11 18人で災害級を狩るんです4
「オラァ!」
苫の拳が地面を穿つ
そこから地を這う地割れはマンティコアの足を飲み込む
バランスを崩すもすぐに飛び上がり、体制を立て直すマンティコア
「っち、反応早ぇな」
「えい!」
そこを霊花が金縛りにかける
「う、力、強い」
「抑えきれない」
金縛りはすぐに解けた
「ググガガ、タスケテ、シニタクナイ」
「なに!?なんかしゃべってるよあいつ」
「気にすんな、大方襲った人間の言葉真似てんだろう」
詩季「そりゃぁ!」
雷の弾を打ち込む詩季
脚に当たり少しひるませる
その足を砂状になったマールーンがつかむ
地面に足をめり込ませ、動きを止めた
「今だ!」
攻撃班の一斉攻撃が始まる
香那実のフレアランスが脇腹を直撃するとそこから炎が燃え上がった
「ギャガァ!」
悲鳴を上げるマンティコア
さらに海の高圧水流のカッターが羽を切り落とした
「よし!和ちゃん!」
「ひゃっひゃっひゃ!」
和は武器であるスレッジハンマーに自身の能力をこめる
和の能力は相乗
撃てば撃つほど威力が上がっていくが反動が大きいため小柄な彼女には二発が限界だ
ガンと金属音を立て、マンティコアのこめかみに当たる
「ひゃっ!?」
「固い」
そこをマンティコアの尾が迫る
「危ない~!」
才華が見事に盾で防いだ
「っひゃ!ありがとう!」
「とりゃぁ!」
ハクラの刀が尾を切り落とす
「ギュガアアアア!!」
尾を斬られて怒ったマンティコア
足を引き抜く
「させるかよ!」
苫はまた拳で地面を撃つ
勢いよく地割れが走り、もう片方の前足を飲み込んだ
「よっしゃ!」
またも動けなくなるマンティコア
慌てているのか、爪で攻撃しようと腕を振り回した
しかし、振り回した腕は空を切り、されにいつの間にかずたずたに切り裂かれていた
「いいぞ、トロ」
「トロっていうのやめてくださいよ」
トロと呼ばれた少年、東野露修は少し怒った顔で影郎に言った
彼の能力は真空
作り出した真空波で見えない刃を作り切り刻むかまいたちが得意だ
武器は持ちてとツカだけの刀
刃は自ら作り出す
マンティコアは傷ついた腕をかばうようにもういっぴうの手で殴りかかった
しかし、その腕は到達する前に消失していた
「やるねいあの子」
そういった香那実の目の先には鷹音がいた
鷹音の能力でマンティコアの腕は分子レベルで分解されていた
亡くなった腕を見るマンティコア
吹き出す血を止めるため、なんと口から火を噴き手を焼いた
詩季「うわ、マジかよ」
「自分で傷口焼いて止血したよあいつ」
「なかなかに、頭がいいようですね」
ぎろりと睨むマンティコア
後ろ脚で地面を蹴り、空中へと逃れ、包囲の外へ着地した
すぐに血を蹴り逃げようとするマンティコア
「逃がすかよ!」
「逃がさない!」
影移動をもつ影郎とテレポートを使う司がマンティコアの目の前に出現する
二人の刃がマンティコアの両目を奪った
「今だよ!攻撃班、総攻撃だねい!」
香那実の号令で女子チームが一斉にかかる
フレアランスで腹を突き、焦がす香那実
海は水圧を圧縮し、打ち出す
水流カッターはマンティコアの耳をそぎ落とした
「ギガガ!オカアサン!オカアサン!」
人間から真似た言葉を叫ぶ
「っち、ありゃ子供も食ってやがるな」
「ここで倒し切っちまうぜ!」
攻撃班の一人、穂風子武子が大剣を上に放りなげた
宙を浮く大剣はまっすぐマンティコアに飛んでいき突き刺さる
そして、抜ける
また突き刺さる
何度も何度も何度も
子武子の能力はテレキネシス
大剣を操り攻撃する
「もう一息だ!」
