ツエのハナシ
転移が成功したようだった。
「ここが、ロカスコレクシオという場所?」
「うん。そう。杖を買いに行くなら、まだ少し時間があるからついていくよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「そういえば、自己紹介がまだだったね。私はジェームズ・フレデリック・ペンブルック」
「僕はハルト。篠原遥翔です」
「ハルトか。いい名前だ。出身は日本かな?」
「ええ、そうです。あなたはイギリスで?」
「ああ、ロンドンで生まれ、ロカスコレクシオで成人するまでの間育った。ちょうど君くらいの時にここの魔法学校に入学したのだよ」
「魔法学校があるんですか」
「ポネレリビオス魔法学校という場所でね。幼稚園、小学校、中学、高校、大学が一環となっているんだ。ほら、杖屋にもうすぐ着くよ」
「いらっしゃい、杖かい?ロッドかい?」
「どちらもお願いします」
「はいよ、じゃあここに希望を書いて」
’希望表’
杖
・杖の魔法石の種類
・杖のサイズ
・木の種類
・芯の種類
ロッド
・ロッドのサイズ
・木の種類
・芯の種類
「ジェームズさん、この魔法石というのは?」
「前の杖はロッドだったか。魔法石っていうのはね、この裏世界に存在する異能石という石の一つなんだ。対応する異能がないと使うことはできないんだけど、魔法使いなら魔法石を使うことができるんだよ。どれ、魔法は普段どんなのを使うことが多い?」
「一応、全部基本使いますけど、日常魔法と補助魔法は常に使います。攻撃魔法は全体的にたまに使う程度で,,,」
「なら、青い魔法石なんてどうだい?どの魔法にも適応しているから、君にぴったりなはずだ。木と芯の適正もチェックするかい?」
「はい、お願いします」
「店主さーん、適正チェックお願い」
「はいよ、坊や、これに手をかざしな」
紙のようなものに手をかざすとインフル検査薬みたいに、文字がにじみ出てきた。
「ケヤキに、流星群のかけらの星の砂か。かなり珍しいね」
「ケヤキは、日本でも見たことがありますね。シャーペンとかにも使われます」
「シャーペンか。なら、ロッドはシャーペンにするのはどうだい?星の砂を入れれば立派なロッドになるはずだ。学業にも使えるしどうだい?」
「それ、いいですね!店主さん、それでお願いします!」
「はいよ。杖のほうのサイズは?」
「僕の身長と同じくらいで。1メートルかな」
「分かったよ。30分ほどかかるから、そしたら来な!」
「ありがとねー店主さん。これ、この子のお金、私の分で払っておいて」
この町の人はみんないい人だ。ジェームズさんに僕の異能のことも、スケルトンであることも話したけど、かっこいいねって褒めてくれた。これからはたまにここに来ようと思った。
杖を受け取って帰ることにした。
「短い出会いだったけど、ありがとうございましたジェームズさん。またここに遊びに来ようと思います。その時には、今日おごって頂いたお礼をします」
「うん、じゃあハルト。達者でね!」
転移するための魔法陣がある場所に向かった。かなり混んでいて、がやがやしている。
何かあったのだろうか。
「申し訳ございません。転移魔法陣の活性化が阻止され、空間の裂け目ができなくなってしまい、しばらくの間転移が行えません。本当に申し訳ございません」
「どういうことだ!」
「俺は妻を残してきたんだぞ!」
,,,は?どういうことだ?もう僕は一生ここに閉じ込められるのか?帰れない、のか?
ハルト:魔法使い/スケルトン




