イノウのハナシ
本を借りた後、コウスケ達と合流した。カルトの獅子については、何一つわからなかったらしい。
「パソコン使って探したんだけど、どうしてもオレの獅子だけはわからなかった」
「だから、獅子のことは早々に切り上げて、異能自身について調べたんだ。まとめたのがあるから、このメモあげる」
’異能について’
・異能が現れたことについては多くの説があるが、そのほとんどは正しいと考えられる
・多次元宇宙論
宇宙が複数存在するという説。本来は互いに干渉しないが、何かが関係して 互いに関わり、異能が生まれた
・他惑星人の侵攻説
ほかの惑星で生まれた別種族が地球に侵略されたという説
・異世界説
なんらかの要因で異世界の住人が地球に来たという説
・裏地球説
地球の裏に世界の狭間ができ、そこから別種が侵入してきた説
・神の力説
我々が理解できない異常な力で別種族を生み出した説
・異能力者は、大抵2つの異能を持ち合わせており、多くは2つでないとバランスが取れずに死んでしまう。
・1つしか能力を持っていないにもかかわらず生き残った者を、転換点とい う。転換点は、その世界の未来を大きく変える運命にあると言われている。その後後天的に能力を手に入れることができ、3つ以上の能力を持っても、瞬時に2つ以下の力に切り替えて使用できるとされている。
・3つ以上の能力を持っても、生き残ったものを、特異点という。科学的には、AIが人間の力を超えるときだが、異能的には、人間が神同等またはそれ以上の力をもつ可能性のあるものを示す。3つ以上の力を同時に使いこなすことができる。
・異能として、神の能力を持つ者を、神の使徒という。この世界の秩序を守る使命があるとされている。
「これ、コウスケはもしかして,,,」
「俺は、転換点なのかもしれない。」
少し間を開けて、聞いた。
「転換点って、何をしないといけないのかな?」
純粋に気になった、というのもある。それと、ただでさえ少ない友達だ。転換点だからなんとかで連れ去られるのは嫌だ。できることなら、死ぬまで一緒にいたい。
「さあね?でも俺は転換点だろうと今まで通り過ごしていくつもりだよ。」
そういわれて、少しうれしくなった。
「そうだ。俺の獅子についてなんだけど,,,」
カントはそういいながら一冊の本を開いた。
「異能としては存在しないんだけど、ここにライオンの絵がある」
「けど、このライオン燃えてないよ。ただのライオンでしょこれ。獅子じゃなくて」
「いやいつもオレに乗るとき一回鎮火するじゃん。ここに人が乗ってるでしょ。ふつうのライオンだったらわざわざ乗らないじゃん。馬とかでしょ乗るの。馬よりも速い獅子を使うんじゃない?」
「ううん、肉食だから周りの動物に影響されないとかあるんじゃない?」
「そうかもしれないね。ライオンと他の能力を混ぜたのが獅子って可能性がある。別種族なんじゃなくて、異能を持った動物。」
「コンスケみたいなもんか,,,でも、俺は召喚しようとしないとでないぞ。なんでお前自身がなるんだ?」
「さあ、そこまでは分からなかった。獅子の能力自体にそういうのがあるのかもしれないね。獅子の時人間の時の頭の切れとかがなくて。だからオレが考えたのは、もとが獅子で、普段は脳を改造されてる人間の姿、とか。」
脳は、学力が上がったわけじゃなく、改造されているだけなので、割とその可能性はありえるかもしれない。しかし、実験については一人で調べたい。これを言ったら実験について調べようとするだろうから、彼らには黙っておくことにした。
「鬼は、常にあるんだっけ?肉体強化みたいな」
カントは答えずに、目の前の本棚を片手で持ち上げた。
「なるほど,,,でも鬼だったらもっと鬼っぽい見た目じゃないの?角とか」
「ここにちっさいのがあるよ。ほらここ」
くだらないやり取りをしている彼らを横目に、実験について書かれた本を隠した。さっき、魔導書を借りたときに一緒に借りたのだ。彼らにばれるとまずい。
「とりあえず、もうそろそろ戻ろう。アカリにばれてたらやばいだろうし,,,」
「そうだね、帰ろうカント」
「ああ、うん」
次の図書館は夏明け。ただし、僕は一人で調べに行く。いつ行こうか策略を練らないと。コンスケの協力もコウスケにしか得られないだろうし。
カント:鬼/獅子