「気を抜くなよ!」
影郎はみんなに激を飛ばした
攻撃班最後の一人、蝶野トトがレイピアを構える
周りを冷気が多い始めた
ゆっくりとマンティコアに迫る
そして、すーっとマンティコアの腹にレイピアを差し込んだ
直後、マンティコアの動きががちがちとぎこちなくなる
彼女の能力は氷結
レイピアで刺すことによって体内から凍らせることができる
カチカチに凍ったマンティコア
詩季「とどめだ!」
雷をこめた弾を打ち込む
マンティコアは砕け散った
詩季「ふぅ」
詩季の髪が赤く染まる
詩季「誰かけがした人いない?」
手をあげるマールーン
「さっき、転んだ」
「おまえ、いつの間に転んでたんだよ」
マールーンは皆の見ていないところで派手に転んび、顔面着地を決めていたため
顔が血まみれだった
詩季「じゃぁ、治しますね」
「あの子、スルーしたわねい」
「ある意味あの子が一番しっかりしてるからな」
治療を受けるマールーン
「おお、気持ちがいいな」
「すごく、温かい」
「ちぇっ、俺も怪我しとけばよかった」
詩季「わざと怪我したら治療しませんよ?」
「は、はい、すいません」
マンティコアを討伐した証拠はタブレットで死体の写真を撮ることで確認される
それぞれ写真を撮り、テレポーターを呼んだ
「災害級討伐お疲れ様です皆さん」
「うわ、すごい大きさですね」
「俺たちもここまででかいとは思わなかったよ」
「でもまぁ、連携がうまいこといってよかった」
「そうですか、では、帰還しましょう」
ニコリと笑い、テレポーターとメンバーは組合へと帰還した
受付へ報告するリーダーたち
「はい、確認いたしました」
「災害級マンティコア討伐お疲れ様です」
「報酬を渡しますのでカードをお願いします」
三人はカードを受付嬢に渡す
「これで報酬は振り込まれました」
確認する詩季
1チーム一人頭8万円、計48万円ずつリーダーたちのカードに入っていた
「みなさん、Cランクへのランクアップとなりますので」
「そこの機会にカードを入れてください」
「え?もうランクアップかよ」
「はい、災害級はそれだけ危険ですので」
「実力から判断するにCランクでも問題なしと判断されました」
みんなそれぞれにカードを機械に入れてCランクにアップさせた
「それにしても、報酬結構もらえるんだねい」
「今夜はパーッとおいしいもんでも食べに行くかねい」
「お、いいね、俺たちも行くぜ」
「詩季んとこはどうする?」
詩季「わたくしたちも行きますわ」
「みんなに伝えてきます」
「おう、じゃぁ後でここ集合な」
「わかったねい」
「じゃぁ、あとでねい」
詩季たちはいったん自分たちのクラスアパートへと戻り
また組合の集合場所に行った
食事会はファミレスで行われた
楽しい時を過ごし、深夜、家に戻った詩季たちは泥のように眠った
夢の中なのか、現実なのか、声が聞こえる
「...て」
「...が迫って..」
「私は捕ら.....ごめんなさい」
詩季「誰だよ!」
「なんて言ってんだよ!」
詩季「囚われ?捕まっているということですの?」
「あなたたちは...れた」
「お願い...をすく.....」
詩季「救う?あんたを助けるればいいの?」
「私は、いいのです...を、お願い.ます」
詩季「何を救うんですか?」
「聞こえないです」
「ごめんなさい、もう、時間...」
「お願い、その世界を、...から、守って」
その声は小さく擦れ、消えた
そこで目が覚める詩季
あたりはすっかり明るくなっていた
登場人物だしすぎた
後でからませるかも考えてないのに




