9 死んだあの子はお姉ちゃんで生徒になったんです5
班ごとに分かれ行動する生徒たち
周辺にはすでに何匹かのオークがうろついていた
「えい!」
霊花が一匹の動きを止め、司がテレポートで後ろへ回り込みナイフを深々と刺した
「グガァアアア!!」
悲鳴を上げるオークをさらにハクラが刀で切りつけた
吹き出す血、しかしまだ倒れる気配がなかった
そこに小さな火種がオークに当たる
火は一気に燃え上がり、オークは倒れた
まだ死んではいないようだが霊花がくぎを藁人形の心臓部に差し込んだ
とうとうオークは息絶える
「やっぱすごいね~、その釘~」
「うーんでも、相手が弱ってないと倒せないからそんなに使い勝手はよくないよ」
「動きを止めてる間はこの力使えないし」
「そっか~」
「でも~霊花ちゃんが~動きを止めてくれるから~」
「私たち~安全に戦えるね~」
「て、照れるよ才華ちゃん」
「ただこの金縛り、一体にしかできないからいっぱい来るとダメダメだなよ」
詩季「大丈夫だよ、その時は私たちが名いっぱい戦うし」
「才華ちゃんの盾もあるから」
「しっ、みんな、もう一体来たよ」
「今の騒ぎを聞きつけたみたいだ」
そのオークは鎧を着ていた
「うわ、あれオークソルジャーじゃない?」
「初めて見た」
詩季「先ほどのでも体力が高かったですのに」
「オークソルジャーとは、ちょっと怖いですわね」
「まずみなさんに強化をかけますね」
詩季は身体能力の強化と感覚強化をかけた
感覚強化は動体視力や聴力など五感を強化する
「わ~、なにこれ、すご~い」
「オークの動きがゆっくりだ~」
怒り狂ったかのようなオークが錆びまみれの鉈を振り回しながら襲ってくる
「おっと、感覚強化のおかげで楽に避けられるね」
司はひらひらと身軽に攻撃を避けた
「Grrrrrrrrrrrr!!」
攻撃の当たらないことにいら立ったオークはめちゃくちゃに鉈を振った
詩季「無理無理、当たらないよ!」
「それ!」
詩季は双銃で雷の弾を打ち込む
バチバチと激しい音を立て感電するオークソルジャー
威力は十分だが、体力の化け物、鉈を再び握りなおすと詩季に狙いを定めた
「危な~い!」
才華が盾でオークの攻撃を防いだ
能力の効果で激しくはじかれ、オークはひるんだ
そこを司が狙う
ナイフで首元を掻き切った
恐らく頸動脈に当たったのだろう
おびただしい量の出血だ
「よし!」
「ハクラちゃん!」
「そりゃぁあああ!!」
真っ赤に染まるその目を輝かせ、オークの頭上をとるハクラ
鋭くとがった槍に変形させた武器をオークの脳天へ突き刺す
「ゴゴ、ガギッ」
口から大量の血を吹き出してオークは倒れた
「ハァハァ、どうじゃ!わらわの強さ、思い知ったか!」
「ハクラちゃんまた性格変わってる...」
ハクラは能力が完全に制御できていないため性格がガラッと変わってしまうが
みんなすでに慣れてしまっていた
鷹音以外は...
「あ、あの、ハクラさん、ですよね?」
「なんじゃ?わらわがどうした?」
「い、いえ、なんでも、ないです」
鷹音は苦笑いした
しばらく道を進むと司が何かを発見した
「みんな、みて、あれが多分オークの住処だよ」
「すごい、集落みたいになってる」
「てことはやっぱり人間並みの知能は持ってるのか」
オークたちはこちらに全く気付いていない
集落の中心には動物や魔生物の骨が散らばっている
中には、人間らしき骨もあった
「あれ、人食べてるよね...」
「うん、なんか怖い~」
詩季「ほかの班が到着するのを待ちましょう」
「6人じゃ心もとないですわ」
「そうだね、ざっと数えても30、いや、40体はいる」
「みんなを待つのが得策だろうね」
すると、後ろからリサが来た
「皆さん、大丈夫ですか?」
「あ、リサ先生だ」
「私たちは大丈夫です」
「ここに来るまでにオーク二体を倒しました」
と、霊花は答えた
「そっか、美汐先生は先に行ったんだけど」
「君たち合わなかった?」
「はい、こっちには来てないみたいですね」
「まぁ、班はそれぞれ先生たちが見てるので」
「危なくなったら助けに入る手はずになってますから大丈夫ですよ」
「ちなみに私はあなたたちを見てました」
「うそ、全然気づかなかった」
「なるほど、リサ先生お得意の迷彩ですね」
「そういうこと~」
「お、みんな来たみたいね」
他の班の生徒たちが集まってくる
「よし、全員そろったようだな」
急に頭上から声がした
「み、美汐先生!なぜ木の上に!?」
驚くリサをしり目に美汐は気から飛び降りた
見事にちゃくとに失敗する
「お、おのれオークめ!」
「いや、今のは美汐先生が落ちただけじゃないですか
「すまん、詩季、治療をたのむ」
詩季「何やってるんですか先生...」
その様子を見て鷹音は笑った
詩季に治療をしてもらった美汐は号令をかける
「ではこれよりオークを殲滅する!」
「だが決して無理をするな!」
「危険だと思ったらすぐに逃げるか先生を呼ぶこと!」
「では、作戦開始!」
生徒たちは一斉にオークたちに攻撃を仕掛けた
まだ続きます




