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15 黒幕の登場なんです4

 向かうは二人の英雄と詩季のチーム、そしてアトラ学長

すでに多数のハンターたちが足止め、兼的体力の消耗のためだ

が、案の定SSSランク以下は早々にボロボロだ

多数の死者が出る中、なんとかSSSハンターたちによって足止め程度はできていた

それもいつまでもつかはわからない


「まずいな、予想より押されているか」


「行きましょう、彼らをなるべく多く救うんです」

「命を懸けてまで足止めしてくれた彼らを」


詩季たちは走った

犠牲者をこれ以上出さないように


詩季フユノ「はぁああ!」


ハンターたち全員を射程内に入れた詩季は全員を強化した

と同時に瞬時にアキナに代わる


詩季アキナ「えええい!」


アキナの能力で傷ついたハンターたちが一斉に癒された

倒れ、動けなくなったものも瞬時に傷が回復したことで逃げるだけの体力を得た


「今だ!走れ!できるだけ遠くへ逃げろ!」

「テレポートできる者はできないものと一緒に飛んでくれ!」


美汐のその声にハンターたちは一斉に逃げ出す

しかしそれを許すほど相手は甘くない

オーラブレードを伸ばし、逃げだすものを襲う

だが、そのオーラブレードを軽々防ぐものがいた

才華だ

もはやオーラブレードでは傷つかないほどの装甲により、見事に攻撃を防いでいた

神流は首をかしげている

防がれたことが不思議でたまらないという傾げ方

それでも攻撃をさらに加えてくる


今までの訓練が功を相しているのか

すべての攻撃を軽々はじく

私、戦えてる

才華がそう思ったのもつかの間

突如オーラブレードを解除した神流は拳で才華の盾を殴った

簡単に割れる盾、吹き飛ばされる才華

あまりの力の強さに驚く才華、その腕はぐしゃぐしゃにへしゃげていた

それを見た途端痛みが全身を駆け巡る


「ああ!!ぐっ」


痛みに悲鳴を上げる才華

そこに詩季の回復弾が当たった

みるみる腕は再建される

数秒後には元通りだった


「ありがと~、詩季ちゃん!」


すぐさま立ち上がる才華

盾のかけらから複数の物質を拾い上げると、オリハルコンを手に取り自分の体の性質を変える

この世で最も硬い鉱物をその身に宿して再び戦いに身を投じた


「えい!」

霊花が神流の動きを止める

が、力が強すぎるためか、少しずつだが神流は動いていた

オーラブレードを霊花に向かって投げる神流

それを霊花のぬいぐるみが受け止める

すんでのところで霊花には届かない

ほっとした霊花にオーラブレードが急に伸びた

トスッという音とともに霊花の背中までオーラブレードが着きだした


「ガフッ」


吐血し倒れる霊花

詩季の位置からでは神流が邪魔をして回復弾が届かない

詩季は炎をこめて神流に弾を撃つ

燃え上がり、あとずさる神流

すかさず霊花に弾を撃ちこみ回復させた

数十発は予備を持ってきたとはいえ、このペースで使っていてはそこを尽きる

そうなれば詩季は回復に回らねばならず、攻撃の手数が減ってしまう

皆一様にその考えに至った

司は瞬時に回避役に徹することにした

攻撃を受けそうな仲間をテレポートさせ、回避手段とした

これによりさらに効率よく攻撃できるようになった


「潰れなさい!」

アクシアが重力を神流にかけた

普通の人間なら数秒でひしゃげていただろう

神流は意に介さないといった感じでゆっくり動き出す


「これほどの負荷を耐えるか」

「なら、これで!」


さらに負荷をかける

地面はへこみ、その重さを物語る


それでも、なお、歩みを止めない


「化け物め!」

「昔の同僚だし、あんたのことは嫌いじゃないが」

「人類に牙をむくというならここで消えてもらう!」


美汐は能力を発動させ、神流を攻撃した

そこに鷹音の力も加わる


急速に体を削るが、それにも増すかの勢いで再生していく神流の体


「む、効いて、いないだと?」


「美汐!危ない!」


鷹音が美汐をかばう

そこに伸びたオーラブレードがとんでもないスピードで襲ってきた


鷹音の背中から心臓を一気に貫く刃

慌てて美汐は鷹音の傷口を分解、再構築した

瞬時に対応できたため、何とか助かったが、鷹音は気を失っている


ひとまず司が安全な場所へと転移させる


今度はハクラが力を解放させた

鬼化は仙力との相乗効果によりさらにその姿を変貌させる

