12 大きな異変が動き出したんです2
受注した依頼は大型、サイクロプスの討伐だった
確認された個体は10体
縄張り争いなのか、オークの集落を襲撃して全滅させたらしい
「サイクロプスなら今の僕たちでも倒せそうだね」
詩季「そうですわね」
「新しい武器の性能を試すにもってこいですわ」
「う~でが~鳴る~」
ぶんぶんと盾を振り回す才華
「才華ちゃんの盾の大きさのせいでものすごく怪力に見える」
「アハハ~、これすっごい軽いよ~」
「風が涼しい、仰ぐのに、便利ですね」
顔を赤らめて冗談吹くハクラ
「ハクラちゃんでも冗談言うんだね」
「い、一時の気の迷いですので気にしないでください」
雪のように白い肌が真っ赤に染まっている
詩季「みなさん、つきましたわよ」
「あの崖に囲まれた場所に数体寝転がってますわね」
双眼鏡をのぞく詩季
「詩季ちゃん、僕にも見せて」
詩季は双眼鏡を渡す
「大きいね、でもあのサイズは確か通常サイズだね」
「オークの1.5倍くらいかな」
詩季「数体しかいませんわね」
「残りはどこへ行ったのでしょう?」
「ん?」
「あ、近くに洞穴がある」
「あの中じゃないかな?」
詩季「その可能性が高いですわね」
「とりあえず気づかれないように近くに行ってみましょう」
サイクロプスの目の良さは異常だ
常に木に隠れ、なるべく音を立てないようにゆっくりと近づいた
「だいぶ近づいたね」
「100メートルくらいかな?」
小声で話す司
「気づいてないね、すっごい気持ちよさそうに寝てる」
詩季「襲撃しますわよ」
「その前にこちらを」
詩季が弾を渡す
詩季「それぞれにアキナの回復弾を仕込んでおきましたわ」
「もし離れてアキナが治療できないときに使ってくださいな」
「ありがとう詩季ちゃん」
「ところで、これどうやって使うの?」
詩季「指で砕いてくださいな」
「簡単に砕けるようになってますわ」
「それで治癒効果が得られます」
「なるほど、ありがとう」
「怪我したら試してみるよ」
それぞれ10発の弾をポケットにしまう
詩季「では、身体強化をかけますわね」
詩季は全員に身体強化をかけ、ナツキに代わる
詩季「おっしゃ!行くぜ!」
「ちょ、詩季ちゃん、声大きい」
振り向いてみたが相変わらず眠りこけているサイクロプス
「弱点はもちろん、目ですよね」
「私の亜空切断で...」
「ウフフフフフ」
「怖、こういうとこ美汐先生に似てるね」
「うん...」
詩季「戦闘開始!せりゃぁ!」
炎と雷を双銃剣にこめる
ブレードがその性質に変化した
一気に間合いを詰めると近くにいた一体の目に二つの刃を突き入れた
炎と雷が一気に脳を焼き、断末魔の悲鳴とともに頭が焦げ、崩れた
その悲鳴をきいたほかのサイクロプスたちが一斉に目を覚ます
しかし、すでに霊花のネイルガンが自由を奪っていた
「それ!」
霊花がクマのぬいぐるみにくぎを刺す
心臓を貫くくぎ
サイクロプスの一体が白目をむいて息絶えた
「とりゃぁ!」
ハクラは動けなくなったサイクロプスの頭を斬り飛ばす
一瞬で二体の頭が転がった
騒ぎを聞きつけたのか、洞穴からぞろぞろとサイクロプスが出てきた
「うへぇ、あれ聞いてたより多くない?」
「どう見ても、30体以上いるね」
詩季「大丈夫!あたしらならいけるって!」
「うん!」
「はい!」
見な自らを鼓舞して次々とサイクロプスを倒していく
「亜空切断!飛翔!」
鷹音は刀から斬撃を飛ばす
目に見えないそれにあたると、その部分だけ異空間に切り取られ消失した
才華は盾で霊花を守っていた
「わ~、軽い軽い」
「それに~攻撃を受けても~」
「全然衝撃が来ない~」
「すごいすごい」
才華ははしゃぐ
才華の陰に隠れ、ネイルガンを撃ち、サイクロプスの動きを止める霊花
動きの止まったサイクロプスから着実に倒していく
新武器の性能は以前と比べて段違いだった
「だいぶ数、減りましたね」
「このまま一気に叩きます!」
ハクラは構えていた大剣と小太刀を一つにする
日本刀になった武器を下手に構え、サイクロプスの間を走り抜ける
10体目を走り抜けたとき、一体目から順に上下に、袈裟懸けに、縦割れに裂けて絶命した
「いつみてもハクラちゃんの剣技ってきれいだね」
「刀の動きは見えないのに、刀身が光ってるから光の線みたい」
ハクラの活躍で、その場にいたサイクロプスは全滅した
詩季「周辺に残党はいないようですわ」
「洞穴の中にもいないよ」
「これで依頼達成だね」
司は証拠の写真を撮影していく
「よし、じゃぁ帰ろうか」
テレポーターに連絡を取る
組合に帰り着くと、ベンチに腰を下ろした六人
「ああ~、疲れたよ~」
「ええ、今回は多かったですもんね」
「鷹音ちゃんのキャラが美汐先生そっくりになってびっくりしたよ」
「え?そ、そうですか?」
和気あいあいと話していると、突如警報が鳴った
『緊急事態発生!緊急事態発生!』
『天災級が周辺で目撃されました』
『Bランク以上のハンターは至急東の森入り口に集合してください!』
鳴り響くエマージェンシーコールに六人は驚いた
「て、天災級!?」
「こんな近くに!?」
「まずいね、そんなのここ何年も出ていないはずなのに」
「なんでこんな急に」
詩季「行かなきゃ!」
「あ、危ないよ詩季ちゃん!」
「Cランクの私たちじゃすぐにやられちゃうよ!」
詩季「でも!」
「霊花ちゃんの言うとおりだよ」
「僕たちじゃ足手まといになる」
「僕たちにできることは何もないよ」
詩季「だったら、避難を手伝えばいいんですわ」
「...なるほど、それなら僕たちにもできる」
「行こう!」
六人は一斉に現場へと駆けだした
天災級はSSSランクなら二人くらいで倒せます
しかしSSSは海外にいるのですぐに呼べない
みたいな裏設定にしてます




