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最狂クッキング部  作者: ルコト
4/10

第1章あかね、クッキング部に入学してしまうNo.4

渋谷view


あんな純粋そうで可愛い子を逃すなんて惜しいことした。

「楓、余計なことするなよ。」

「先輩こそ。先輩が余計なことするから、彼女怖がって逃げちゃったじゃないですか」

「男なんだから、女という女は愛するべきだと思うけど……」

って、こいつは女だった。くそ、忘れるレベルのイケメン度合いで困るよな。


ピロン♪

LINEがきたらしい。

「げ、部長……」

以下LINEの引用。


どうなった?


      可愛い女の子が来たけど逃げられた


女?

ヒロシしばらく部活出入り禁止


              ヒロシとか呼ぶな

              なんもしてねーよ


なんとかして入部させて

   

                    え?

     女は嫌がるかと思ったけど、いいの?


嫌いなんて言ったことある?

可愛い子は好き


           じゃあこれまでの数々の

            嫌がらせはなんなの?

    おかげで女の子みんないなくなるじゃん

 

あれは可愛がってるだけ

とにかく小樽にでも言ってどうにかして

入部しなかったらヒロシ炙るから

写真撮ってるんでしょ、送って




チッ、お見通しかよ。俺は仕方なくさっき盗撮した彼女の写真を送った。長い髪の毛をツインテールに結んで、行儀よく座ってキラキラした目で教室を眺めている。確かにこんなかわいい子、俺としても入ってほしいけどね。

「先輩、部長が惚れたから早く入部させろって言LINE来ました。これはヤバいですね。彼女耐えられると良いけど。」

楓がニヤつきながら言ってくる。ってか俺に送れよ!




あかねview


次の日の昼休み。

「あー!あかね面倒なのに目つけられたね」

「え……」

「渋谷先輩ってとんでもない女ったらしって有名なんだよ。私の友達も何人か手を出されてるんだよね……」

うわぁ、夏帆ちゃんからかなり負のオーラが出てる……。

「でも、その人と楓様しか見てないけど、なんで女の子がやめていくのか分かんなかった」

「あ、部長はいなかったの?」

「え、いなかったけど……」

「女の子達がやめていくのは部長に問題があるの。部長は……」

そこまで夏帆ちゃんが言った時、勢いよく教室のドアが開いた。


ドアを開けたのはかなりいかついハードボイルドな感じのおじさん先生。数学の先生、小樽先生だ。この間、この小樽先生の初授業だったけど、別に怒っているわけでもないのに、その圧倒的な存在感と口調が怖すぎて泣きそうだった。今も教室を見渡してるけど、目つきが怖すぎる!うるさかった教室も一気に静かになってしまった。ピリッと走っている緊張感。


「日向あかねはどこだ?」

唸るような低音ボイスの小樽先生。って、え!?私!?

「あかね、何かしたの?」

夏帆ちゃんが小声で聞いてくる。

「いや、多分何もしてない……」

私が黙っている間にも小樽先生の声は大きくなっていく。

「いねぇのか?」

「あの……私です」

私は恐る恐る立ち上がった。小樽先生は私をじっと見ている。

「お前か。話がある。ついてこい」

そう言って教室を出る先生を慌てて追いかけた。私がちょっと夏帆ちゃんを見ると、夏帆ちゃんが泣きそうな顔で口ががんばれ、と動いているのが見えた。





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