27 戦勝祝いの会
戦国無双4Ⅱ勝ったのでしばらく遊んできます
翌年、結局島津はぱぱっと降伏し日向を没収され薩摩45万石となった。(まだ確定はしていない。)
官位的には俺は正則や清正を凌いだが石高では微妙だった。
とはいえ俺には秀忠の親友という最強のカードがある。
そう思いながら年賀の挨拶をするために大坂城に出向いた。
「オッスオッス、元気か金吾!」
早速廊下で金吾を見かけた俺は肩を叩いて声をかけた。
「ああ、忠親か。お前は相変わらず元気だな。」
ん、元気がないな。
「どうしたオメー。さては大谷形部に祟りでもかけられたか?」
「いや……どうも諸将の俺を見る目が冷たい……。」
「そりゃ裏切り者だからな。だがお前の裏切りが無ければ俺たちの勝利は無かった。気にすんな。」
そう話していると毛利輝元が歩いてきた。
「舅殿、おめでとうございまする。」
金吾が挨拶するが輝元は無視だ。
「宰相殿、おめでとうございまする。」
輝元が俺に挨拶してくる。
「おめでとうございます。毛利殿も我らの気持ちが分かりましたかな?」
流石に友達を無視したのは気分が悪いので俺も煽る。
輝元はスルーして行こうとする。
「あんたは120万石から30万石だがこっちは90万石から10万石だぞ。父上の苦労を思い知れ!」
「お前……。」
「戦国の世で裏切りなんて普通だ。お前は豊臣を売った訳じゃないんだ。」
俺は金吾をフォローする。
次にやってきたのは上杉景勝だ。
「上杉殿、おめでとうござりまする。」
景勝は一旦金吾の方を向いて無視だ。
いや、あれは素っぽいな。
上杉景勝って無口だったし。
「あの人は前から無口だったから気にすんな。早く行こうぜ。」
その日の夜、徳川家康が主催の宴会が行われた。
席順は官位順で毛利輝元、上杉景勝ら西軍に着いた人間は出席していなかったので俺は秀忠、前田利長、秀康、金吾、松平忠直、舅殿の次、右から4番目に座った。
「お初にお目にかかります。松平下野守忠吉でござる。」
「これはこれは長宗我部参議忠親でございます。」
この時点で官位は俺の方が上だが一門格の忠吉の方が立場は上なのだ。
「関ヶ原の折には島津に襲われ危うい所を助けて頂きました。ご挨拶が遅れ申し訳ありません。」
「いえ、お気になさらず。関ヶ原では大活躍でしたな。」
「滅相もない。私などまだまだ皆様の足元にも及びませぬ。」
なんか向こうの方が後輩みたいな感じだけどよく考えたらタメじゃね?
なんか彼は俺の事ベテランと思ってない?
「でも同い年でしょ?」
「武将としての経験でござる。」
「これからは戦ではなく政の時代でござる。忠吉殿もきっとご活躍なさるでしょう。」
「そうですか……。なれば私は兄上をお支えするのみですな。」
「頼みますよ、あいつ頼りないですから。」
「そういえばお主の兄君はどうなった?」
左にいた輝政が聞いてきた。
「京にて蟄居させられてる。土佐の受け渡しに猛反対して兄上や家臣を手打ちにしようとしたり一揆を煽ったりで内府殿はお怒りだからな。」
「とんでもないな。関ヶ原では吉川が動かなかったせいで何も出来なかったみたいだしきっと納得はいってないな。」
「だから厄介なのじゃ。もし今後誰かを担ぎあげて戦でもされたら困る。」
「誰かとは……秀頼様か?」
「さあ、もしかすると岐阜中納言かもしれぬし黒田如水殿かもしれぬ。」
「ああ、確かにあの辺りは天下を狙ってそうだ。岐阜中納言様ならワシも馳せ参じなくてはならんな。」
「織田に義は尽くしただろ、次は徳川に尽くす時だぞ。」
「ただの冗談じゃ。されど太夫や主計はまだ豊臣を主家と考えておる。気をつけねばな。」
向かい側の清正と正則の方を見て輝政が小声で言う。
「まあ2人も時の流れくらい読めるであろう。」
宴会の時ずっと金吾は酒を飲んでたがマジで大丈夫か?
30本は超えてたぞ。
それから1ヶ月後、俺に娘が生まれた。
秀忠との約束通り娘を秀忠の子供と婚約させようとしたが秀忠に息子がいなかったので結城秀康の嫡男の仙千代にいずれ嫁ぐ事になった。
不安なのは後々彼が改易された時に俺も巻き込まれないかだが秀忠なら大丈夫だろう。
大丈夫かな?