く中、リリアーヌはカイルの王宮の最上階、あの「華やかな檻」で静かに窓の外を眺めていた。
「復讐は終わったわ。……さて、私はどこへ行きましょうか」
独り言ちて部屋を後にしようとした彼女の前に、音もなく影が差します。扉の前に立っていたのは、執務服を乱し、肩を荒くしたカイルでした。
「……どこへ行くつもりだ、リリアーヌ」
その声は低く、震えていた。彼はリリアーヌの両肩を掴み、背後の扉に押し付けながら言った
「約束したはずだ。君を二度と離さないと。……君が望む自由など、この世界のどこにも存在させない。君が歩く道はすべて私が塞いだ。君を助ける者は一人残らず消した。君にはもう、私しか残っていないんだ」
カイルはリリアーヌの首筋に顔を埋め、祈るように、あるいは呪いをかけるように囁き続ける。
「お願いだ、私を置いていかないでくれ。君のいない玉座など、ただの石の椅子に過ぎない。君が毒だというなら、私は喜んでその毒に侵されよう」
リリアーヌは、カイルの背中にそっと手を回しました。
前世で誰からも選ばれず、孤独に死んでいった彼女にとって、この狂気じみた執着こそが、何よりも確かな「生」の証でした。
「本当に仕方のない暴君様。」
リリアーヌの微笑みに、カイルの瞳に歓喜の光が宿る。彼はリリアーヌを抱き上げ、深い、深い、終わりのない口付けを交わした。




