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25 関ヶ原

真田を無視して西に進んだ俺たちは天候不良にも見舞われたがなんとか史実より早く到着した。ちょうど本戦が中盤に差し掛かり金吾が東軍に味方し始めた頃だった。


「父上、ただいま到着致しました。」


「うむ、ご苦労であった。真田の罠をよく読んだな。」


「仙石殿と忠親のおかげでございます。二人がいなければ真田めに……。」


「お主にも将としての器が着いたということじゃ。」


家康は嬉しそうだった。


「仙石殿に長宗我部殿。此度は愚息に進言していただきかたじけない。この御恩は忘れませぬ。」


そう言って俺の手を取ろうとした瞬間である。


「申し上げます、島津軍が動き始めました!既に福島殿と交戦している模様!」


それを聞いて俺と仙石は立ち上がった。


「内府殿、我らはこれより島津を討ち取って来まする!戸次川の借りを返しに行くぞ、仙石殿!」


「おう!では私はこれにて。」


俺と仙石は直ぐに本陣から出ると軍勢の前に立った。


「皆の者、よう聞け!これより我らは共に島津を叩く。かつての因縁などもあるであろうがその時の関係を改善する時が来た!共に憎っくき島津を討ち戸次川の借りを返す時が来たぞ!」


俺が大声で言う。


「そうじゃ!これよりするのは鬼狩じゃぁ!ワシらに続けェ!」


仙石も刀を上げて言う。

そして長宗我部、仙石連合軍四千が動き始めた。


対する島津軍は福島隊を突き崩し井伊直政をも撃破し家康本陣へ迫る勢いだった。


「叔父上、新手です!相手は長宗我部と仙石のようです!」


島津豊久が島津義弘に報告する。


「ほう、14年前の仇討ちか!叩き潰せ!」


島津軍も勢いを上げる。


「奴らが捨てがまりなら我らも捨てがまりじや!戸次川を忘れるなァ!」


俺はリボルバーを出し騎馬の上から敵兵に発砲する。


「殿、ここは我らにお任せあれ!」


押し寄せてくる新手に対して政親が応戦する。


「おう、任せたぞ!」


数で勝る俺たちの方が有利だった。

しかもかつての復讐に燃える兵士達は島津の捨てがまりをものともせずただ突き進む。

そして遂に俺の銃口は島津義弘を捉えた。


「島津維新殿!兄上の仇、ここで取らせてもらうぞ!」


そう言って俺は引き金を引いた。

弾丸は真っ直ぐ島津義弘の首を貫き義弘は馬上から崩れ落ちた。


「と、殿!」


家臣たちが慌てて駆け寄る。

やった……鬼島津を討ち取った……。


「島津義弘、討ち取ったりぃ!」


俺の大声が戦場に木霊した。


その後、仙石は島津豊久を討ちとり俺たちは戸次川の恨みを晴らした。

これは亡き父上も大喜びだろう。


戦も終わり俺は島津義弘の首を持って本陣に向かった。


「おお、忠親。お前大活躍らしいな。」


ちょうど本陣から出てきた金吾に話しかけられた。


「ああ、そうらしい。お前こそよく味方になってくれた。」


「約束を守らない男じゃないんでね。これから佐和山城に向かうがお前は?」


「父上の墓参りだな。兄上の仇を取ったことを報告せねば。」


「そうか、じゃあ次に会う時はお互い大大名だな。」


金吾は俺にハイタッチして立ち去っていった。


本陣に入ると家康は俺の手を取り感謝の言葉を述べた。


「淡路殿、此度は誠に感謝いたす!秀忠を引き止め島津を討ち取るとは天下無双の働きでござる!恩賞は期待してくだされ。」


「ありがたきお言葉。それと一つお願いが。」


「なんじゃ、申されよ。」


「共に戦った仙石殿を讃岐に戻して欲しいのです。よろしいかな?」


「そのような容易いこと、お任せくだされ。それと貴殿の兄上はどうされる?」


「そこは内府殿にお任せ致す。しかし命を取るほどのことはしでかしましたかな?」


「いや、そこまではしておらぬ。まあ改易か減封ですな。」


「寛大な処分、感謝致す。これより私も佐和山に?」


「いや、貴殿はしばらく岐阜城でくつろがれていかれよ。お疲れでしょうしな。」


ああ、疲れてるよ。

強行軍で雨の中突っ走ったからな。


こうして関ヶ原の戦いは終わった。

さてどのくらいの恩賞が出るか、楽しみだね!

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