51 江戸城の戦い
今まで土佐に来てます楽しいね
幕府軍がほうほうの体で江戸に到着するとすぐに籠城の準備を始めた。
それに対して西軍はこれを包囲。
その陣中に北より下ってきた佐竹義宣と上杉景勝が挨拶に来た。
「佐竹右京大夫ただいま参りました。」
「上杉中納言ただいま参りました。」
そう言って2人が忠長に頭を下げる。
今までの違ってどことなく嬉しそうだ。
「2人ともよう来てくださった。貴殿らが味方になってくださらなければ富士川での勝利はありませなんだ。」
忠長は膝を地面につけ2人の手を取って感謝の言葉を述べる。
「いや早、それにしても伊達とやっと雌雄を決することができると思うとこの右京大夫嬉しくてたまりませぬ!」
「佐竹殿の仰せらることご最も。我らに先鋒をお申し付けくだされ!」
「おお、強者揃いの貴殿らの軍勢が先鋒なら頼もしい。お任せしよう。」
先鋒を任された佐竹、上杉勢は鬼神の如く戦い一気に大手門を破壊し篭城する幕府方の最上義俊、南部利直を討ち取り伊達勢との交戦を開始した。
これに遅れをとるまいと毛利、島津など西国諸侯も江戸城に雪崩込み譜代の大名と激戦を繰り広げた。
その一方で忠長は降伏を呼びかけようとしていたが流石にそれはダメだと俺と婿殿が止めた。
ともかく西軍について嫌な思いをしていた諸将の鬼神のごとき働きにより江戸城は落城し家光や伊達政宗らが縄で縛られ連行されてきた。
「さてまずは土井利勝、酒井忠世。そなたらは上様の屋敷を襲いお命を奪おうとしたな?」
俺が冷徹な声で言い放つ。
「我らは……。」
「言い訳は聞きとうないな。斬り捨てて良いですか?」
「その方らは斬り捨てよ。この戦の原因となったのはこの2人じゃ。」
忠長がそう言うと近くの兵が2人の腕を掴み連れていった。
さて残るのは家光と徳川頼房と伊達政宗と真田信之だが。
「まずは伊達政宗。所領召し上げの上斬首と致す。」
「おっ、お待ちくださいませ。私は仕方なく味方になっただけ。その答えとして……。」
なんか言い訳しようとしたので俺は止めた。
「言い訳など見苦しいのう。それで今までは上手くいったかもしれぬがもう許されんぞ?」
上杉景勝が笑いながら言うと他の者も大いに笑う。
「そういうことだから。なんなら今ここで腹を斬っても良いよ。」
「…………。」
これまた政宗も黙って連れて行かれた。」
かつては奥州の半分を手に入れた戦国大名の情けない最期であった。
「次に真田信之。先の戦での戦いは上様もあっぱれとのこと。当人は名誉の切腹とし安房5万石への減封とする。」
「ははっ!有り難き幸せにございます。」
信之は丁寧に頭を下げた。
「真田殿に料理を出して差し上げろ。切腹は明日とする。」
忠長がそう言うと信之は縄を解かれ退出していった。
「次に頼房殿は出家して政から手を引いていただく。」
「ははっ……。」
「最後に家光様。これについては上様から。」
俺がそう言うと忠長が立ち上がる。
「兄上と二人で話したい。皆外に出てくれるか。」
と言うので俺たちはみんな出ていった。
「やっと終わりましたなぁ。」
秀元が焼け落ちる江戸城を見て言う。
「真の天下泰平が訪れたのでしょうな。我らの役目は終わりじゃ。」
嘉明が言うと皆頷く。
「いや、これからの世代を育てていくという仕事が残っていますよ。さて、論功行賞が楽しみですな。」
俺がそう言って皆自陣に戻った。
その後家光は忠長により殺され残った幕府側に着いた将の多くは処罰された。
その後の論功行賞で。
「まずは福島殿。」
忠長に呼ばれて正則が前に出る。
「信濃4万石より尾張56万石への転封とする。」
「ははっ!」
「次に加藤殿、そなたは陸奥会津60万石。藤堂殿は伊勢57万石を与える。」
「有り難き幸せにございます。」
「毛利殿は安芸、出雲45万石を加増。島津殿は肥後半国30万石を与える。」
これにより島津家は百万石くらいの大大名になる。
これはちょっと不安かなぁ。
「前田殿は約定通り能登21万石と言ったがこれまでの奮戦に報いて加賀40万石とする。」
「ははっ!有り難き幸せにございます!」
利常は泣いて喜んだそう。
そのほかの将について述べると丹羽長重は越中49万石、水野勝成は三河30万石、堀尾忠春は上総39万石、宇喜多秀家は岡山57万石、立花宗茂は豊後37万石、秋月種長は筑後25万石、森忠政は信濃35万石、仙石忠昌は甲斐22万石、鳥居忠政が出羽35万石、上杉景勝が越後75万石、佐竹義宣が常陸56万石、黒田長政が播磨60万石、姑殿が丹後、丹波など65万石、その他も西国諸侯は軒並み加増され特に婿殿は越前、美濃、近江に150万石という大領を手に入れその上で御三家となった。
最後に俺は摂津と大阪を手に入れ西国の主となった。
この後、忠長による統治が行われ新たな江戸時代が始まるのだった。