私17歳! 強面おじさんと結婚します!
神様のミスで修学旅行中にバスの事故で異世界に転移した柊きらら達。
柊きらら視点で語りの様になってます。
レベルや冒険者のランクランク適当です。
かるーく読み流してやって下さいね。
私は 柊 きらら 17歳
修学旅行中のバスが横転して気が付いたらこの異世界に来ていた。
なぜ、異世界ってわかるかって?
そんなの簡単。
この世界に来る前に中間どころっていうのかな?
真っ白い空間で超イケメンのお兄さんにあったんだ。
「すげー、テンプレかよ!」
「異世界キター!」
等々、各自好きな事いって大興奮!
元々クラス中で盛り上がって、神様にチートな能力もらって旅立っていった。
中でも、担任の足立は魔王も倒せちゃうくらいのチート持ちだったみたいだけどやけに冷静っていうのかな?
かなり落ち着いてた。
今思えばおかしいって気が付くべきだった。
後悔しても始まらないけど………
異世界に降り立ち旅立っていたクラスメイト達。
でも、中にはそんな行動的な子たちばかりじゃなかった。
まじめな子もいたんだ。
そんな子達を先生に任せてあたしも外の世界に旅立っていった。
大好きなファンタジーの世界だもん。
あたしにとってはそれが当たり前の事だったし。
クラスメイトの殆どは降り立った魔の森の中でレベル上げしてから町に行くって言ってた。
すぐに町に向かったのはあたしを含め数人だけ。
レベルは森を出るくらいには7くらいになってた。
最初1だったから結構いいと思う。
こっちの基準では普通に生活してる人は大体が10位で専門職を極めたりすると上限なく上がっていくらしい。
最高が99なんてことはなくて、魔王なんかはレベルが1000以上は当たり前とか言ってた。
因みに人間と魔族が争っているとかはないので今回の異世界転移は単純に神様の采配ミスとかもいってた。
町はレベルの低いあたし達を遭難者として迎え入れてくれた。
私は、冒険者登録して誰もやらない様な掃除の手伝いとか単価は安いけど危険のない依頼をこなしていってこっそり弱い魔物狩ってレベル上げしていってた。
因みに神様から私がもらったチートの能力はレベル上げに必要な経験値が稼ぎやすくなるもの。
ご飯を食べても、運動してもレベルの経験値に換算される。
仕事での雑用もその一つ。
魔物狩り程じゃないけどちゃんとレベルアップしていった。
ある日、わたしは仕事をもらいにギルドに行った。
そこには、強面で来てすぐの頃たちの悪い冒険者に絡まれてる所を助けてくれた恩人のジャックさんがいた。
因みにジャックさん女の子たちにはとっても不人気。
酒場で飲んでるだけなのにウエイトレスのお姉さんに怖がれてた。
ちなみにあたしは全然平気。
助けて貰ったのもあるけど、凄く不器用でだけど優しいって知ってるから。
あたしがここに来た頃、一人でギルドの横の酒場の隅っこで呑んでるのよく見かけた。
それも新参もののあたし達を心配しての行動だった。
特にあたしは一緒に町に来た同級生に魔物狩りに行かない臆病者ってバカにされてた。
既に魔法が使えたり、剣や武術の達人だったりした他の同級生と違ってゆっくりレベルがあがっていくタイプのチートだったから。
その時は知らなかったけどレベル10を皮切りに経験値が倍がけで増えていく事。
それでも上がるのはレベルだけっていう不可思議な現象。
一体なんのレベルなのか後々判明するけど何の技能もない状態で魔物狩り何てとんでもなかった。
だから、今でも時々依頼で入る事があるけど当時は酒場が中心の仕事場だった。
後で聞いたらギルドマスターにおじさんが頼んでくれたらしい。
もう感謝しかない。
そんなおじさんを怖がる何てもってほかだ。
だから、酒場に出勤してる時におじさんが来たら真っ先に注文取りに行く。
町で見かけたら挨拶したり、世間話したりしてちょいテレのかわいいおじさんを堪能してる。
そんなおじさんをいつの間にか好きになってたんだろうなぁ。
もち、loveの方で。
酒場からの帰り私は襲われた。
レイプ目的じゃなくてマジに殺されかけた。
しかも、元同級生に。
何で!何で!って泣き叫んだよ。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら逃げた。
そいつは笑いながら言ったんだ。
「知らねーの?お前。」
「な…に?……なんなの!何をだよ!」
「異世界人殺すとレベルがとんでもなく上がるんだぜ。」
「は?」
聞き違いだと思った。
でも、違うってわかった。
そいつは「足立なんてもうレベル10万超えてるんだぜ、神だよ神〜〜」
「足立?なんで?」
喉が張り付いて上手く喋れないのをなんとか声を絞り出した。
「足立はさぁ、神に特別に聞いてたんだってよ!この人数引率は辛いでしょうって。
そんで、手っ取り早くレベルを上げるには異世界人(俺たち)の様な特殊な者を殺すのが手っ取り早いってさ、だから俺も真似しようと思ったんだよ。」
