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27.日常

こっからノープランだぜ!



 システィアと行動を共にするにあたって、ひとつ大きな問題がある。

 そう、わたしの空腹についてどう説明するか。


 なんて悩んでも仕方ないので、素直に伝えると――


「へぇー、そうなんだ。じゃあ私と一緒だね!」


 とあっさり流されてしまった。

 どうやらシスティアは、不思議な体質で魔力が体全体を覆って、圧縮されているらしい。そのため魔術が全く使えないかわりに、身体能力が凄まじく、雷を越える……らしい。


 実際に見たことがないから、なんとも言えないけど。





「というわけで、一緒に出掛けるわ!」

「……なんで?」


 普通に疑問だったので、システィアに訊くと「だって防具も武器も持ってないんだもん」と返された。

 そういえば、使ったことなかったな。でも要るかな? 刃物って怖いから使いたくないし……。


 けれど、強引に手を引っ張られて武器屋に連れていかれてしまう。


「さて、どれがいい?」

「どれが良いって言われても」


 なにがよさそうとか全く分からない。

 形が違うだけで、何が違うんだろう。

 分からないことは素直に聞こう、というわけでシスティアのほうを見るんだけど――


「ふんふんふーん」


 武器を手に取っては棚に戻しを繰り返しているばかりでこちらのことなんて気にもしていなかった。

 なにをしているのかと思えば、突然こちらに振り返る。

 手には小さいナイフが握られていて、ちょっとだけびっくりする。


「これなんてどうかな。頑丈だし使いやすいと思うけど」

「えっと、どうって言われても」


 何とも言えないというか、しいて言うならお腹空いたから何か食べたいな……くらいなわけで。

 上から下へ振ってみるけど、何も感じない。


「特に何もないかな」

「そっか~。じゃあ諦めようか」


 武器も持っていないと気にしていた割にはあっさりと諦めるシスティア。

 そのことに首を傾げていると、システィアは口を開く。


「いや、下手に武器を使うより殴ったほうが早そうだし。私もそうだし、たぶんアイリスもそうだよね?」

「……じゃあなんで武器屋にきたの?」

「んー? 面白そうだから」


 あっけらかんと言い放つ。


 結局その日はなにもせず、ただ街を歩き回っただけで何もない一日となった

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