純白、白鬼

仙力はハクラの鬼化能力を強化し、力、スピードを今までの10倍ほどに引き上げた


眼にもとまらぬ、人の目で追うことは不可能の攻撃

さらにそこから斬撃を飛ばす

動きは舞

ハクラの洗練された動きは踊りを踊るかのようだった目に見えていればだが


アクシアによって動きが遅くなった神流に斬撃が迫る


神流は六腕のうちの一本を切り落とされる

落ちた自分の腕を見つめる神流


「グ、グrrrアグ」


ぎろりとハクラを睨むと瞬きの刹那でハクラの視界から消えた

わずか数瞬の出来事だった

ハクラの胸から飛び出る腕

神流はハクラの心臓をつかみだしていた

握りつぶされた心臓

腕を引き抜く神流

ドオと倒れるハクラ

命の灯が消えていく

詩季は慌てて回復弾を撃ち込んだ

間に合ってくれ、と

打ち込んだ、恐らく、ともしびが消える前に


詩季ナツキ「お願い」


ピクリとも動かないハクラ

息をしていないのか、胸の動きすらない

傷は完全にふさがっている


詩季ナツキ「くそ、くそ!」

  「よくも!」


詩季は滅多打ちに神流に打ち込む

すでにアクシアの拘束から逃れている姦アにとってその攻撃は避けるもたやすいものだ


まったく当たらない

詩季はハルミにシフトする


詩季ハルミ「うあああああ!!」


時間停止

何ものも動かぬ世界にハルミだけが動き出す


詩季ハルミ「この!この子のこの子のこの子の...!!」


時間目いっぱいに攻撃を叩き込む

ありったけの力を込めて


解除

その瞬間吹き飛んでいく神流

その一撃がどれほどのものか

すでに消滅しつつある神流の姿が語る

崩れゆくからだその中で神流の思考が加速する

何かはわからない、自分は死ぬのだとわかる

ぎりぎりと詩季の方を向く神流


「迷惑かけた、ね...」

「アリが...と..」


終わった

神災級を倒した

犠牲者は...一人

動かなくなったハクラを背負い、仲間のもとへと戻る


その時、うっしろから声がした


「いやぁ~、倒しちゃったぁんだぁ」


振り向くとそこに白衣を着た女性が立っていた

見た目は二十代後半といったところか

しかし、その体が異質だった

背中から生える触手がうねうねと動く

いや、よく見るとその触手は機械でできている

ギシギシと音を立ててうごめく


「じゃぁ、もう一試合ぃいするぅう?」

「あたしとぉおお人類のぉおお生き残りをかけた戦いいいいっひぃいいい」


不気味に笑う


「リサーチャー...」

「寧々子、やはりあなたでしたか」


「学ちょぉおお、お久しぶりですねぇええ」


笑ってはいるもののその目は狂気

人を敵としかみなしていない目だ


「アクシア、あんたも久しぶり?」


「そうか、あんたかい...」

「ずいぶん若返ったもんだね」


「なぁあに、研究の結果さぁあ」


「その口調は相変わらずだね」


「クッハァ、あんたが最初に死ぬぅ?」


「娘が死んだことは同情する」

「だがあんたがやってることは」


「黙れ、殺す」


寧々子は触手をアクシアに突き出した

とっさに重力場で撃ち落とすが、まるで効いていない

速度が落ちることもなくアクシアの体を貫いた

十数本にも及ぶ機械の触手すべてがアクシアを絶命させた


あまりのことにほかのすべての者が動けなかった


「もうすでに解析はすんだ」

「お前たちの攻撃すべてが意味をなさないと知れ」


急にあの不思議な口調ではなく

強いものに変わった寧々子

解析、寧々子の能力の一つ

それはすなわち能力者に使えば無効にするすべを知るということ

機械はそのために背負っている

彼女独自に開発した相手の能力に合わせて同じ周波の能力をぶつけて相殺するもの

能力が効かない

絶望が押し寄せてくる

加えて寧々子の能力は未知数だ

神災級を倒したというのに

理不尽はいつでも突如として舞い降りた


それを見つめ笑う大男


「素晴らしいぞ、寧々子」

「すでに天の門は開いた!」

「私は先に行くとしよう」

「待っているぞ」


寧々子にそれが聞こえたのかはわからない

大男は昇る

天の門へと続く道を

ラスボス、真のラスボス

それこそが醍醐味だと思うんです

昔から幾度となくRPGで悩まされてきましたからね

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