マホウのハナシ
1か月がたち、僕らは作戦を実行することに決めた。休みの時間を見計らって、コンスケと夢幻を作り、ポータルを開き、図書館についた。
「こないだ来た時、オレの能力に関する記述が見つからなかったんだよ。」
カントの鬼については分かったのだが、どうしても獅子の能力については見つからなかったらしい。
「パソコンを使って調べてみたら?僕も魔導書探さないと。」
「じゃあ、俺は実験について調べておくよ。俺のきつねは先天的なのに脳を改造されたから、改造したのにも理由がありそうだと思って,,,」
「いや、それはみんなでやろう。先に軽く、異能力者について調べてくれると助かるよ」
実際には、僕も実験に少し心あたりがあってそれが彼らにばれるのが嫌なだけだけど。
「わかった。俺も、異能のことならパソコンを使おうと思う。カントと一緒にいるよ。」
そしてそれぞれが探しに行った。
「古代の魔術書だ。ほとんど、ラテン語で書いてある。魔術の出生はラテンなのか?」
幸い、僕は脳の改造で5か国語を理解できる。日本 英語 フランス ドイツ ラテン語。
なぜラテンなのかはわからなかったが、もしかしたら魔術の出生に関する問題なのかもしれない。そういえば、新しく覚えたポータル呪文詠唱するときにはラテン語に近かった気がする。もっとも、日本向けに作られていた魔導書だったから何が真実かはわからないが。
’魔術の歴史’
’魔術と魔法の違い’
’魔術が作られてきた方法’
魔術と魔法は違っていたのか。ずっと、同じだと思っていた。辞書で引いたら出てくるのかもしれないが、気に留めたこともなかった。
魔法は、魔法使いの力がなければできない。魔法使いの血が通っていなければつかうことはできないのだ。魔法使いは優性なので、この世のほとんどが使うことができると考えられているが、その多くは気づかずにその一生を終えることが多い。ただし、これはほとんど人間と変わらないため、あったとしても異能としては扱われない。使われないことのほうが多いからだ。
なるほど。僕も少し魔法使いの血が通っているのかもしれない。ただ、それは気づかないのがほとんど,,,運がよかったのかもしれない。
それに対し魔術は、誰でも使うことができる。人間が魔法使いが魔法を使うのをみて編み出したものである。ただし、一度に使用する魔力量は魔法の10倍であり、魔術は非常に魔力量を使う。ただ、魔術は杖を使えない人間が使うため、杖がなくても使うことができる。また、多くの魔術者は一度の魔力量が多いため、最終的な総魔力量は魔法使いよりも大きくなることが多い。
なるほど。つまり僕が今まで使ってきたのは魔術だったわけだ。魔法を読んでいたつもりだったが、正体は魔術だったのだ。魔術を一通り覚えてみよう。炎の魔術なんかがいいかもしれない。
’ブイギー’
手のひらから炎がでた。が、重い。魔力は強化魔術じゃないから変わりないはず。まさか、魔法?僕が今まで使ってきたのは魔法だったのか、と思い、水を出す。家庭の皿洗いなどで使う程度の水。しかし、魔術ではそのやわさの水は出せないはず。隣にあった魔導書を手に取り、同じ炎の’魔法’を試す。
’アルデアト’
あたりに炎が広がる。慌てて水でかき消した。
「威力も魔力の重さもまるで違う」
もしかしてと思い、さっきの魔法を強く頭の中でこだまさせ、何も言わずに燃やす。目を開くと、炎が広がっていた。慌てて水を作ったが、これで確信が持てた。
「僕が今まで使っていたのは魔法だ。でも、杖なしでも使えるのは魔術だけのはずじゃ,,,」
もしや、混血が進む中で魔法に対する前提が変わっていったのではないだろうか。魔力が高い魔法使いだけが生き残り、その魔法使い同士の混血が進み強く魔法が濃くなっていった,,,
いいことを知った。コウスケたちにも教えてやろう。でもその前に、一通りの魔法は覚えてしまおう。いちいち読みに来るのもじれったいので、借りて家で読むことにした。それと、もう一冊くらい、魔法の歴史について書かれた本が欲しい。できれば、現在の混血状況もわかるやつを。
すこし探して、すぐに見つけた。魔術の本だけでも1フロア埋め尽くしているから、もっとかかると思っていたんだけど,,,
「あった。混血状況が自動的に書き込まれる魔法がかけられてるやつが。便利だな魔法って」
有人貸出口を使うと怪しまれるので、無人を使わないといけないのだが、そもそも人に見つからないようにこっそり借りないといけない。(いつだかに赤ちゃんが一人で外を出歩いていると通報された)
めっちゃジャンプしないと届かないというのが面倒くさかったが、無事借りれた。彼らと合流しに行こう。
ハルト:スケルトン/魔法使い




