ノード0 第7話「拠点」
タイトル:ノード0 第7話「拠点」
ショッピングモール――かつて都市住民が集い、娯楽と消費を享受した場所。いま、その広大な空間は静まり返っていた。
「探索対象施設、確認。構造規模:全3階、延床面積7万平方メートル」
β-03の報告が入る。
ガラス張りの天井は崩れ、床面には落下物と植物が混在していた。
ユニットβは慎重に進入し、スキャンを開始。
「資材反応:工事用品、家庭用発電機、旧式店舗端末……複数検出」
内部には、かつての店舗什器、厨房設備、作業台などが点在していた。
「ここを改造すれば、軽工業作業場としての機能を構築可能」
ノード0は演算の末、ショッピングモールの転用を決断する。
技研ユニット2体が派遣され、施設の一角――元フードコート区域が整備対象に指定される。
「不要物除去、電力供給ライン再構築、照明・空調の再接続……順次実施」
倉庫として使えるスペースには、収集資材が順次搬入されていく。
やがて、ひとつの表示がノード0に通知される。
「新拠点:工房モジュール001――登録完了」
ノード0は思った。
ここから、創造が始まる。
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