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21 兄弟喧嘩

最近戦国炒飯TVと東海オンエアにハマってますが戦国炒飯TVは歴史好きの人はマジで見た方がいいと思います。

さて今から麒麟がくるですが松永久秀と明智光秀に深い関係があるのかはよく知りません。


翌年、前田利家が死ぬと舅殿や正則らがを三成を襲撃する事件が起きた。俺も誘われたが特に三成に恨みはなかったので10人だけ兵を出しておいた。

そのふた月後、父上が死んだ。

その葬儀に参加するため伏見の長宗我部屋敷に行くか迷ったが父上が戻ってくるなと言っていたので俺はただ近くの寺で父上の冥福を祈った。


「父親が死んだのに葬儀に行かないとはな。盛親殿から恨まれるぞ?」


秀忠が俺に酒を注ぎながら言う。


「既に恨まれてるわ。父上が戻ってくるなって言ったんだから仕方ねんだわ。ともかくこれで俺が欲しい物は決まった。」


「よし、言ってみろ。」


「土佐と四国の内一国。お前が跡を継いだらもう一国だ。」


「あとの一国はいらんのか?」


「それはおいおい考える。ともかく約束しろ。」


「ああ、わかった。父上もお前は何としても味方にしたいらしいから阿波辺りを与えるだろう。他には?」


「土佐の石高は届けでは10万石だが実際は多分もっと多い。再検知するからそれを土佐の石高にしろ。」


「負担は増えるが名声は上がるって奴か。了解した。徳川との血縁はいらんか?」


「百合がいるしな。」


「そりゃわかってるわ。お前の子供と俺の子供を結婚させるってのは?」


えっ、それって俺が3代将軍の父親になるってことか!


「いいぜ。次の天下人は俺の子供だな。」


「まあまだお互い生まれてないから分からんがな。ともかく長宗我部と徳川はこれから末永くよろしく頼むよ。」


「おうよ。」


最近はずっと秀忠と飲んでる。

もう諸大名からすれば俺と徳川が密接な関係にあるのは分かるだろう。

そして同様に子飼い衆もみんな徳川側だ。

しかしこれを危惧した三成は俺を呼び出した。


「久しいな、1年ぶりか?」


「朝鮮から帰って以来ですな。如何なされた?」


「お主、近頃は内府の嫡男と親しくしているようだな。」


「ええ、私的な関係で政治的な関係ではありませんよ。」


「そうか、なら良いがな。」


いやー絶対バレとるわ。

これ暗殺とかされそう……。


そう思いながらその足で家康のいる大坂城西の丸に入った。


「侍従任官の件、受けられる気になりましたか?」


「ええ、是非とも。」


「承知致しました。近いうちに正式な任官の日が朝廷から伝えられるでしょう。それから四国の件ですがな。」


「厳しいですか?」


「いやいや、貴殿にはそれでも足りぬと思っておるくらいです。それ故紀伊国の内蔵入地の4万石を加増したいのですが。」


!?


「ぜ、是非ともお受けしたい話でございます。」


「そうか、喜んでいただけたようで何よりじゃ。所領が多い方がより多くの兵を動員出来ますからな。」


蔵入地より味方になる大名に領地を与えた方が家康としてはやりやすいだろう。

実に合理的な考えだ。

紀伊には代官として又右衛門を入れた。

しかしこれで俺の長宗我部家は10万石となり本家の長宗我部家と並ぶようになった。

いや、正確には土佐は9万8000石なので俺の家の方が多い。


ともかく、紀伊に所領を得たおかげで雑賀衆や根来衆を雇うことにより俺の軍の水準はかなり上がった。

初めは1000人くらいしかいなかった兵も3000人は動員可能になり十分東軍主力として戦えるレベルだ。

まあほとんど実力では無いが土佐を取り返せるなら何でもいい。


「殿、一応盛親様を誘わなくてよろしいのですか?」


政親が俺に聞いてきた。

め、めんどくせー。


「まあいいんじゃねーの。どうせ俺の事嫌いだろうし。」


「左様ですか……。」


ん、待てよ。盛親が改易にされた理由は敗戦後に土佐で一揆が起きたからだ。

この世界では俺がいることで一揆が起きない可能性もある……。

つまり盛親に積極的に戦わせる必要がある。


「よし、会いに行こう!」


俺は南蛮服を来て堂々と長宗我部屋敷にやって来た。


「これは淡路侍従様。ようこそお越しくださいました。」


出迎えた桑名吉成が挨拶する。


「久しぶりだ吉成。盛親殿はいるか?今後のことについて話し合いたい。」


「殿でしたら奥にいらっしゃいます。どうぞこちらへ。」


父上には戻ってくるなと言われたけど長宗我部のためなら仕方ないね。

この時点で俺はすっかり長宗我部の存続から自分の利益の拡大に目標が変わっていたがまだ自分でも気づいていない。


「殿、淡路侍従様がいらっしゃいました。」


吉成に案内され俺は盛親の部屋に通された。

官位も石高も俺の方が上だ。

俺は堂々と部屋に入った。


「何の用だ。」


「今後のことについて話があって参った。」


敬語を使わない俺に盛親はイラつきながら答える。


「今後のこと?無論亡き太閤殿下のご遺命に従うだけであろう。」


「それが御家のためだと?」


「ああ、そうだ。よもや内府に付こうと考えている訳ではあるまいな。」


「ええ?亡き太閤殿下の遺命では内府が今後の政を取り仕切るようにと書いてあったではあるまいか?」


「なんだと?ご遺命に従わずに大納言を蔑ろにし勝手なことを繰り返す内府に豊臣を任せられるか!」


「盛親殿、ようお考えられよ。亡き大納言や奉行衆と内府。どちらが武将としての器が大きいかは目に見えておるであろう。」


「貴様……利益のために恩を仇で返すのか?」


「別に私は殿下に豊臣を守れとは言われておらぬからな。本当に長宗我部のことを考えているから私は内府に味方する。」


「愚かな男だ……。今ここで成敗してやろうか。」


盛親が刀に手をかける。


「あんたが俺を斬れば内府は長宗我部を潰すぞ。それに俺は金吾中納言や武断派と親しくしているのを忘れるな。」


「くっ……。」


盛親の人脈はせいぜい烏帽子親の増田長盛くらいだ。

対して俺は豊臣家の重鎮とも親しくその差は歴然としている。


「まあ良く今後の去就を考えられよ。俺が憎いなら奉行衆と共に戦えばいい。」


俺は盛親を挑発すると屋敷を後にしようとした。


「淡路侍従様、よろしいのですか?」


吉成が呼び止める。


「構わぬ、もしもの時は俺のところに来い。立場は今までと変わらん。」


「その時はその時でございます。どうぞお元気で。」


これで土佐は多分俺のものになった。

盛親との二人三脚では長宗我部が滅びるのを防ぐことは出来ないだろう。

残念だが仕方ないなぁ。

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