32 世紀末集合
戦国無双真田丸普通に面白いけどもうちょっとテンポ良くして欲しいですねー
慶長12年の夏、土佐藩邸には珍しい客が来ていた。
彼の名は本多上野介正純。
「福島正則、加藤清正、浅野幸長、前田利長……。豊臣恩顧の厄介な大名はまだまだおります。」
「それを豊臣恩顧の大名の俺に言いに来るか?」
「上様は中納言様のことを大層信用されておられます。福島左少将らとも親しくされているのでしょう?」
「まあ最近は会ってないけどな。何が心配だ?」
「もし豊臣秀頼が奴らと結んで挙兵したら脅威になると上様はお考えです。最近はご子息も生まれ子供のためにも豊臣を潰しておきたいと……。」
「ああ、なるほどね。なら利用価値がなくなったら毒殺すれば良いのでは?」
「なるほど……しかし連続で始末するのは厳しいですな。」
「1年おきに分けて始末すれば良い。あんまりやりたくはないけどな。」
そりゃ元イツメンの暗殺なんてやりたくないよな。
では俺の今のイツメンは誰なのか。
正純との話が終わると入れ替わりで舅殿と島津家久、立花宗茂がやってきた。
「おう、婿殿。待ったか?」
「いや、ちょうど用意も済んだところです。今日も土佐の美味い魚を用意してたところです。」
「おお、それは有難いですな。」
「おじい様、立花殿、島津殿。よくお越しくださいました。」
そう言って息子の弥三郎が挨拶する。
育ちが上方なので亡き兄の信親と同じく教養もあり才覚のある子に育った。
「おお、弥三郎。土産を持ってきたぞ。」
DQN四天王とも言われる舅殿だが孫には優しいらしく笑顔でお土産を差し出した。
早速3人を部屋に通し料理と酒を差し出した。
腹の減ってた俺達は結構食って飲んでるのに家久だけ全然食ってなかった。
「もしかして味濃かった?」
俺が鴨肉を頬張りながら聞く。
「いや、最近伊達の野郎がいっつも飯の時嫌味言ってくるのです……。」
「そういえば島津殿と伊達殿は家格も同じで石高も近いですからな。なんと言われるのです?」
宗茂が箸を置いて聞く。
「島津は関ヶ原で西軍に付いた反逆者なのにどうして東軍に早くから味方し上総介殿(松平忠輝)の義父であるワシのような忠臣が同列とは島津は羨ましいなと言ってくるのです。」
うわーうぜー。
伊達政宗って最近思ってたけど口だけで器量小さいよな。
「ならこう言えば良いのですよ。」
宗茂が対策を言い始めた。
それから2週間後、秀忠に新しく子供が生まれたのでお祝いの宴が開かれた。
俺は官位は高いので結城秀康の隣に座り後ろに家久が座った。
「おお、これはこれは。また反逆者と同じ席か?」
うわ、マジで言ってんじゃん。
秀康もドン引きだ。
「されど我々があそこで降伏しておらねば大御所は討伐軍を差し向けたでしょう。そこで無論伊達殿は先陣を務められるはず。されど我らにも意地があります。相打ちにでもなれば北と南の大大名が消え、その跡を狙って大戦になったでしょうな。それを避けたワシもある意味では忠臣ではありませぬかな?」
「……、土佐中納言殿の入れ知恵か?」
「いや、某ではないですぞ。」
「誰の入れ知恵か知らぬが薩摩にも皮肉はあるようだな。」
そう言うと政宗は機嫌悪そうに座った。
「あれ、本当は貴殿が言われたのでしょう?」
その後小声で秀康が聞いてきた。
「いや、あれ立花殿の考えです。」
「あの御人でしたか。流石ですね。」
「ええ、これで陸奥少将殿も懲りたら良いのですが。」
懲りました。
政宗はそれ以来家久に嫌味を言うことは無くなりました。
こんな感じで平和な日常を送っている俺にとって忘れてはならない日がやってきました。