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最狂クッキング部  作者: ルコト
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第1章 あかね、クッキング部に入学してしまうNo.1

第1章

あかね、クッキング部に入部してしまう






「はじめまして、日向あかねです。 よろしくお願いします」


やっぱり自己紹介は緊張する! 私はこの春から、ここ春乃宵はるのよい高校に転校してきました。 新しい制服を着て、新しい友達との出会い。 春はやっぱり出会いと別れの季節。これからどんな生活がはじまるのかとっても楽しみ。


「じゃあそこに座って」

担任の先生に言われて席に座ると早速横の席の女の子が声をかけてくれた。

「あたし、宇都宮夏帆。よろしく!」

すごく印象の良い子! 無邪気な感じの笑顔とポニーテールがすごく似合ってる。この子と仲良くなれたらいいんだけどな。



お昼休み、夏帆ちゃんは私をお昼ご飯に誘ってくれた。

「うわぁ!美味しそう!もしかして手作り?」

「うん。夏帆ちゃんはいつもパンなの?」

「まあね。でも部活までもたないんだよね~」

「そっか・・・よかったら、ただのおにぎりだけど食べる?」

「え?良いの?今日出会ったばっかりだよ!?」

「それなのにお昼一緒に食べてくれてるじゃん。全然いいよ」

「じ、じゃあ、遠慮なく!」

夏帆ちゃんは目を輝かせて受け取ってくれた。

「何これ!?ちょー美味しい!」

夏帆ちゃんはすごくおいしそうに食べてくれる。

「え、こんな美味しいおにぎりはじめてなんだけど。これ中身昆布?」

「うん、昆布とね、おかかとしらす」

「めっちゃ豪華。しかもご飯粒もすごい美味しいんだけど。なんで?」

夏帆ちゃんはぺろりと完食してしまった。

「ごちそうさま!ありがとうね」

「ううん、私こそありがとう。 だって他のクラスのお友達がお昼に誘いに来てたのも全部断ってたでしょ?」

「いいのいいの。だって転校生と仲良くなれるなんてめったにないでしょ! それに私も同じ部活の子も1年の時仲良かった子もクラス離れてちょっと心細かったからさ」

照れたように笑う夏帆ちゃん。

「それにしても、料理が上手なんだね!」

「ありがとう。うちはお父さんがシェフで、お母さんがパティシエだから私もよく作るんだ」

「へー!じゃあさ、お菓子も作って持ってきてほしいなぁ!」

「いいよ。じゃあ明日作ってくるね」

「ありがと!」

やっぱり、料理を作る醍醐味って、人に喜んでもらうことだよね。

「ところで、あかねは部活はいらないの?テニス部は?こない?」

「私、運動はそんなに……。部活自体もあんまり入るつもりじゃないんだ」

「そっかぁ、残念。一緒にテニス部どうかなって思ったんだけど」

「ごめんね。その代わりにお菓子いっぱい作るね」

「ホント!?やったー!」

夏帆ちゃんといたら私もすっかりやる気になってきちゃった。



次の日、私はお昼休みに今朝作ってきたスコーンを広げた。

「うわぁお!すごいすごい!美味しそう!」

「そんな言うほどじゃ・・・」

ホントに普通のノーマルなスコーンなんだけど。

「おいすぃぃぃぃぃぃ!!!」

スコーンをほおばったまま叫ぶ夏帆ちゃん。

「何これ、ふわっふわじゃん!このままお店に出せるよ!」

「へへ、ありがとう」

すると廊下側の窓から女の子達が顔を出してきた。

「夏帆、声でかすぎ。何叫んでんの?」

「だってすっごい美味しいの、ほら」

そう言って夏帆が他の女の子達にもスコーンを渡す。

「この子は転校生のあかね。あかねの手作りなの!」

自慢げな顔の夏帆ちゃん。

「夏帆が自慢してどうすんのさ。って美味しい!」

「なんの騒ぎ?」

「転校生の子の手作りお菓子、すごい美味しいよ!」

「ホントだ、上手い」

人が人を呼んで、ちょっとした人だかりが出来てしまった。スコーンもわりと一杯作ったのにもう無くなっちゃった。

「あれ?もうないの?俺も食べてみたかったのに」

「私も食べそびれちゃった~」

って言ってくれる子もいっぱいいたから

「また作ってくるから食べに来てね」

このみんなの笑顔を見れるなら毎日でも作っても良いくらいかも。



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