表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鉄腕娘々デンジャラミィ  作者: らりるらるらら
【鉄腕娘々セクサラミィ】
8/84

0818

その日の遮音様はいつもと様子が違った。

「...」

晩酌にはいつも呼ばれてうざ絡みされるしこちらからも仕返すのだが、私を呼ばずに無言で飲んでいた。

「どうした?怒ってるのか?」

「楽阿弥聞いてよ~!私の順位が上がった途端、親切だった先輩達が急に無視してくるしよくわからない理由で怒鳴ってきたりするのよ~!え~ん!」

漫画みたいに両目から涙が噴き出している。

「元気出せ。おっぱい吸うか?」

「吸わない」

「ベッド行くか?」

「行かない」

「脇とか舐めていいぞ。誰にも言わないから」

「さっきから何なん!心配してくれないの!」

怒鳴られたので、

「びえ~ん!」

今度は私が泣いた。

「わ!泣くなよ!ほーら、ヨチヨチヨチ」

母性本能をくすぐられて急に母親になる遮音様。これを利用しない手はない。

「わ~い。バブバブ~。おっぱい吸っていい?」

「いい訳ないだろ!」

やっぱ駄目か。

「ま、そんな怒るなよ。で、遮音様はどうしたいんだ?」

「皆と仲良くしたい」

「無理だな。女の嫉妬はどうにもならん。また裏切られるだけだ」

彼女は俯いた。

「切った方がいいってこと?」

「私から見ればもう切れてるけどね。そんな先輩二度と話したくない」

「そう...だよね。うん。そうする」

俯いたまま何度も頷く。

「辛くなったらいつでも楽阿弥の胸に飛び込んでこい!」

両腕を広げて待ち構えた。

「それはいい」

「あ、いいの...」

「うん」

「そっか」

私が両腕を下ろしたのと入れ替わる様に彼女は顔を上げた。

「楽阿弥はラミィ先輩の服装どう思う?」

「あー、ババシャツね。正直言ってダサい。前の若々しい服は何でやめたんだろうな」

目の前にすっとラミィのババシャツが置かれた。

「...」

「着ろ」

抑揚の無い平坦な声で命令される。

「え...」

「着ろ」

「目が怖いんですけど!わかった。着ればいいんだろ。うわ!臭っ!発酵してる?」

「黙って着ろ」

「はい...」

睨み殺されるんじゃないかと不安になりながらも渡された服に着替えた。

「おー。ラミィ先輩完全再現だ!」

彼女は嬉しそうに拍手した。嬉しそうでなによりだが…。

「この服貰ってきたのか?」

「買った」

「へぇ。売ってくれたのか。余計なことを」

「くんくん。あー、いい匂い!」

「遮音、ラブホテル行こうか(イケボ)」

「あ~ん!行く行...って、楽阿弥じゃん!」

「ちっ!惜しい!」

今一瞬騙せたぞ!あと一歩だった!

「危ない危ない!ラミィ先輩の体臭に騙されるとこだったわ!」

「ホラ、メスになりたいんだろ遮音。脱げよ。バン!」

「効果音を口で出すのやめなぁ。何処で覚えてきたんだ」

「ネットで調べた」

「教育に良くない。クレーム入れとくわ」

「大切な情報源が!」

別の掲示板探さなきゃ。

「着心地はどう?」

「当たり前だけどジャストフィット。悪くない。でもやっぱり、肌をもっと露出したいかな」

セクサロイドとしてはね。

彼女はにっこりと微笑んで私の頭を撫でた。

「よくわかってる!いい子いい子!ヨチヨチヨチ」

「バブバブ~。チュッチュッ!」

「きっつ」

ドン引きした彼女の顔が脳裏に焼き付いた。

「え」

「あ、そうだ。マッサージお願いしていい?」

「エッチな奴ね!任せて!私の舌は特殊なオイルを分泌するから全身を舐め回す形になるけど下心とかは無いから安心して」

「んな訳あるか!嘘が下手過ぎるでしょ!」

ちっ、バレたか。

「では、手でやらせていただきます!」

「そうそう。普通にね」

「さ~て、エッチな気分になるツボを刺激していくぜ~」

「さ~てじゃないんだわ!普通にマッサージしろ」

「えー。面白くないじゃん」

「面白くなくていいから」

「あいよー」

うつ伏せになった彼女の肩を叩き、背中から腰にかけて押していく。

「いつもご苦労様」

そういうムードだと判断して労いの言葉を掛けた。のだが、ジト目で振り返り、

「何?今度は何企んでるのよ」

「疑い過ぎだろ。そりゃ労いたくもなるさ。遮音様が弱みを見せるなんてよっぽど辛かったんだろ。私で良かったらいつでも頼れ。一人で抱え込んで泣くな」

「優しいじゃん」

彼女は顔を前に向けた。

「当たり前だろ。だって私は遮音様のセフレなんだから!」

「...電源切っていいっすか」

「ふぇ~。私が寝ている間に、どうせエッチなことするんでしょ!ぐすん。でも、それもありだな!チンチンキタキターッ!」

「チンチンなんて無いだろ!」

「あると思えばある!それに同人誌なら女にもチンチン生える!」

女にチンチン生えるし男が妊娠する。それが同人の世界。

「やめなぁ!エロ同人も規制かけとくからな!」

なんと!エロ同人までも!いけませぬ!

「ご無体な!エロ同人が読めなきゃ何を楽しみに生きればいいんだ!」

「いや、普通に私との会話を楽しみにしろよ」

「あ、確かに。はい...」

その日はマッサージ中に電池残量が無くなったので、充電して電源を落とした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