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ー手紙ー

作者: ムラカワアオイ

彼女。

バックヤードでキス。

本屋ですれ違う、彼女は青い服。

『ムラカワアオイの子供を産んでみたい』

『どうして、抱いてくれないの』

彼女のからの二通の手紙。俺が彼女を抱けない理由。

俺みたいな奴が、あんなに聖なる彼女を抱いていいのか。

と迷った。

聖なる彼女。

聖なる彼女。

どうしても、抱けなかった。

『アオイ君は正義感、強すぎ』

『今度、二人で、映画、観に行こうよ』

『こんな恋愛、初めて』

『ねぇ。私の事、本当に好き』

彼女は僕の全てを引き受けた。でもでも。

失った。

彼女を失った。火曜日の雨。仕事の電話をしなければ。

彼女。

手紙。

抱けなかった。彼女との幸せ。。

寂しい瞳の持ち主は、本気で彼女。

こんな恋愛。電話でケンカも出来ないんだね。

最初で最後。

僕も寂しい瞳になった。雨が降るたびに彼女を想う。

手紙。

手紙。

彼女からの手紙は永遠に僕の心のポケットの中央へ。

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