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『毒蛾転生〜仲間と共に異世界巡り〜』  作者: ユーキ
第2章『エルフの里』
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戦の幕開け

 ……………森の中はこれから戦闘が始まるとは思えない程の静寂に包まれていた。


 暗い森をまるで風のようにエルフ達は駆けていく、その集団にはアーシャも含まれていて、俺はアーシャの肩に掴まっていた。


 ………アーシャって、やる時はやれる人…エルフだったのか。


 今までとは言っても一緒に過した時間は短いが、だらしない場面ばかり見てきたからか不思議とそう感じた。


「さっさと終わらせて帰りましょ!母さんのご飯が楽しみだわ!!」


 ……これってフラグじゃないか?


「アーシャ静かにして、もうすぐ着く」


「わかっ……分かったわソフィー」


 大声で返事をしかけたアーシャは、しょんぼりしてしまった。


 アーシャの元気な所は好きだけど、しおらしくなったアーシャも可愛い……。


「ゴブリンの村が見えてきました……」


 ………ターニャの言葉通り、俺達の前に3メートル程の丸太で囲われた村があった。


 ゴブリンの村というからもっとボロボロな村を想像していたが、意外にとても堅牢そうな村だ。


 ………先程戦ったラッシュボアの突進にも、何回かは耐えられるだろう。


「……あの木の上がいいかしら、村との距離や木の高さ、太さも丁度いいわね」


 3人はスルっと木に登ると俺と一緒に村の中を覗き込んだ、ルリは下でじっと待っている。


 うわぁー……、大量のゴブリンが地面に横たわり眠っている、モブゴブリン達には家がないのか。


 100匹以上のゴブリンは野ざらしで寝ているが、30程の粗末な小屋が疎らに建っている。


 ………一軒だけ他よりも明らかに大きな小屋があった、おそらくゴブリンキングの棲家なのだろう。


 アーシャは弓を構えて矢を番えると詠唱し始めた。


「『火と風の精霊よ矢に破壊の祝福を』……エンチャントエクスプロージョン」


 ………逆に精霊魔法に出来ない事ってあるのか?


「アーシャ、………先走って攻撃したらダメ」


「分かってるわソフィー、準備しただけよ………多分もう直ぐ始まるわ」


 エルフ達は予定通り、村の近くで息を潜めている様だった。


 ドオォーン!


 うわっなんだ!?………開始の合図か、来ると分かっていたがビックリしてしまった。


 ゴブリン達も飛び起きて何事かとパニックになっている、………俺だけじゃなかったから良しとしよう。


「いくわよ!これでも喰らいなさいっ!!」


 アーシャが矢を射た瞬間、殆ど同じタイミングで村の周りから一斉に多様な魔法が降り注いだ。


 まるで村を蹂躙するかの様に放たれた魔法に、多くのゴブリン達はなす術もなく死んでいった。


【経験値を7獲得しました、経験値を9獲得しました】


【レベルが上がりました】


【経験値を9獲得しました、経験値を8獲得しました、経験値を11獲得しました】


【レベルが上がりました、レベル上限に達しました…これ以上レベルは上がりません、[限界突破EX]の効果が適用されます……これ以上の経験値は貯蔵されます】


【経験値を8獲得しました】


「よしっ!開始の挨拶としては上々ね!!」


 …………エルフにとっては挨拶代わりなのか、イビルラーヴァに進化しなくて正解だった。


 もしエルフと敵対していたら、きっと遠くから魔法を撃ち込まれ、反撃も出来ずに嬲り殺されただろう。


 そんな事を考えていたら、いつの間にか村の門は破壊されていた。


 エルフ達が村に入っていき、俺達もそれについて行った。


「ゴブリン達が混乱しています、その隙に私達はゴブリンとその上位種を相手しましょう」


「なんでよ!私はゴブリンキングを殺りたいわ!!」


 ………確かゴブリンキングはランク:C、熟練冒険者レベルだったな………、アーシャのランクはどれくらいなのだろうか?


「……アーシャ、私達の役目はリーダーがゴブリンキングと戦っている間、他のゴブリンが邪魔に入らないように露払いする事だけ」


「仕方ないわね、………じゃあさっさと終わらせるわよ!!」


 アーシャはまるで矢のように飛び出していき、走りながらどんどん矢を射ち始めた。


【経験値を8獲得しました、経験値を9獲得しました】


【レベルが上がりました】


【経験値を12獲得しました】


 くっ………、あんまり暴れられると肩から落ちそうになってしまう。


【一定以上の経験を確認、スキル:[体幹Lv1]を習得しました】


 ………少し楽になった気がする。


「はあ、昼間にやった練習の意味がないですね」


 ターニャが諦めたように溜息を吐き出した。


「アーシャは1人に出来ない、そんな事したら一体何をしでかすか………、尻拭いはいつも私達」


 2人はそんな事を呟いてアーシャの後を追いかけながらも、ゴブリンの処理をしていった。


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