ぎゃーははははと笑うそいつを前にあたしは頭が真っ白になった。
足立は教師だった、あたし達の担任だった。
だから何にも疑わなかった。
先生ならこの異世界でも頼りに出来る。
そう思って先生の元に残った子達もいるはずだ。
先生別れて半年。
どんな大物倒しても普通ではあがっても5〜6レベル位だったはず。
それでも相当強い魔物でだ。
なのに10万超え。
異常だ。
信じたくない、ないけど多分先生は残った子達を殺してレベルを上げたんだ。
確か10人くらい残ったはず。
同級生は全部で37人。
もう、半分もいないのかもしれない。
私は余りの恐怖と不安に潰されそうになって吐いた。
それを見てそつは楽しそうに笑って剣を振り下ろした。
あたしに向かって。
なんの迷いもなく。
咄嗟に目を瞑って衝撃を覚悟したあたしに聞こえてきたのは金属のぶつかる音だった。
ゆっくり目を開けるとそこにはおじさんがいて、そいつと戦ってた。
でも、余りに違うレベルに押されてた、あたしに「逃げろっ」って叫びながらそれでも応戦してた。
恐怖で動けないあたしを守ろうと頑張ってくれた。
「ちが…違うの!逃げてぇ!!おじさん!逃げて!!逃げてよー!」
このままじゃ殺されるって思ったら自分の事なんてどうでも良かった。
おじさんを助けかった。
でも、叫んだあたしにそいつが向かってきておじさんはあたしを庇って斬られて、あたしの目の前でまるでスローモーションの様に倒れた。
「おじさん?ねぇおじさん!に、逃げてよ!立って早く逃げてよ!あいつレベルむっちゃ高いんだから!は・早く逃げてよー」
すがりついて叫んだらおじさんがあたしの頭にポンって手を置いた。
「に…にげろ………」
混乱したあたしがとった行動はあとから思えば突っ込み所満載だった。
おじさんにキスした。
せめて息のある内に好きだよって伝えたくて無我夢中だった。
そしたら、頭のなかでレベルが上がる毎に鳴ってた音が聞こえた。
今まで雑用で取得した料理や大工とかのスキル下に今までなかった戦いに必要な武道系のスキルが追加されてた。
おじさんのスキルがそのままあたしに追加された。
あたしのレベルにあったスキルに変換されて。
圧勝だった。
呆気なく終わった戦いは勝利の余韻なんてなかった。
あたしはおじさんを抱き締めてひたすら泣いた。
そして駆けつけた騎士団に保護された。
そして今日。
あたしは教会にいる。
白のワンピースを着て。
片手に縄をもって。
縄?
と思った人も多かろう。
フフフフフ。
なんとあたし事 柊 きらら は今日結婚します。
そしてお相手はと言うと。
「なぁ、嬢ちゃん。考え直した方がいいぞ、こんな強面おやじと結婚なんて死地に行くのと同じだろうが。」
と、隣に立ちながらここまで来てグチグチとなにか言ってるおじさん。
そう!生きてたんです!おじさんは。
おじさん事、ジャック・オセアニアさん(治療院で知ったフルネーム)は瀕死ながらも一命をとりとめた。
騎士団の到着が早かったのと目と鼻の先に治療院あってすぐに処置が出来たのが大きかった。
勿論、献身的に介護したよ!
下心付きで。
なかなか落ちないおじさんに痺れを切らして夜這いかけたり、薬盛ったり。
全部失敗して最後は泣き落とし。
結局折れてくれたけど、今だにグチグチと無駄に説得を試みてくる。
この結婚式もほぼ騙しうちだ。
(結婚式って言っても二人だけで神父さんの前で宣言するだけだけどね。)
だから逃げられない様に縄付き。
絶対絶対、逃がしません。
最近は冒険者が殺される事件が続いている。
犯人は同級生達で間違いないだろう。
おじさんも冒険者だ。
いつか殺されるかもしれない、ううん、おじさんのレベルは実は1093で上位冒険者だったりする。
魔族の血を引いてたおじさんの冒険者ランクも高い、元同級生達の良い獲物。
もう、あんな思いは絶対に嫌だから。
あたしは近くでおじさんを守る事にした。
結婚はより近くにいる為にとっても都合が良い。
夜も一緒にいられるしね。
おじさんは自分が魔族の血を引いてるのをきにしてたけど
あたしなんて魔族並の高いレベルにおじさん譲りのスキル+元同級生レベルとスキルがプラスされた化け物だ。
逆に申し訳ない。
今のあたしのスキルは武道系、魔法系、治癒系等々豊富なラインナップになってる。
どうやら倒した相手がこの世界の者でも同様の効果がえられるみたいで元同級生達は魔物以外の狩りを始めてる。
特に狙われるのが上位冒険者はいいカモ。
そして後で知ったこと。
魔王のレベルは1000所じゃなかった。
多分神は早めにあたし達異分子を始末したかった。
初期レベルなら確実にやられてた。
今でもヤバい。
元同級生レベルは今やヤバい領域にまでいってるだろうから魔王相手に張り合えるかもだけどあたしは戦おうとは思わない。
おじさんが大事だ。
そのおじさんがあたしが危ない事するのを嫌がるから。
あたしはおじさん守ってこの世界で幸せになるんだ。